美しき諍い女
劇場公開日 1992年5月23日
解説
日本公開にあたり、モデルを演じるエマニュエル・ベアールの“ヘア論争”が巻き起こったリベットの問題作。老画家の屋敷を、新進画家が訪ねてきた。彼の恋人を見た老画家は、10年間中断していた野心作“美しい諍い女”の制作再開を決意する。かつて“美しい諍い女”のモデルを務めた妻、創作に悩む老画家、最初はモデルを拒んでいたが次第に積極的に老画家に挑み始める娘、そしてその恋人。二組のカップルの関係にも緊張が走りはじめる……。
1991年製作/237分/フランス
原題:La belle noiseuse
配給:コムストック
スタッフ・キャスト
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2022年3月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
これを「外国映画ベスト・ワン」に選ぶキネマ旬報にはおそらく「変なフランスかぶれ」や「芸術かぶれ」が多いのだろう。選んだ人物の「貴方たちには解らないでしょ」みたいな顔が目に浮かぶ「不愉快な変態映画」
同じテーブルの人が倒れても身動ぎもしない登場人物達に感情移入できる筈もなく、変な台詞に緩慢な演技は最後まで見る気がしないので途中退場した。
2019年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
途中で休憩をはさむ映画はインドだけではなかったんだ。
自分の求めるものは何なのか?
否、それは”私”が求めているのか?
それとも、何か大いなる力に描かさせられているのか?
歴史を越えて、人の心を揺さぶる芸術について、よく作り手が語る言葉。
そんな瞬間・過程をひたすら紡いだ映画。
画家とモデルがアトリエで対峙する。そこにその妻や恋人の思惑が絡む。
それだけの筋で、4時間見せ切る。
キャンパスに色を塗りこめる。それだけなのに、なんともいえない緊張がはらむ。
そんなシーンが繰り返される。
それだけで驚嘆すべき映画。
音楽もほとんど自然音。
鄙びた?自然あふれる村に立つ城。
その納屋を改築したアトリエ。ホテルの部屋。
そんな閉塞的な空間と、突き抜けるような空と森、朴訥とした村の佇まい。
その中で巻き起こる登場人物の心の揺れ動き。
それは、たんなる気分ではなくて、生き方にもぐいぐい迫ってくる。
そんな凝縮された部分と、解放感のバランス・間も見事。
最後に画家の取った行動は、傲慢なのか、称賛を捨てて、モデル他周りの人を守った人間性なのか。妻が書き足した十字架がその答えのヒント。
そして、封印された”物”を心に秘めたマリアンヌの変化。人形から、”自分”への脱皮。
芸術論であり、地味なのに濃厚な人間ドラマ。
とはいえ、この長さ。再鑑賞には覚悟がいるし、誰にでもお勧めできる作品ではない。
インスタントな映画を好む人にとっては眠いであろうから駄作となり、
好みがあう人にとっては傑作となる。
P.S.:作品情報で知ったが、
ヒロイン(モデル)は、『MI』の初代ヒロイン・クレアを演じた方なのね。
そして画家は、ドヌーブさんの『昼顔』のあの方。
2018年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
人は死の瞬間に人生のすべてを回想する、同じように一枚の絵画でその人の全てを表現できると信じる老画家と美しいモデルの物語。
完成した作品は、当然、封印される。
それを理解できるのは作者とモデルしか存在しないのに。
そして、自分の全てを知ったマリアンヌは生きる意味を失ったのか、復活したキリストのように生きるのか。
良い作品は自分の目のようにカメラが動く。
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