虹の世界のサトコ

劇場公開日:

解説

N・A・リムスキー・コルサコフの歌劇『サトコ』によって世界的に有名なロシアのオネカ湖地方の古伝説の映画化である。監督は「石の花」のアレクサンドル・プトゥシコ、脚色はK・イサエワ、アグファカラー色彩の撮影をフョードル・プロヴォロフが担当した。音楽はもちろんリムスキー・コルサコフの曲を使用し、B・シェバーリンが編曲と追加作曲をしている。出演者はS・ストリヤーロフ、A・ラリオノワ、ミハイル・トロヤノフキー、N・マリシェフキー、B・スロフツェフ、Y・レオニドフなどである。一九五二年作品。この作品は一九五三年ヴェニス映画祭で銀獅子賞を得た。

1952年製作/ソ連
原題または英題:Sadko
配給:欧米映画
劇場公開日:1953年12月14日

ストーリー

吟遊詩人サトコ(S・ストリヤーロフ)は、イリメン湖を渡ってノヴゴロドの街に到り、この街を自由と平和のユートピアにしようと決心した。彼はこの街で乙女リュバーヴァ(A・ラリオノワ)を見染め、二人は相愛の仲となった。ユートピア建設の遠大な計画を街の人々は一笑に附し、落胆したサトコが一人悲しみに沈んでイリメン湖畔で堅琴を奏でていると湖底から竜宮のイリメニ姫が現われた。サトコが水底への姫の誘いを断ると、姫は三艘の船と多くの物資を彼に贈った。サトコはこれらの船をひきい、幸福を求めての世界行商に旅立った。最初に寄港したワリャーグ国では大勢の軍隊に攻撃されたが、事なく敵を潰滅し、勇躍次の航海に船出した。やがてインドについた。インド王の居城奥深く不思議な鳥のいるのを聞いたサトコは、これこそ幸福の鳥にちがいないと思い、彼の白馬と王の鳥とを賭けて将棋を争って、これに勝った。しかし鳥は幸福の鳥ではなく、人を永遠の眠りに誘う眠り鳥だった。サトコの竪琴で眠り鳥の魔力から脱れた一行は、改めて航路についた。すでに三年の月日が過ぎたが、幸福の鳥は依然として見つからなかった。ノヴゴロドの街ではリュバーヴァが一人淋しくサトコの帰国を待ちこがれていた。船団の人々もそろそろ望郷の念にたえられなくなったころ、一行は大暴風雨に遭遇した。サトコは一同を救うための犠牲となる決心をし、単身荒れ狂う海中に身を投じた。かくて海は静まり、一行は一路ノヴゴロドを指して帰路を急いだが、一方サトコは水底で彼を恋慕うイリメニ姫に迎えられた。だがサトコの意中の人は外ならぬリュバーヴァであった。

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