愚か者の船
劇場公開日:1966年10月5日
解説
キャサリン・アン・ポーターの長編小説『愚者の船』を「ニュールンベルグ裁判」のアビー・マンが脚色、「おかしな、おかしな、おかしな世界」のスタンリー・クレイマーが製作・監督した人間ドラマ。撮影は「おかしな、おかしな、おかしな世界」でクレイマーとコンビを組んだアーネスト・ラズロ、音楽はアーネスト・ゴールドが担当した。出演は「ローマの哀愁」のヴィヴィアン・リー、「年上の女」のシモーヌ・シニョレ、「アラビアのロレンス」のホセ・フェラー、「キャット・バルー」のリー・マーヴィン、「突然炎のごとく」のオスカー・ウェルナー、「大いなる野望」のエリザベス・アシュレー、「キング・ラット」のジョージ・シーガル、他にホセ・グレコ、チャールズ・コーヴィン、ハインツ・リューマンなど。
1965年製作/アメリカ
原題または英題:Ship of Fools
配給:コロムビア
劇場公開日:1966年10月5日
ストーリー
ドイツでヒットラーが政権をとった1933年のある日、メキシコのベラクルスから、ドイツのブレーメルハーフェンに向って1隻の客船ベラ号が出航した。船客の1人である、こびとのグロッケンは、自らをも含めて、この船を“愚か者の船”と命名した。彼は、この船が愚か者たちであふれていると考えたのだ。ー―この船の船長ティーレは、長年の航海仲間で船医のシューマン(オスカー・ウェルナー)が心臓衰弱のため、この航海を最後に下船することがさびしくてたまらなかった。一方、船客には、狂信的なナチの信奉者リーバーフ(ホセ・フェラー)、外交官の夫と離婚したばかりの、気位が高く、しかも欲求不満に身をやいているメアリー(ヴィヴィアン・リー)、外角のカーブを打てないばっかりに球団をお払いばこになった男テニーや、やや頭の弱い肉感的な女ジェニー、おだやかな夫と、愛犬のいる世界に安住しているヒュッテン教授夫人、セックス・オンリーの世界に疑問を持ちはじめた画家同士の恋人たち、ジプシー舞踏団の踊り子で、夜ごと船客たちを誘惑して金をまきあげているアムパーロなどがいて、様々な喜怒哀楽をおりまぜて息づいていた。そんなある日、船はキューバに寄港し、数百人の砂糖労働者を3等船室に収容したが、同時に、カナリー群島のテネリーフェに護送される、政治犯の伯爵夫人(シモーヌ・シニョレ)を1等船客として乗船させた。伯爵夫人は、5千人の労働者を使う身でありながら、人間的な立場から労働者に同情し、彼らの闘争のための武器を提供したのだ。シューマンは、そんな彼女に激しく心を動かされ、伯爵夫人も余命いくばくもないシューマンの飾り気のない態度に心惹かれた。やがて船は、テネリーフェに寄港した。シューマンは、伯爵夫人とともに下船する、とティーレ船長に申し出た。今まで、静かな家庭に安住していたシューマンの激情が、伯爵夫人の出現でかきたてられたのだ。が、ティーレは、シューマンの申し出を許さず、シューマンも説得されて船に残った。それからも、さまざまな人間が、さまざまな出来ごとを引き起こした。ー―しかし、船は無事最後の港ブレーメルハーフェンに入港した。誰もが、何ごともなかったかのように巷に消えていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- スタンリー・クレイマー
- 脚色
- アビー・マン
- 原作
- キャサリン・アン・ポーター
- 製作
- スタンリー・クレイマー
- 撮影
- アーネスト・ラズロ
- 音楽
- アーネスト・ゴールド
-
Mary_Treadwellビビアン・リー
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La_Conesaシモーヌ・シニョレ
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Rieberホセ・ファーラー
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Tennyリー・マービン
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Dr._Schumannオスカー・ウェルナー
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Jennyエリザベス・アシュレイ
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Davidジョージ・シーガル
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Pepeホセ・グレコ
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Glockenマイケル・ダン
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Capt._Thieleチャールズ・コービン
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Lowenthalハインツ・リューマン
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Frau_Huttenリリア・スカラ
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AmparoBarbara Juna
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Lizziクリスチーネ・シュミットマー
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Freytagアルフ・ケリン
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Lt._Heebnerワーナー・クレンペラー
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Grafジョン・ウェングラフ
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Frau_SchmittOlga Fablan
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Elsaギラ・ゴラン
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Lutzオスカー・ベレギ
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Huttenスタンレー・アダムス
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Frau_lutzカレン・ヴェルヌ
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OhannCharles de Vires
受賞歴
第38回 アカデミー賞(1966年)
受賞
撮影賞(白黒) | アーネスト・ラズロ |
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美術賞(白黒) |
第23回 ゴールデングローブ賞(1966年)
ノミネート
最優秀作品賞(ドラマ) | |
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最優秀主演男優賞(ドラマ) | オスカー・ウェルナー |
最優秀主演女優賞(ドラマ) | シモーヌ・シニョレ |