失われた週末
劇場公開日:1947年12月30日
解説
アカデミー賞4部門、カンヌ映画祭グランプリ受賞など各国で賞賛を集めたシリアスドラマ。ニューヨークに住む売れない作家のドンは、アルコールに溺れる日々を過ごしていた。酒代に困っては兄の金に手をつけ、果ては商売道具のタイプライターまで売ろうとする。絶望の淵をさまようドンをレイ・ミランドが好演し、オスカー男優の仲間入りを果たす。監督のワイルダーは、この作品で2番目の妻となるオードリー・ヤングと知り合った。
1945年製作/101分/アメリカ
原題:The Lost Weekend
スタッフ・キャスト
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最後に観てから20年以上は経っていると思うが、レイ・ミランドの鬼気迫る演技は色褪せない。冒頭の旅支度をするドンと兄のウィク。何かソワソワしているドンに、ウィクは話しかけるが、何も耳に入ってこない。ドンは、窓から紐で吊っているウイスキーが気になって仕方ないのだ。その病的なまでの様子が、酒を飲みたいという欲望の深さを感じさせる。
この作品は、脚本家時代のコメディ路線とは違う。笑えるようなシーンは、全くない。只々、アル中の主人公ドンの転落していく姿を描く。酒を飲むためには、嘘をつき、お金をくすね、泥棒までしてしまう。ところが、ドンは、酒を飲むためには仕方ないのだと自分に言い聞かせて、悪びれるところがない。一人の男が落ちていく一辺倒な話なので、飽きてきそうな内容なのだが、レイ・ミランドの怪演のおかげで、スリリングで飽きるどころか、どんどん引き込まれていく。このままエスカレートしていったら、人も殺しかねない殺気を帯びている。
ドンは、自分の存在に嫌気がさす。恐らく、この病気の最終型は、精神的に追い詰められるか、酒のために肉体を病むかどちらかでしかない。彼は自殺を試みる。しかし、恋人のヘレンに説得される。そして、彼女の説得が効いたか、ドンは自殺を思いとどまる。ラスト、これまでの展開が嘘のように、口当たりが良すぎる不気味なものだった。しかし、再起を口にするドンに更なる恐怖を覚える。背筋が寒くなる。彼の口から出る言葉は果たして本心なのか。ヘレンはおろか、ドン自身までも欺く病魔の罠ではないだろうか。四半世紀経っても、まだまだ楽しませてくれる傑作だ。
2021年7月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
禁断症状のじわじわくる怖さ、自分を見失う憐れな姿、そんなアルコール依存患者をレイ・ミランドが見事に演じていた。
2021年5月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
有名な題名の映画で、このような内容とは、まったくわからなかった。
これで、なぜ?アカデミー?
ワイルダーは好きだけど、ちょっとわからなかった。
2021年4月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
さすがはビリー・ワイルダー監督
ハズレなし
脚本、演出、主演の演技
三拍子揃った傑作です
特に主演のレイ・ミランドの迫真の演技は、後半になると鬼気迫るものとなります
不安を象徴する音楽が秀逸
テルミンという世界初の電子楽器だそうです
空中で手を動かして演奏するSFチックな楽器です
大昔、NHK FMの現代音楽の時間でたまにかかってなんだろうふしぎな音だと思ったものでした
こんな昔から映画に使われていたとは知りませんでした