リベンジャーズ・トラジディ
劇場公開日:2003年9月13日
解説
「レポマン」「シド アンド ナンシー」「ストレート・トゥ・ヘル」の映画監督アレックス・コックスが、故郷リヴァプールでトーマス・ミドルトンの17世紀の戯曲『復讐者の悲劇』を映画化した。主演はクリストファー・エクルストン。
2002年製作/110分/イギリス
原題または英題:Revengers Tragedy
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:2003年9月13日
ストーリー
2011年、リヴァプール。彗星の衝突により、イギリス南部とヨーロッパの一部は劇的な被害を受け、北部は各地から流れ込んできたギャングの横行と都市の退廃に悩まされていた。ここは今や悪の親玉デューク(デレク・ジャコビ)とデュークの長男ルスリオーソ(エディ・イザード)、次男アンビシオーソ、三男スーパーヴァキュオ、四男ジュニア、末っ子スピューリオの愚かな息子たちの支配下である。彼らは衛星カメラで街を監視し、女をレイプし、好き勝手な生活を送っていた。謎めいた男が朽ち果てた通りを歩いている。「コックニーか?」。ガキどもに喧嘩をけしかけられるが、男は一撃で倒していく。その男の名はヴィンディチ(クリストファー・エクルストン)。10年前、デュークの陰謀により花嫁衣装に身を包んだ最愛の恋人グロリアーナを、目の前で失った男。美しく貞節なグロリアーナが、猥褻なデュークの誘いを拒みつつづけたからである。絶望の果て、彼はずっと姿を消していたのだ。その男ヴィンディチが戻って来た。復讐の炎を燃えたぎらせて。その晩、ヴィンディチはデューク一族の警備員をしている兄カルロ(アンドリュー・スコフィールド)と再会する。カルロの紹介でヴィンディチは長男ルスリオーソに会う。ヴィンディチの正体を知らないルスリオーソは、お気に入りのナイフ投げの娘カスティーザ(カーラ・ヘンリー)との仲を取り持ってほしいと彼を雇う。カスティーザはあの忌々しい10年前の結婚式の日、間一髪で命が助かったヴィンディチの妹である。ヴィンディチの復讐の始まり! 長男ルスリオーソの信頼を得るため、ヴィンディチはまず妹カスティーザに罠をしかける。正体を明かさず、妹にルスリオーソの使いと名乗り、彼の寵愛を受けるように勧める。カスティーザはその申し出をきっぱりと拒否。そしてすぐに目の前の男が兄ヴィンディチであることを見抜くのであった。ヴィンディチは次に盲目の母ハンナ(マーギー・クラーク)を試す。娘カスティーザにルスリオーソの女になるよう勧めろと。ハンナは息子ヴィンディチを見分けることができない。心も盲目になってしまっているのだろう。金で動く醜い老女になっていた。その後、地元の有力な政治家アントニオ(アントニー・ブース)の若妻イモジェン(ソフィー・ダール)をレイプした罪で、四男ジュニアが刑務所に服役することになる。ヴィンディチは計画を変え、デュークと5人の息子たちを対立させ、一族が滅亡するように仕組みはじめる。後妻であるデューク夫人(ダイアナ・クイック)と末っ子スピューリオのスキャンダルをつかんだヴィンディチは、それを利用しルスリオーソに罠をしかける。ヴィンディチの話に憤慨し現場に踏み込んだルスリオーソだったが、そこにいたのはスピューリオではなく父親デュークだった。そしてデュークに謀反を働いたとされルスリオーソも刑務所に。ヴィンディチの復讐は思い通りに進行する。もともと利己主義な兄弟たちは権力をめぐって対立していく。ヴィンディチは刑務所からルスリオーソを助け出し、彼から絶大な信頼を得る。残った3兄弟は次の後継者の座を狙っているルスリオーソを消そうと、デュークに息子の処刑を命じる書面を作らせる。刑務所の執行人にルスリオーソの処刑を頼むが、彼が脱獄していなくなっていたため、同じ刑務所に服役中のジュニアが処刑されてしまう。その頃、若妻イモジェンはレイプされた屈辱から自らの命を絶ち、街は深い悲しみに包まれた。一方、まぬけなアンビシオーソとスーパーヴァキュオの兄弟は、兄ルスリオーソが処刑されたと思い墓場に赴くが、実際は弟のジュニアが殺されていたことを知って驚き、怒りに狂う。そうして、さらに兄弟たちの対立は深まるのだった。ついにデュークへの復讐のチャンスがやってきた。好色なデュークが女を手配しろと言い出したのだ。ヴィンディチは兄カルロ、妹カスティーザ、そしてドクロとなったグロリアーナと共に、本当の行き先を誰にも告げずにやって来たデュークを騙し、毒殺が成功する。翌朝、イモジェンの死を悼む花とテディベアで飾られたアントニオの屋敷前に、デュークの死体が捨てられていた。同じ朝、ヴィンディチはデューク夫人とスピューリオの密通を暴露し、一族をさらに破滅に追い込んでいく。そして、父の死をまだ知らぬ長男ルスリオーソは、自分がデュークになりたいために父の暗殺をヴィンディチに依頼するのであった。だが、デュークはすでに死んでいた。もちろん後継者はルスリオーソ、新しいデュークの誕生である。ルスリオーソは今でもカスティーザが一番のお気に入りで、今度は権力で彼女を手に入れようとする。パーティー会場で彼女のナイフ投げの標的となったルスリオーソを事故に見せかけ、ヴィンディチはとどめを刺す。即座に、次のデュークの座を争って残された3兄弟たちは互いに撃ち合い倒れるのであった。翌朝、ヴィンディチと彼の家族は新たな権力者となったアントニオの屋敷に招かれ、事件の真相を尋ねられる。そして、ヴィンディチはすべて自分がやったと告白する……
スタッフ・キャスト
- 監督
- アレックス・コックス
- 脚本
- アレックス・コックス
- フランク・コットレル・ボイス
- 原作
- トーマス・ミドルトン
- プロデューサー
- マーガレット・マシスン
- Tod Davies
- 撮影
- レン・ガウィーング
- その他
- ギャリー・デイビー