シシリアの恋人

劇場公開日

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解説

現在でも封建色の濃いシシリー島(シチリア島)を舞台に、愛と憎しみの齟齬にさいなまれ、苦しむ恋人同志を描いた作品。監督は「禁じられた恋の島」のダミアーノ・ダミアーニ、脚本はダミアーノ・ダミアーニ、エンリコ・リブルチ、ソフィア・スカンデュラの共同執筆。撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演は新人のオルネラ・ムーティ、アレッシオ・オラーノ、アメリゴ・トットなど。日本語版監修は岡枝真二。テクニカラー、テクニスコープ。

1970年製作/イタリア
原題:La Moglie Piu Bella
配給:ヘラルド

ストーリー

ビート(アレッシオ・オラーノ)がフランチェスカ(オルネラ・ムーティ)を見染めたのは、彼女が家の前でレースの手内職をしている時だった。「親戚の娘の花嫁衣装を縫ってほしいのだが」とビートは出まかせの口実で、彼女に近づいた。フランチェスカが花嫁衣装を縫いあげたとき、ビートは家に呼んだ。そしてフランチェスカに婚約者がいることを知りながら、強引に結婚を申し込んだ。フランチェスカはビートのプロポーズを素直に承知した。が、シシリアはいまだ封建色が濃く、マフィア一味の中で育ったビートには、女は絶対男に服従しなければならないという考えがあった。ことあるごとに彼女を押えつけようとするビートにフランチェスカは反発し、女として、人間としてのプライドを離さない強い意志を持っていた。心の底で愛し合う二人も、お互いの意地の張り合いで、逆に憎しみさえも抱くようになっていった。フランチェスカの婚約破棄はすぐに町中にニュースとして流れ、侮辱されたビートは、フランチェスカ誘拐を企てた。ホテルに連れ込まれたフランチェスカは屈辱の一夜を耐えた。翌日、結婚式をあげようとしたビートの威張りくさった態度に怒ったフランチェスカは警察へ出頭し、誘拐と暴行の罪で告訴した。しかし、ビートの仕返しを恐れて、証人は誰一人として立たず、フランチェスカはますます激昂した。はじまったビートのいやがらせに両親はおびえ、告訴を取り下げるようにとすがるように願ったが、フランチェスカは情けない両親をみて絶望し、家の唯一の財産である納屋を焼いてしまった。このニュースに驚いたビートは、フランチェスカの心とは逆に、彼女に敵意まで見せはじめた。フランチェスカの孤独の戦いは続いた。ついにビートが逮捕された。ビートの有罪が決定したとき、フランチェスカの顔には狼狽と悲しみが浮んだ。恋人を愛するがゆえの憎しみがビートを追いつめてしまった嘆きだった。

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