哀愁の湖

劇場公開日:

解説

ベン・エイムズ・ウィリアムズの小説を映画化したテクニカラー作品で、女のニュロティックな心理を描くメロドラマ。ウィリアム・A。バッカーが製作し、「王国の鍵」のジョン・M・スタールが監督に当たった。脚色は「潜航決戦隊」のジョー・スワーリング、撮影、音楽は「わが心に歌えば」と同じくレオン・シャムロイとアルフレッド・ニューマンの担当。主演は「脱獄者の秘密」のジーン・ティアニーと「ゴールデン・コンドルの秘宝」のコーネル・ワイルド、それに「人生模様」のジーン・クレインで、ヴィンセント・プライス「呪われた城」、レイ・コリンズ「我が心の呼ぶ声」、メアリー・フィリップス、ジーン・ロックハート「壮烈第7騎兵隊」らが助演する。

1945年製作/110分/アメリカ
原題または英題:Leave Her to Heaven
配給:20世紀フォックス極東
劇場公開日:1953年10月6日

ストーリー

若い流行作家リチャード・ハーランド(コーネル・ワイルド)はニュー・メキシコのロービー家に招待され、エレン(ジーン・ティアニー)とその腹違いの妹ルース(ジーン・クレイン)に会った。エレンは弁護士ラッセル・クィントン(ヴィンセント・プライス)と婚約していたが、リチャードと恋に落ち、結婚した。結婚後、リチャードは弟のダニーとエレンを連れ、自分の別荘へ行った。そこへエレンの母親とルースもやってきた。その頃からエレンは異常な心理状態となり、夫の愛を独占しようと、母親やルースに冷たく当たった。ある日、ダニーとボートに乗って湖に出たエレンは、ダニーが湖に飛び込んで泳いでいるうち溺れたのを見殺しにした。リチャードは別荘をたたみ、エレンと共に彼女の母親に家に移った。リチャードは沈みがちとなり、エレンは彼の愛がさめたのではないかと疑い出した。その頃エレンは妊娠し、日がたつにつれ自分の容姿がみにくくなるのを悩んで自分の部屋に閉じこもってしまった。しかもその間にリチャードとルースの仲を疑い、ルース激しく嫉妬した。ある日エレンは階段からわざと落ち、子供を死産させた。家庭内は冷たくなった。リチャードは創作に専念し、ルースは旅に出ようとした。エレンはルースにリチャードを横取りしたと激しくなじり、ルースは怒って出て行った。この会話を聞いたリチャードは、エレンの邪悪な心を見抜き、彼女が故意にダニーを殺し子供を死産したことを告白させた。リチャードはエレンを見捨て、ひとり旅立つと告げた。絶望したエレンはクィントンに手紙を出し、自ら毒をあおって自殺した。手紙にはルースとリチャードが不義の関係を結び、ルースがエレンを殺すと脅したと書いてあった。そのためルースはエレン毒殺の嫌疑を受けたが、リチャードが弁護に立ち、エレンが異常心理の女であったことを述べた。ルースは無罪となったが、リチャードはダニーが殺されたことを隠していた罪に問われた。2ヶ年の刑期を終え、リチャードはルースと結ばれた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 アカデミー賞(1946年)

受賞

撮影賞(カラー) レオン・シャムロイ

ノミネート

女優賞 ジーン・ティアニー
美術賞(カラー)  
音響録音賞  
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映画レビュー

4.0エレクトラコンプレックス

2021年11月19日
Androidアプリから投稿

母親から父親を奪ったような娘に惚れられる恐怖を描いている

ソフィスティケイテッド・レディみたいな雰囲気のティアニーが
全く逆の猛々しさを見せる
愛にまつわる原始の姿みたいな

ニューメキシコの荒野に馬を駆らせながら
父親の遺灰をまく姿は美しく、崇高な感じがしました

妹役のクレインも背格好が似ているが
本質は全く違うタイプの女性を演じており
男性から見た女性の内面のわかり辛さを表しているようでした

ロケーションが素晴らしく
ニューメキシコの邸宅って、こんななのかな…とも
天然岩を活かした湖のようなプールとか…

湖がポイントですが
エレン(ティアニー)がプールや海水浴が好きなのも
水辺の悪い精霊などに重ね合わせているようでした

色々な考察がなされている映画みたいで
面白かったです

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jarinkochie