要心無用
解説
「ロイドの水兵」「豪勇ロイド」等次のロイド作品は「医師ジャック」であるが、その次の作品たる此「要心無用」の方が先に輸入された。「豪勇ロイド」の原作者ハル・ローチ、サム・テイラーの両氏とティム・ウィーラン氏が原作を合作し、前2名作品同様フレッド・ニューメイヤー氏が監督したものである。例の通りミルドレッド・デイヴィス嬢、ノア・ヤング氏等ロイド喜劇になくてはならぬ人々が共演している。ハル・ローチ氏の提供、アソシエイテッド・エキジビタース社の発売である事は毎もの通り。尚本誌第140号の田村君の「私の見た新映画」に本映画の事が出ている。
1923年製作/アメリカ
原題または英題:Safety Last
ストーリー
ロイドは某デパートメイト・ストーアの店員であった。彼にはミルドレッドという良家の令嬢なる恋人があり結婚をしたさは山々であったが給料は少し困惑していた。しかし表面は高級店員の様に装い、恋人の機嫌をとっていた。其頃店で人気吸収策を1千万ドルの懸賞で募集した。ロイドは結婚費用調達の好機として、店の上天を摩する処に昇り離業を演じようと企む。実のところロイドは友人にやらせて一儲けする筈であったが、余儀ない事情で彼自らやらねばならぬ羽目となった。彼の眼前に未曾有の大活劇大危険が待構えている。九死に一生を得たロイドは遂に首尾よく成功し金1千ドル及び恋人を懐ろにして歓喜の涙に咽んだという。