アスファルト・ジャングル

解説・あらすじ

 刑務所を出たばかりのドクは宝石泥棒を計画。 いかがわしい弁護士らと共謀して、犯行に及ぶ。首尾よく宝石を盗んだものの、仲間のひとりが負傷。やがて仲間割れも起こり……。悩みや弱みを持つリアルなギャングたちの末路がハードボイルド・タッチで描かれる。

1950年製作/112分/アメリカ
原題または英題:The Asphalt Jungle

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受賞歴

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映画レビュー

4.5 人間は欲望から逃れられない

2026年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

子供の頃に 藤子不二雄A の『まんが道』で紹介されているのを見て以来、ずっと気になっていた作品でしたが、ようやく鑑賞することができました。

最初はフィルム・ノワールらしい犯罪映画なのかと思っていましたが、実際には強盗計画そのものよりも、それぞれの人物の欲望や欠落を描いた群像劇でした。

この映画の素晴らしいところは、登場人物全員に明確な動機が与えられていることです。ディックスは失われた牧場を取り戻したい、ドールは愛を求めている、ドクは若さや享楽に執着している、ルイは家族のために金を必要としている、エマリックは没落した生活からの一発逆転を狙っているというように、全員がそれぞれ違う目的を持っています。

そして、その動機が非常にわかりやすく描かれているため、誰が何を求めているのかが自然と頭に入ってきます。派手な説明や回想シーンに頼ることなく、会話や行動だけで人物像を立ち上げている脚本の巧みさには驚かされました。

また、技法を前面に押し出すタイプの映画ではなく、観客に意識させない形で使っているのも印象的でした。派手な演出や過剰な編集はほとんどなく、あくまでも人物同士の駆け引きや心情の変化を見せることに徹しています。

特にアメリカ映画らしいと感じたのは、それぞれの利害関係が複雑に絡み合いながら物語が進んでいくところでした。誰が誰を利用し、誰が誰を信用し、誰が裏切るのかという人間関係の描写が非常に上手く、最後まで飽きることなく見ることができました。

そして、全員が何かを求めて行動しているにもかかわらず、誰一人として思い通りにならないところに、この映画の切なさがあります。

ラストでディックスが馬に囲まれながら倒れていく場面は印象的でした。牧場を取り戻したわけではありませんが、都会のアスファルトから離れ、自分が本当に帰りたかった場所へ戻ったとも受け取ることができます。

派手なテーマを掲げる映画ではありませんが、「人間は欠落を埋めようとして生きている」という普遍的な姿を描いた作品なのだと思いました。

75年以上前の作品とは思えないほど脚本の完成度が高く、後の犯罪映画や群像劇に大きな影響を与えたことがよくわかる一本でした。

鑑賞方法: Blu-ray (Criterion)

評価: 90点

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neonrg

3.5 暗い時代の反映

2025年10月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

 昔NHKの夜に銀河テレビ小説のシリーズで「まんが道」というドラマが、ありました。藤子不二雄のトキワ荘時代を舞台にした青春物ですね。手塚治虫が藤本と安孫子を映画に誘います。その映画がJ・ヒューストン監督「アスファルト・ジャングル」でした。今となっては御三家から感想をお聞きしたいところです。

 この映画は今から三四半世紀(75年)前に作られたせいか古さはあるんですよね。金庫破りにニトログリセリン使って爆発・・・て雑すぎ。
S・キューブリック「現金に体を張れ」にも影響を与えた犯罪映画の原典とも言われています。私はQ・タランティーノ「レザボア・ドッグス」の元ネタかと思いましたが全然違ったです。「レザボア」は、ほとんど男しか出てきませんが、本作品は女優さんが出てきます。マリリン・モンローが出てるのは嬉しい誤算です。

 50年代はアメリカにとっては暗黒時代とも呼ばれています。マッカーシー議員による赤狩り旋風。最後のハーディ本部長の演説はFBIのプロパガンダ映画にも見えかねません。この時代はFBI長官フーバー猛威を奮ってC・チャップリンもアメリカを追い出されています。時代の空気感を反映してか映画は暗いです。

 クライム(犯罪)アクションで犯罪者が主人公の場合は、だいたい結末は分かります。歯車が狂って逃亡・・・私こういうの苦手で追われる人に同化してしまうんですね。T・マリック「天国の日々」の後半観てて辛かったです。

 この映画に関する分析や評論を、いろいろ読んでみたいのですが古すぎて無い状態です。ほぼ忘れられた作品となっております。

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naoki

2.0 ジョブ型雇用

2022年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

ストーリー:綿密な計画で実行された宝石泥棒。完全犯罪のはずが、ほころびが出始め警察の手が迫る。

泥棒チームのメンバー選定があっというまに進むので、そんなんで完全犯罪できるのかと要らぬ心配をしてしまう。メンバー選定もそうだが、泥棒シーンも淡々と進み拍子抜けするくらいだ。泥棒シーンは一見シナリオ通りだが、想定外のことが徐々に起こり完全犯罪に楔を打つ。
犯罪のほころびが見えてくる辺りから、各犯罪者が微妙に最適解から外れた対処をとっているのも見ものである。
あまりどの登場人物に肩入れするでもなく全員との距離を保った描き方。それは特徴的で有意義な試みではある。しかし犯罪映画に期待するような興奮感が得られず、映画全体に乾燥砂漠が広がっている様な白けた感触がある。それがアスファルト・ジャングルということなのかな。

具体事例を淡々と述べるだけの進み具合に「夜明け前」という小説を思い出してしまった。全然異なるシチュエーションではあるが。

今週の気付いた事:彼こそルパン。

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ほとはら

4.0 ノワール、クール、ハードボイルド

2021年8月13日
PCから投稿

ヒューストン君、快心の一作です。
粘着感ゼロ、徹頭徹尾クール、タイトルもうよい。
モンロー君、有名だけどちょい役です。

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越後屋

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