ククーシュカ ラップランドの妖精

劇場公開日:

解説

ロシアとフィンランドとが戦争している最中、フィンランド最北の地ラップランドに住み負傷した両国の兵士をかくまったサーミ人の女性。互いに言葉が通じない男2人女1人の不思議な生活をユーモラスに描いた心温まる作品。監督は「国民的狩猟の特色」「検問所」のアレクサンドル・ロゴシュキン。出演は、フィンランドでラジオDJをするアンニ=クリスティーナ・ユーソ、「国民的狩猟の特色」のヴィッレ・ハーパサロとヴィクトル・ブィチコフ。モスクワ国際映画祭最優秀監督賞、最優秀男優賞(ヴィッレ・ハーパサロ)など5部門受賞。

2002年製作/104分/ロシア
原題:Kukushka/The Cuckoo
配給:シネカノン
劇場公開日:2006年3月25日

ストーリー

1944年9月、第二次大戦末期。フィンランド最北の地ラップランドで、ロシア軍とドイツ軍、そしてフィンランド軍が戦っていた。フィンランド軍の狙撃兵ヴェイッコ(ヴィッレ・ハーパサロ)は、戦争への非協力的態度に怒った戦友らによってドイツ軍の軍服を着せられた上、鎖で大岩につながれたまま置き去りにされる。ロシア軍大尉イワン(ヴィクトル・ブィチコフ)は、味方による誤爆を受けてしまう。その近くをラップランドに暮らすサーミ人の女アンニ(アンニ=クリスティーナ・ユーソ)が通りかかり、重傷を負ったイワンを見つける。また、ようやく身をふりほどきさまよい歩いていたヴェイッコも、アンニの家へたどり着き、しばらく彼女の家に逗留することにする。言葉も文化も異なる3人の不思議な暮らしが始まった。アンニの夫は徴兵されたまま帰ってこず、もう4年も男のいない生活が続いており、肉体の触れあいに渇くアンニは若く逞しいヴェイッコをベッドへと導くが、中年のイワンは嫉妬に燃える。ある日、ヴェイッコがドイツ軍の軍服を着ていたため彼のことをドイツ人と思い込んだイワンは、墜落機の残骸から見つけたピストルでヴェイッコを撃つ。戦争が終わったことに気付いた時には既に遅く、イワンは瀕死のヴェイッコを小屋に運び込む。必死に看病するアンニ。息を吹き返したヴェイッコが回復するまでのあいだ、アンニはさっそく火照る体をもてあまし、今度はイワンをベッドに導く。民族間の憎しみも、アンニに対する愛情ゆえの対抗意識もなくなったヴェイッコとイワンの間に友情が生まれる。やがて2人の男はそれぞれの国に帰るが、アンニには2人の男の思い出だけでなく、大切な宝物も残された。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5詩的な映像美

2015年3月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

男2人、女1人のシュチュエーションには傑作が多いがこの作品も佳作の一っ。

言葉が通じない3人がそれぞれの考え方を言い争う可笑しさが見物だが、意外にも前半はなかなか盛り上がらない。
しかし、いつしか性の欲求と嫉妬が露わになるにしたがって面白味が増し、‘魂の帰還’による寓話的なエピソードで頂点を迎える。
それまで極力押さえていた美しい風景を積極的に映さない演出が、この場面での’詩的美’を際立たせ、このエピソードの説得力とラストシーンの美しさを作り上げる事に成功している。

(2006年3月29日シネアミューズウェスト)

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松井の天井直撃ホームラン

4.5ラップランドで

2013年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

フィンランドの最北で、寒い疲れた戦場で、殺風景の中で
三人が出会って、言葉は通じないけど、愛があって、
最後は何だか泣きたくなる。
題名からしてもっとかわいい内容かなと思ったけどいい意味で裏切られた!

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ru_zizi