西部決闘史

劇場公開日:

解説

「西部悪人伝」「大西部無頼列伝」に次ぐ“サバタ”シリーズ三作目。製作はアルベルト・グリマルディ、監督はフランク・クレイマー、脚本はレナート・イッツォ、ジャンフランコ・パロリーニ、撮影はサンドロ・マンコーリ、音楽はマルチェロ・ジョンビーニが各々担当。出演はリー・ヴァン・クリーフ、ライナー・ショーン、アナベラ・インコントレラ、ジャンニ・リッツォ、ジャン・ピエロ・アルベルティーニなど。日本語版監修は清水俊二。テクニカラー、テクニスコープ。

1972年製作/イタリア
原題または英題:Return of Sabata
配給:ユナイト
劇場公開日:1972年6月10日

ストーリー

アメリカ南西部ホブソンビルの町は治安のゆき届いた平和な町だ。信心深いマキントック(G・アルベルティーニ)が全町民の信望を担って町の建設計画を進めている。そんなとき、町にサーカスの一団が到着し、早射ちショーが大当りをとった。これを見物していた酒場の経営者クライド(R・ショーン)は顔色を変えた。ショーの主役は、彼の軍隊時代の上官であり、ポーカーの借金五千ドルがあるサバタ少佐(L・V・クリーフ)だった。ショーの最中、一座のダイアナが、手品師ピクルズの箱馬車の中で殺されていた。当のピクルズは姿を消していたので彼の犯行とされたが、ダイアナが何かを探るため、三カ月前から一座に入り込み、ピクルズを探っていた事をサバタは知っていた。そのサバタは、クライドの予想に反して、酒場の歌姫マギー(A・インコントレラ)に惹かれたかのように町を出ようとしない。町の空気は一変した。この町を一皮むけば、建設資金と銘うって異常に高い税金を徴集し、その税金は全て銀行家スウィニー(G・リッツォ)の金庫に入ってしまうというからくりがあばかれる。スウィニーの妹ジャッキー(G・アレクサンドレ)はマキントックの妻なのだ。サバタがそのからくりに眼をつけているのを知ると、クライドはジャッキーを誘惑して銀行の鍵を盗み出した。が、サバタは平然としていた。金庫の中のニセ札などに用はない。彼はマキントックの事務所に乗り込んだ。ピクルズが一年に一度、サーカスと共に乗り込み、マキントックが集めた金貨をニセ札に取りかえ、本物の金貨をサーカスの車でカルフォルニアへ運ばせ、時至れば彼はドロンを決め込む。ところが最近ピクルズが当局に眼をつけられスパイ、ダイアナが送り込まれた。マキントックは邪魔になった二人を消してしまったのだ。マキントックとサバタの争いを尻目に、ジャッキーをそそのかしたクライドは本物の金貨の隠し場所を探しだし一人占めしようとしたが、マキントックに見破られ、あぶないところをサバタに助けられた。マキントックは倒れたが、そのすきをついだクライドが金貨を積んだ馬車を駆った。彼はその手際の鮮やかさに我ながら惚れぼれとし自然に顔がほころびてくる。しかし、後をふり返った彼はギョットした。サバタがのんびりした表情でついてくるのだ。数時間後、ホブソンビルの町民たちは事の真相を知って憮然とした。悪の根は絶切られ、町の金も返り、やがて平和が訪れるだろう。サバタは漂々と町を去って行った。

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