レザボア・ドッグスのレビュー・感想・評価
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アウトローの日常
伏線に使えそうなセリフやキャラクター設定はあるものの、その殆どは展開に活かされない。伏線があると期待して観るとやや肩透かし感を感じるが、重要ではない場面を敢えて混ぜ込む描写はある意味ではリアルな作風とも言える。
Mr.ブロンドの狂気じみた言動にも何か意図があると思わせられるが、ただ単に狂気じみているだけであり、強烈なインパクトを残した後、あっさりとストーリーから退場する。
エディを射ったのはMr.ピンクということで良いのだろうか。Mr.ピンクはダイヤの隠し場所を知っており、仲間が全滅すればダイヤを独り占めできることから、一応はエディを射つ理由はあるが、明確な描写はないため少し分かりづらい。
本作は深く考えるよりも悪漢達の軽妙な言動を楽しむ作品であるため、細部を気にするのは野暮なのかもしれない。
面白かった。タランティーノはほぼ知らないし本作品も初鑑賞。思わぬ急展開に何度もハッとしたり、ドキッとさせられて、ビックリの連続。先が気になり飽きない
◆洋楽を聞かない僕でも知ってるマドンナの名曲を、巨根の話だと言い出すタランティーノ。歌詞の内容は知らないけど、タイトルからすると、きっと「あなたに会うと、わたしはまるでバージンのようにドキドキするわ」みたいな歌だと思う。たぶん。
こんな恋する女性の心情を語った(と思われる)ロマンティックな歌、精神的な話をタランティーノは巨根の猥談、肉体的な話にして喋りまくる。このジョークをタランティーノが思いつ付いたかどうかは分からない。最後、タランティーノが落語の落ちのように「ライカバージン」と言って嬉しそうにニンマリする。笑ってしまった。きっとマドンナも大笑いしたと思う。
◆で、いきなり撃たれたオレンジの場面になってハッとする。強盗の話かと思ってたら全然すっ飛ばして突然そのあとの話で驚いた。強盗が成功したか失敗したかは分からないがオレンジはヤバイ。
待ち合わせの倉庫に着くが、裏切り者がいるようで疑心暗鬼にとらわれ、サスペンスになっていく。この時点でタランティーノは撃たれて退場ってのが笑える。
ここから時系列が戻って、ことの真相が徐々に明らかになって行き、ますます面白くなってくる。
撃たれたオレンジが実は潜入した刑事だったことには意表を突かれた。また、そのオレンジを撃ったのが、奪おうと思った車を運転してた一般女性だというのも驚いた。勝手に逃走中に警官に撃たれたと思ってたからこれも裏をかかれた。
特に一般女性が、車のドアを開けられた途端躊躇せずにいきなりぶっ放したのには面食らった。怖え~。多分ここはアメリカ人より日本人のほうが驚いたんじゃないかと思う。日本じゃ警官が銃を取り出すことさえ殆んどないし、ましてや一般市民が銃を持ってて発砲するなんて有り得ないからね。
◆サイコ野郎のブロンドが警官を焼き殺そうとした正にその瞬間、銃声が鳴り響きブロンドがすっ飛ぶ。ビックリしたなもう。銃声の音にもビックリしたが、撃ったのがオレンジだってのがもっとビックリ。警官隊が突入してあわや間一髪の救出劇かと思ったから予想外だった。
で、そのあと助かったと思った警官を、あとから来たエディ(ジョーかも)がサッサと撃って殺しちゃう場面でまたもや驚いた。なんだかんだ言って警官は最後は助かるのかなと思っていたから、「えっ撃たれて死んじゃった」って思ったよ。ホントこれも予想外。
◆サイコ野郎のブロンドが、エディに言わせると「オヤジのジョーを売らずにスジを通した義理堅い男で信用できるヤツだ」ってのも以外だった。見たことない東映ヤクザ映画の ”義理と人情をハカリにかけりゃ義理がおもたい男の世界” って歌を思い出したよ。
警官に対するあの残虐な場面、ルンルン気分でリズムに乗って楽しそうにしてる所なんて、見ていて全然楽しかないのに印象には残るという意味で名場面と言えるのかもしれない。取りあえずサイコ野郎は撃たれて殺られちゃったのでザマーミロである。
◆終盤、ボスのジョーと息子のエディとホワイトの3人が銃を向けあう場面がカッケー構図で絵になってた。でまた意外なんだが、まさか3人が同時に撃つ(正確には最初にジョーがオレンジを撃ったと思うが)、同時に撃つとは思わなかった。ほいでもって3人とも倒れちゃうんだヨ。マージかよ、アッチョンプリケ~。
予想では誰も撃たずにしばらく膠着状態が続いて、見てるほうは 「さあどうするんだろう?」 なんてのんびりした展開になると思ってたら、ジョーがサッサとオレンジを撃ったので驚いた。
「あっジョー、オレンジ撃っちゃったヨ」である。当然ホワイトはジョーをバーン、エディはホワイトをバーン。「アリャー、3人とも倒れちゃったヨ。あらら~」である。
◆で、結局最後どうなったかよく覚えてないんだが、とにかく面白い映画を見たという印象が残ってる。僕は基本的に本編終わったらサッサと退場する派だが、まあそれでも半分ぐらいは何となく明るくなるまで座ってる。だけど今回は何となくではなく、面白い映画を見た余韻にひたっていたくて明るくなるまで座ってた。ホントはも少し座って余韻にひたっていたかったけどお掃除があるから退場。
◆以下、面白かったけど、なぜか最後のほうはちゃんと覚えてない。
ホワイトはオレンジを撃ったのか?ホワイトは死ななかったのか?ピンクはどうなったのか?宝石は?ラストはどんな場面で終わったのか?
面白かったので、まあどうでもよい。
◆タランティーノの作品は最近の3本 「ジャンゴ」、「ヘイトフルエイト」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は見てる。2作目「パルプ・フィクション」は午前十時の映画祭9で2018年に見ている。だけど僕的には去年2023年の夏ごろ「パルプフィクション」を再鑑賞したのがタランティーノを初めて知ったという感覚だ。
なのに今度の10作目「The Movie Critic 」で引退するらしい。何てこったい。ナーイス。
やみつきになる男たち
冒頭から結末までスクリーンから目が離せない。ハイセンスな演出に胸が踊ります。私も魅了された人間の一人です。
オープニングはもちろん、全力疾走のピンク、ブロンドの例のシーン、オレンジの小話、ホワイトの二丁拳銃、たくさんある見せ場の数々は観る人を掴んで離しません。
凶暴で凶悪、COOLな男たちが大いに暴れる姿は一周回って壮快です。
そして儚く散ってしまう姿はどこか哀しく離れがたいです。
皆さんの大好きな映画の一つになると思います。
『Hooked On A Feeling』ウガァチャカウガウガだ。...
『Hooked On A Feeling』ウガァチャカウガウガだ。良いね♥
スプラッタースティエーションコメディーだと思う。
そして誰もいなくなった。とゴレンジャイだぞ。
続・荒野の用心棒のネタはタランティーノ監督としては、使いたかったんだね。
極上のエンタメ。
全体を通して渋くてお洒落。
まさにイカしてる作品。
オープニングから男としてはたまらない雰囲気。
音楽も相まって期待感が高まる極上のオープニング。
時間軸をシャッフルし、回想シーンを分けることで常に物語が進行してるように思わせ、でも中心はずっと倉庫内1つであるのも味があった。ブロンドによる拷問のイカれ具合を含め、作品中目を離せない展開が続いた。
ホワイトは情が深く、ジョーとエディを1人でほぼ同時に殺す腕前を持つ有能な人物だったのに救ったオレンジから最後の最後で裏切者という事実を明かされるのはこの作品で1番可哀想。でもそれがまたキャラクターに深みをもたらしてるのかな。
テンポ良い
ディパーテッドに似てる。ディパーテッドではネズミだったけど、これでは犬と呼ぶ。
最後結構悲しい。
古い映画で名作と呼ばれているものは大抵つまらなかったけど、これは結構面白かった。
2024/08/07 2回目(オレンジパートのみ)
海の上のピアニストを見てティム・ロスにハマったので、オレンジのパートのみ2回目視聴。1回目の感想が薄くて悲しい、、。
初めて見た時はティム・ロス特にかっこいいとは思っていなかったけど、今見るとめちゃくちゃかっこよく見える。
瀕死状態をセクシーに撮られてる。三枚目な感じなのにイケメン扱いされてるの見ると少し面白い。
ホワイトとオレンジの関係いいな。実生活でも、ハーヴィカイテルはティム・ロスの結婚式資金を出したらしく、親子みたいな関係っぽい。
小話のシーンも良かった。練習から本番まで繋がってる感じ。
また時間ある時通しで見よーっと!
犬(やろう)どもの狂騒曲
クエンティン・タランティーノ第1回監督作品。
Netflixで鑑賞(吹替)。
裏切者は誰だ!?
この中にサツの犬が紛れ込んでいる…
疑心暗鬼の末、炸裂する壮絶なバイオレンス!
処女作からタランティーノ節が炸裂しまくり。センスのいい音楽と会話。テンポのいい場面展開。章立ててストーリーを進行させていく手法で、様々な人物の視点と思惑が明かされていき、やるせなさ漂う怒濤のクライマックスへ…
映画は予算次第じゃなくて、脚本とセンスが物を言う。
とにかくカッコいい映画でした!!!
[余談]
タラちゃん自身が俳優として出演していて、元々役者もやっていただなんて全く知らかったもので大変驚きました。
※修正(2024/01/06)
お喋り銀行強盗
今更ながらの鑑賞。
無駄話がこんなに面白いなんて〜
会話が多いせいか、途中オレンジが仲間に言われた小噺は話の細部が大事だみたいな台詞が妙に印象的でした。
銀行強盗後の合流予定地と思われる倉庫で展開するくだらないお喋りと得体の知れない共犯者達。
ワンハリ見た後だと撮影場所の数やバイオレンスの派手さも全然少ないのに飽きないし最初からタランティーノ節でカッ飛ばしてたんだな…
これを機に古い順から並べて見るのも良いかも。
クライム映画?マフィア映画?実は…
この映画の最大のポイントは、"実は"コメディ映画だということ。
映画の中ではクソ真面目に話し合ってたり、シリアスな状況に笑えるポイントをぶっ込んでくるw
洋画のコメディ映画を字幕で観た時に、笑える映画って実はあんまり多くない。
日本人には伝わりづらい英語のユーモアや慣用句や言い方を日本語に訳し、さらにそれを文字面で笑かしにいくわけだから、とても難しい。
でもこれはそもそもコメディとは謳っていないっていう点から始まりユーモアセンスや訳し方までとても上手く出来てる。
高評価👍
※ロクでもない感想です※
やっとこさ念願かなって見た…最高かよ……ていうかタランティーノは何であんなに音楽のセンスいいの…あとfuckとassって単語使いすぎかよ…fuckfuckうるせえよ…マジでくだらない会話書かせたら右に出るやついないな…
※2017/5/21に2回目、そこから今(2019/06/18)に至るまで合計で少なくとも5回は見てます(白目) もはやただのレザボアのオタクと化してしまった…語りたいことは大量にあるんですが多すぎてここに書くとキモくなっちゃうので控えます※
会話劇と構成・展開が秀逸!
冒頭から本筋には全く関係のない、くだらない会話。それがなんだかおもしろい。タランティーノ節ですね。日常的な会話で登場人物のキャラクターや作品のノリをなんとなく鑑賞者に理解させるのが非常に上手い。
色のコードネームとか無条件でワクワクしてしまいます。誰が何色か決める時のごたごた感とかも凄く好き。
まずとにかくオープニングが格好良すぎる。あ、もう好き!ってなりますよ。音楽の使い方も良い。
その後のいきなり時間が飛んだ展開で引きつけられました。構成がとてもいい。芸人のコントで出てきそうな状況。登場人物を喋らせて、彼らと同調するように少しずつ鑑賞者に情報を与えていく展開の仕方が秀逸です。
回想以外は倉庫から全く移動しないのに、会話と状況展開だけでこんなにおもしろく感じられる作品はなかなかないと思います。急展開もあり、良い塩梅に緊迫感もあり、どうなるんだろう…とずっとワクワクして見れました。
立った人と寝そべった人で銃を向け合うあの有名なシーン、終盤にあるんだろうと思っていたら序盤でびっくり。格好良かった。
スティーヴブシェミとティムロスの演技が素晴らしかった。特にブシェミの表情と動き、声もとても魅力的。
タランティーノ監督の作品はどこかしらにエグいシーンが出てくるイメージです。それが苦手な私は身構えてしまうのですが、本作は比較的観やすい方だと思います。
本作で怖かったのはブロンドが小気味いい音楽かけながら警官を拷問するシーン。視覚的な怖さだけでなく精神的な怖さが…。
1人1人の回想で過去を描くやり方も好きです。宝石強盗時の状況がわかりやすい。エディの回想ではブロンドとの関係が描かれ、それがラストの展開の伏線になっているのも上手いですね。より説得力を感じました。
オレンジの回想内での小話中にいきなり警官が喋るところでちょっとびっくりしましたが、意図的なものなのかはわかりません…もしやびっくりしたの私だけ…?
現実でも裏稼業にああいう小話は必須なのでしょうか?タランティーノの小話は毎回おもしろいですよね。好きです。
ラスト前の緊迫感も良かった。ホワイトが情に厚くていい人なのがつらい。でも、ああいった状況ではピンクのように冷静、冷酷に立ち回った方がいいんでしょうね…。
冒頭でピンクのがめつさを目立たせていたのはラストに向けての伏線だったのでしょうか。
あの状況で誰か生き残ることはできたのか…最後の銃声は…。
ピンクには強かに逃げ延びていてほしい。
いまや若手作家の手本となりにけり
にもかかわらず、けっこうマイナー扱いな変な扱われ方
凶悪な内容ではあるし、子供にはみせられないが
強盗映画にも関わらず(銀行強盗じゃなかったかな)、強盗場面はまるでなく、裏の裏をかくような展開は虚淵玄あたりがかなり影響うけている。
また、本編とはまるで関係ない話題で盛り上がる最初の
「マドンナのライク・ア・バージン、ありゃ男とヤりまくってる女の歌だ」からはじまり、いわゆる雑談が多く入る展開は西尾維新とかがよくやってる。
一言でいえば
このなかに裏切り者がいます、だれだ?
というけっこうシンプルな話なんだが構成がうまく、疑心暗鬼になった仲間たちの緊張感が伝わってきて飽きない。
誰が裏切り者かはけっこうはやくに明かされるんだが、謎解きミステリーなわけでもないので、それでシラケることもない。
タランティーノはこの話で何を描きたかったのかよくわからないけど、たまたま思い付いちゃったけど面白い話ができた。くらいしか考えてないかな。
しかし、その後はパッとしないなあ…個人的にはそう思う。
良くも悪くもその後に影響与えた。
良くは、思いもよらない展開でみてる人をあっと言わせる。しかし、これは難しい。
悪くは無駄に残酷な場面が多い、これ以降のタランティーノ映画も
これは真似しやすいんだろう、頭の悪い作家は真似しまくりだ。
無理に人にすすめようとは思わないけど面白いことは面白い
後味悪すぎるけど、この映画
ワンシチュエーションと言えばこれ。
ワンシチュエーションで漫画を描きたいと思って久々観賞。男がぺちゃくちゃ喋ってるだけで、それぞれのキャラが立ち切羽詰まった状況が分かり、どんな結末が待ってるのか興味を失わせないのはやはりタランティーノの手腕だと思う。
ただ、最後にナイスガイエディを撃ったのは誰なんだ?Mr.ホワイトが二発?それともMr.ピンクが銃を持って出て来るからドサクサに撃ったのか?謎である。
タランティーノの良さがわかるマスターピース
映像作りのスタイリッシュさ、本筋と関係ない軽快な会話のテンポの良さ、BGMの良さはやはり素晴らしい。
色々盛り込んでいるが、サンプリングネタを知らなくても上がるのはタランティーノの映画愛がにじみ出ているからだなぁと再認識。
それにしても『ホワイトは無駄死にじゃないか!』とトホホ感がこみ上げてきてしまう…
昔観たときは結末は思わず、潜入捜査の中で築いた友情から本当の事を吐露したことに肯定的だったが、大人になって思うのは最期の人間にあんなことを言うべきじゃないだろうと感想が変わりましたが。
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