ヴェニスの商人のレビュー・感想・評価
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いつかはオリジナルも読んでみたい
「1ポンドの肉を切り取らせるという契約で実際に切り取るときに血は一滴も流してはいけない」というくだりだけ知っていたけれど、こんな話やったんやというのが正直なところ。
中世ヨーロッパの衣装や建物だけでも見所満載だったけれどお金の貸し借りや娘との関係は少しややこしかった。
最後に出てきた法学者が機知に富んでいてすごいなと思った。見事な裁きぶりに打ち上げにも出ずお礼ももらわずに去って行こうとしたけれど結局「指輪をくれ」というのも「エッ」という驚きだった。それも結構固執していた。
最後の最後に解き明かされるけれどなんかひねくりすぎてるような感じがしたがこれがシェイクスピアということで納得しておこう。
シャイロックは改宗させられたけれど理由はどうであれ他のユダヤ人には顔向けできなかったやろなあ。
踏み絵以上にきつかったはず。
無宗教というか万の神というかそんな自分には理解できない罰であった。
それにしても当時からユダヤ人はヒドイ扱いを受けていたというのがわかる。
貪欲な金貸しは別に何人でも良いとは思うのだが・・・・
まさしく悲劇
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中世の話。
没落貴族が金が友人の商人に金を借りる。
貴族だか姫だか知らんけど、豊かな身分の人と結婚するための資金だった。
友人思いの商人は金を貸してやろうと思ったが、手元に現金がない。
貿易に資金投入したからで、船が帰って来るまでの間は借金することにした。
そこでユダヤ人の金貸しから金を借りた。
ユダヤ人の提案で、遅延した場合は1ポンドの肉を切り取らせるという契約。
その後没落貴族はは求婚し、予定通り結婚することに成功。
ところが商人の船が難破し、期限までに金を返せなくなった。
ユダヤ人は裁判を起こし、肉を切り取らせろと言う。
今まで蔑まれて来たことへの報復で、一切訴えを取り下げない。
そこへ若手の法学者が現れ、裁判の助言をする。
そして契約通り肉を切れ、でも血は一滴も流してはならないとか言う。
無理なら無理で人を殺そうとした罪で死刑とか財産没収とか言う。
が、承認の酌量によってユダヤ人は助けられた。
その後没落貴族はこの若い法学者にお礼をしたいと申し出た。
法学者はその指輪をくれとか言う。
これは妻に何があっても手放すなと言われていた指輪だった。
が、親友を救ってもらったお礼として渡した。
で帰宅すると指輪がないので妻怒りまくり。
でも実は法学者は妻の化けた姿だった。
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シェークスピアの作品の映画化。
時代背景が違うので、ツッコミどころはたくさんあった。
まず没落貴族だが、求婚するために金を借りるってどうやねん。
しかもその時点で女とまだ知り合いでも何でもないし。
そして借金を肩代わりしてやる商人。アホか。
で、法学者が女やったってのもありえんし。
映画だと完全に女優なもんやから、かなり滑稽やった。
最初は妻とは思わんかったし、誰もが女って認識してるものと思ってた。
女の場合はつけヒゲする風習なのだろうとか普通に思ってた。
よう考えたらこの時代に女性が社会進出してるはずないか。
でもそれくらい女バレバレな感じやったし、
大体、夫ならそれくらい気付けっての。声一緒なんやし。
また裁判もそんな一休さんみたいな小賢しい屁理屈が通るんなら、
他に何とでもやりようがあったんちゃうんかいな。
しかし最後はユダヤ人が悲惨やった。
普段どんだけ蔑まれてたんかは知らんけど、
殺したろう思うくらいやから相当だったのだろう。
なのに権力による強引に屁理屈を通されて殺されかける。
命は助かっても全財産没収とか言われる。
仕事ないから金貸ししとるのに、貸す金奪われたら死ぬのと同じ。
最後に無力感に泣き崩れるサマは哀れだった。
この作品、4大悲劇の1つだが、当初は喜劇だったらしい。
ユダヤ人の情けない姿を見て笑うといった趣旨だったらしいが、
そのこと自体が差別やし、それで後世に悲劇となったらしい。
しかしアルパチーノがユダヤ人をうまく演じていた。
メイクのせいもあるんだが、言われなわからんわ。
シャイロックがかわいそう
ユダヤ人はずっも迫害され続けてんだなぁと実感。
まぁシャイロックも人を呪わば穴二つなのはわかるけど、娘や使用人に逃げられて、金貸してあげたのに最終財産を半分とられて、挙句キリスト教に改宗させられて本当にかわいそうやった。
アントニオはいい人役?なかんじやったけど、最初にシャイロックに唾吐きかけてるしなぁ。普通人の顔に唾なんて吐かないよね。恨まれて当然は当然。
アルパチーノの演技は相変わらずすごかったけど。
アル・パチーノの真骨頂が見れる
民話「舌切りスズメ」はこの『ヴェニスの商人』がオリジナルだったのか!?
民話「舌切りスズメ」はこの『ヴェニスの商人』がオリジナルだったのか!?などとつまらぬことが頭の中を駆け巡る・・・
シェイクスピアを3冊読んでレポートを提出した大学時代を思い出しました。実は当時、読む気がおきなかったので、あらすじだけ読んで感想を書いたら「A」をもらったいう事実がありまして、結局この原作は読まずじまい。かといってシェイクスピアが嫌いなのではない。読むのが嫌いなだけなのです・・・したがって、あらすじしか知らないという乏しい知識のみでの映画鑑賞となりました。
『恋に落ちたシェイクスピア』でもそうですけど、女性の男装ってのは好きです。虐げられたユダヤ人というテーマよりも「男装」というテーマのほうがインパクトありました。もしかすると、『リボンの騎士』コンプレックスが幼少期から心の奥に潜んでいるのかもしれません。ついつい、「ばれるなよ、ばれると痛い目を見るぞ!」と手のひらに汗をかくくらいに緊張してしまうほどなのです(誇大表現に注意)。見破られるとまずい相手がアル・パチーノでよかった・・・彼は『インソムニア』で眠らされ、『リクルート』で罠にハメられていたので、多分意識が朦朧としていたのでしょう。「公正だ、公正だ」と眠りながらつぶやいてました。
役者もよかったですけど、今までもジェレミー・アイアンズとレイフ・ファインズの区別がつかなかった上に、弟のジョセフ・ファインズが出演していることによって、さらに名前の効果で混乱してしまいました。「似てないよ」と女性ファンの方々からお叱りを受けそうなのですが、どうも覚える気力がないようです。
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