化石の森(1936)

解説

「紅はこべ」「痴人の愛」のレスリー・ハワードと「青春の抗議 」「痴人の愛」のベティ・デイヴィスが主演する映画で、原作はロバート・シャーウッド作の同名の戯曲である。脚色には「真夏の夜の夢」「街の花嫁」のチャールス・ケニヨンが「海行かば(1935)」のデルマー・デーヴィスと協力し、「最初の接吻」「国境の町」のアーチー・L・メイヨが監督にあたり、「海行かば(1935)」「Gメン」のソル・ポリートが撮影した。助演は「ロマンス乾杯」「接吻とお化粧」のジュヌヴィエーヴ・トバン、「生活と恋愛」「海行かば(1935)」のディック・フォーラン、舞台でもハワードを助けて悪役を勤めたハムフリー・ボガードの面々で、その他ジョセフ・ソーヤー、ポーター・ホール、チャーリー・グレイブウイン等出演。

1936年製作/アメリカ
原題:The Petrified Forest

ストーリー

作家のアラン・スクワイアーは家庭生活に幻滅を感じ、家を出てアリゾナの砂漠に放浪の旅を続けていた。アリゾナの砂漠・化石の森と呼ばれるところから15マイル離れた土地にメープル親子の営むサービス・ステーションがあった。父のグランプは財産を家族に分配しようともせぬ男だが、娘ガブリエルは米仏のハーフで美しい乙女だった。彼女は現代の芸術に深い理解を持ち、この荒涼たる砂漠を離れたいと望んでいた。ボーズ・ハーツリンガーは日頃彼女を恋していたが、ガブリエルは相手になる気にはなれなかった。スクワイアーが此処に着いて彼女を知った時、二人は互いに仄かな愛情を感じ合った。しかしスクワイアーはそこを即時出発した。その日ギャングのデューク・マンティーとその一味は、オクラハマで人を殺しここへ逃げて来た。丁度その頃チゾーム夫妻はメープルの家を出発し砂漠横断に取りかかった。スクワイアーは途中でその車に同乗したが、デューク一味は車を奪ってメープルの家に一同を監禁した。ボーズはガブリエルの手前虚勢を張ってギャングに反抗したので手を射たれて負傷した。こうして一同がギャングと無言の対立を続けている内、スクワイアーはガブリエルがこの家を去りたがっているのを知る。間もなくギャングを追跡した警官の一隊が到着し、猛烈な射ち合いが始まった。デュークとその部下は戦の不利を知って逃れようとし、スクワイアー等数人を弾丸の盾にしようとする。その時スクワイアーは敢然としてギャングの脱出を妨害した。ギャングはスクワイアーを射撃した。彼は頬笑みを浮かべて死んで行った。それは自分の生命を賭した行為でギャングを捕らえたためではない。一人の美しい少女に希望の扉を開いてやることができた喜びの微笑であった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0退屈なセリフ劇

2022年1月21日
PCから投稿

強盗犯とか出てくるのでサスペンスフルな作品化と思いきや、舞台劇ママの映画なので西部の田舎食堂に限定された空間の中で延々と会話のやり取りが続きます。
お話は停滞気味でなかなか進みませんが、多分「気の利いた会話」が好きな人には受けるんでしょうね。言葉の裏に意味とかあるんでしょうけど面倒くさくてどうでもよろしい。
しかし、ボガート君よくこのあと大スターになりましたね。全く魅力的でない。

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越後屋

4.0直毛の黒髪の デューク・マンティ

2021年3月9日
Androidアプリから投稿

舞台の映画化で 共演してたレスリー・ハワードとハンフリー・ボガードの息はぴったり

ベティ・デイビスは若い時から フケ顔なんだな… と思ったが、アラン(ハワード)にときめき、服を着替え 前髪を上げると可愛くなった!

無銭飲食をしようとした旅人アランは 作家くずれなのか 詐欺師なのか謎
夢想家のようでもある
口が上手く周囲を煙に巻く…が、死に場所を探しているような処も

そんな彼と殺人犯デューク・マンティ(ボガード)は
肝胆相照らしてしまう
現実社会には不適合のふたり

この役でボガードが映画スターの道を歩み始めるのがわかる不思議な魅力

「ピグマリオン」を見てハワードの実力を知った
このアランや「風と共に去りぬ」のアシュレーに
〈死の影〉が見え隠れするように思うのは
彼の悲劇(搭乗機誤撃事件)を知ったからだろうか

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jarinkochie
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