私の男(1996)
劇場公開日:1996年12月21日
解説
愛を与えるという自分の職業に満足しきっている娼婦と、そのヒモの関係の姿を皮肉なタッチで描くファンタジー・ドラマ。監督・脚本・台詞は「ひとりぼっちの恋人たち」などのベルトラン・ブリエ。製作は「とまどい」のアラン・サルド。撮影は「ママと娼婦」の名手ピエール・ロム。音楽にはバリー・ホワイトの曲を使用。主演は「メルシー・ラ・ヴィ」以降3作連続の出演となり、私生活でもベルトラン・ブリエ夫人であるアヌーク・グランベール、「メランコリー」のジェラール・ランヴァン、「おせっかいな天使」のヴァレリア・ブルーニ=テデスキのほか、「メロ」のサビーヌ・アゼマ、「アパートメント」のジャン=フィリップ・エコフェ、ジャン=ピエール・レオー、『憎しみ』の監督マチュー・カソヴィッツらがゲスト出演。96年度ベルリン映画祭主演女優賞(アヌーク・グランベール)受賞。
1996年製作/98分/フランス
原題または英題:Mon homme
配給:シネカノン
劇場公開日:1996年12月21日
ストーリー
娼婦マリー(アヌーク・グランベール)は自分の仕事を最高の天職だと思っており、ホテルの前で退屈そうにしていた主婦ジルベルト(ドミニク・ヴァラディエ)までこの職業に引き込んでしまう。ある雪の日、マリーは浮浪者のジャノ(ジェラール・ランヴァン)を家に泊めてやる。彼と抱き合ったときマリーはこの上ない悦楽を感じ、彼を愛してヒモとして養うことにする。マリーはジャノの愛に包まれて、いよいよ仕事にも身が入る。ジャノは時にはマリーの客の接待もするが、嫌気がさして町に出て、様々な女たちに声をかける。彼は特に美容室のマニキュア係サンギーヌ(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)が気に入り、彼女をマリーのような娼婦にしようとするが、サンギーヌはジャノを愛しつつもそれには耐えられない。やがてサンギールが囮捜査官にひっかかり、ジャノは売春斡旋で逮捕される。警察に呼び出されたマリーは初めてじぶんの男の正体を知る。酒場でサンギーヌと語り合ったマリーは娼婦の仕事を放棄し、一人の男に愛を捧げて子供を生むと決心する。彼女はカフェで見かけた無一文だが誇り高い青年ジャン=フランソワに恋した。ジャノが刑期を終えて出てくると、ベランジェール(サビーヌ・アゼマ)という女が、あなたをずっと待っていたと言って無理やり家に連れて帰る。ジャノは彼女のヒステリーからなんとか抜け出す。ジャン=フランソワは職探しに懸命だが、人事担当者に小馬鹿にされて追い返されるばかり。マリーは夫と子供のために再び街に立つが、男たちは冷たく通り過ぎるばかりだ。彼女が侮辱されたところを助けたのはサンギーヌだった。サンギーヌと一緒に家に帰ると、そこには廃人のようになったジャノがいた。彼は「女たちよ、許してくれ」と呟く。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第46回 ベルリン国際映画祭(1996年)
受賞
銀熊賞(最優秀女優賞) | アヌーク・グランベール |
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