レザボア・ドッグスのレビュー・感想・評価
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雑談が作る関係性と、それを一瞬で覆してしまう残酷性が凄い。
○作品全体
大の大人がテーブルを囲んで雑談をし続けるシーンから始まる本作。今となってはタランティーノ監督の「定番の脱線」…と感じることは否定しないが、その雑談で築かれていく人間関係がドラマの礎になっているのも事実だ。
物語の鍵を握るホワイトとオレンジの関係性についても、ホワイトが不注意だったことを悔やんでいるということだけではジョーに銃口を向ける理由としては弱いが、くだらないジョークをかます空間に必ず二人がいて、関係性を築いていったという痕跡を重ねていけば、「定番の脱線」がタランティーノ監督作品にあり続ける意味が見えてくる。ホワイトがオレンジに故郷や本名を教えたのはそうした雑談の中での一幕なのだとすると、「定番の脱線」は脱線ではなく本筋になるのではないか。
その一方で印象付けられるのは残酷さだ。この残酷さは視覚的なグロテスクな表現というのももちろんあるけれど、それ以上に築いてきた関係性を一瞬で崩壊させてしまう容赦なさに残酷さを感じる。冒頭の雑談からのオレンジの大怪我、ブロンドの優位性を一気に覆すオレンジの発砲、対立するジョー、ホワイト、エディの相打ち…一秒前には思いもしなかった状況の変化。この衝撃は突拍子のなさだけではなく、長く時間をかけてきた関係性を一瞬で崩壊させる時間の使い方があるからだと感じた。
状況の変化を客観的に映し出す残酷さ。言葉という人と人とのやりとりあるからこそ、それをあっという間にひっくり返してしまうことに、冷酷だと感じた。
雑談が作る人と人同士の関係性とそれを覆す残酷性、この2つをつなぎ合わせる時間間隔。どれもがエッジの効いた作家性に彩られていて、唯一無二の作品だった。
○カメラワークとか
・オレンジが小話を覚えるシーンが特に良かった。カンペを見ながら自宅で練習するところから同僚へ練習するところへ繋ぎ、ジョーたちの前で話すところへシームレスにカットを繋ぐ...このアイデアが面白い。さらに小話の世界へ入り、警察官に睨まれるオレンジを映して視覚的にも小話の説得力を演出していた。
小話中の警察官とジョーたちを重ねているのもテクニカル。どちらにもオレンジへ向けた疑心の目があるように見える…というシチュエーションの重ね方が上手い。
会話がかなり多く演劇を観てるみたい
会話がかなり多く演劇を観てるみたいだった。会話の内容もくだらない話やジョークばかりなので、説明台詞っぽくなくリアルに感じる。過剰な音楽や演出に頼らず、役者の演技力だけで100分もたせたのは凄い。
この手の大人数の映画は誰が誰だか分からなくなることがあるけど、名前が色だったので分かりやすくて助かる。1番好きなキャラはオレンジ。台詞を必死に暗記するシーンかわいい。むかし演劇してたから細部が大事って分かるなー。
誰が裏切り者か詮索するシンプルなストーリーも、時系列が入れ替わりパズルみたいな楽しみ方ができた。
何よりも感銘を受けたのは
ラストシーンの三角関係銃撃で、二人が同時にハーヴェイ・カイテルを撃つのに、二人とも撃たれてる摩訶不思議なところと、ラストのハーヴェイ・カイテルの咆哮が悲しすぎるところ。
めっちゃバイオレンス
予備知識なしで鑑賞。
タランティーノと言えば、アクの強い顔立ち(失礼)とパルプ・フィクションやキル・ビル
容赦のないかわいたバイオレンスが特徴だ。
最初からかっこいいおじさん達が朝食を囲んでゲスい会話をしている。
ライクアバージンの解釈には笑った(心の中で)。
あの曲が出た時、私も若かったけど「なんで、処女のように?」って思ったものよ。
宝石店強盗を計画していることはすぐには明かされない。
しかも、明かされる前にティム・ロス演じるオレンジは腹を撃たれて死にそう。
何やら失敗したみたい。
アジトに戻るも、病院にも行けないボスのジョーを待てという。
そこにピンク(スティーヴ・ブシェミ)が計画が失敗したのは仲間の中に裏切り者がいたからだという。
疑心暗鬼のなか、振り返る。
彼らの行動が少しずつ明らかになる。この展開が素晴らしい。
ブルーとブラウン(タランティーノ)は既に死に、
ピンクとホワイトが揉めてホワイト絶体絶命の時に死にかけているオレンジの銃がピンクを斃す。
そこにジョーとその息子エディが現れる。
死にかけている男に向ける疑い。
ホワイトの「そんなやつじゃない(そりゃ命を助けられたからね)」と擁護する
銃を向けられやむを得ずジョーに銃を向ける。
やめろとエディはホワイトに銃を向け、ここに三すくみが誕生の刹那、一斉に火を吹く銃。倒れる3人。
おそらく映画史に残る名シーンの誕生だと思う。
血煙の中、殺伐としたドラマは終わるが、この狭い空間で起きるドラマに何故か既視感がある。
なぜかな?
〰︎〰︎ちょっとした疑問
でも待て。息子は父親を撃つはずがない。三すくみではなく2対1では無いのか?
ならばどうして3人は倒れたのか?
ここは見逃したのかもしれないで確信は無いが、オレンジがエディを撃ったとしか思えない。
つまり、
ジョー▶︎オレンジを狙う(外したか、撃っていない)、
ホワイト▶︎ジョーを撃つ、
エディ▶︎ホワイトを撃つ、
オレンジ▶︎エディを撃つ
こういうことかな?
正解教えて。
何といってもマイケルマドセン
いつもの映画館で
チラシをみてものすごく楽しみにしていた
当日来場者特典で別のチラシを貰った
パルプフィクションが賞を獲って
タラ監督が注目されるようになってからだったと思うが
正月に実家に帰省中に夜中テレビで放映されたのを観た
冒頭のマドンナの歌詞の話からずっと引き込まれっぱなし
当時はタラ監督自らが出演していたことは知らなかったし
後にファーゴの変な顔で印象深いスティーブブシェミが
割と重要な役だったと今回知る
当時知っていた俳優はハーベイカイテルだけだったような
ティムロスの練習シーンも覚えていなかった
TV版ではカットされていたのかも
なんか微笑ましいが後で酷い目に遭うのだ
ブルーの顔が印象的 フラワームーンに出ていなかったか
ドル3部作の予告編て彼でないか 宇野重吉のハリウッド版
で 何といってもマイケルマドセン
ダンスの後のシーンは後世まで語り継がれるレベル
ただこの印象強すぎ その後恵まれていないような気も
デジタル修正版ホントありがたい
スクリーンで観ていない名作を観たい
アンタッチャブルとジャージーボーイズだな
言われるほど楽しめなかったなあ
タランティーノ監督の初監督作品として評価が高いという認識で見たのですが、正直そこまでいいか?という感想です。
オレンジとホワイトの友情?劇と
くだらない会話の後にかっこよく仕事に向かうオープニング、そこに乗せた音楽。
支持出来たのはそれくらいですね。
銃社会でない日本人からしてみると、怒ったら殺せばいいなんて発想は、到底受け入れませんでした。
こんなの見て、アメリカ行きたい人いるのかね?とさえ思いました。アメリカの宣伝映画じゃないんですけどね。
裏切りの犬
もう20年以上前のことだが、この作品と『パルプ・フィクション』を観た時の衝撃は今でも覚えている。
とにかくカッコイイの一言につきる。
タランティーノ監督はゾットするような残虐なシーンとユーモラスなシーンの組み合わせが本当に絶妙だ。
冒頭はひたすら8人の男たちのくだらない会話のやり取りだ。
マドンナの曲に対する卑猥な考察や、ウェイトレスに渡す1ドルのチップの出し惜しみなど、あまりにも幼稚な彼らのやり取りに苦笑してしまう。
が、彼らが堅気の連中でないことは空気感で分かる。
彼らはこれから綿密に立てられたダイヤ強盗の計画を実行に移すのだ。
それぞれにカラーで呼ばれる彼らの姿と、ひとりひとりを際立たせるオープニングのカッコよさが印象的だ。
が、シーンが変わるとオープニングのカッコよさはどこへ行ったのか、血まみれで泣き叫ぶオレンジとそれを必死で宥めるホワイトの姿が映し出される。
どうやら計画は失敗したらしく、集合場所の倉庫へたどり着いたのは彼らとピンクの三人だけだった。
まるで待ち伏せをしていたかのようなタイミングで警官が現れたことから、彼らはメンバーの中に裏切り者がいたことを確信する。
映画は時間を遡って何が起こったのか、そして裏切り者は誰なのかを明らかにしていく。
この時間軸を入れ替える手法は『パルプ・フィクション』で最も成功しているように感じるが、この作品でも実に効果的だと思った。
疑心暗鬼にかられる3人の前に、真っ先に発砲して現場を混乱させた張本人のブロンドが現れる。
とにかくメンバーの中で一番イカれた彼は、ひとりの警官を人質として連れて来る。
やばい展開になるのは目に見えているが、胸糞の悪くなるような描写の後にスカッとするような展開が待っているのもタランティーノの作品の特徴だと思う。
ブロンドは警官の耳を削ぎ落とし、ガソリンをぶっかけて火をつけようとするが、その直後に蜂の巣にされる。
彼を撃ったのはオレンジ。
ここで裏切り者が死にかけのオレンジだったことが分かる。
おとり捜査官である彼が、メンバーに取り入るために売人の小話を暗記するシーンの組み立てはやはりうまい。
とにかくテンポ感の良さがこの映画の魅力だ。
オレンジがブロンドを撃ったことで、物語は急展開を見せる。
オレンジはブロンドが警官と自分を殺してダイヤモンドを持ち逃げするつもりだったと話すが、後から合流したエディがそれを真っ向から否定する。
エディとブロンドはかなり付き合いが長く、しかもブロンドはボスであるジョーの恩人でもあったのだ。
そこへ現れたジョーも直感でオレンジが裏切り者であると決めつける。
しかしホワイトはその判断は間違っていると、必死にジョーを説得しようとする。
逃走中にお互いの身の上話をしたことで二人の絆は深まっていたのだ。
このあたりの二人の関係がもっと掘り下げられていれば、衝撃のラストがさらに印象深くなっていたかもしれない。
銃の乱打戦になり、エディとジョーは即死する。唯一戦闘に参加しなかったピンクだけがそそくさとダイヤモンドを持って逃走する。
が、おそらく待ち構えていた警官に捕まえられたことだろう。
最後に何故オレンジは自分が警官であることを打ち明けてしまったのだろうと考えさせられる。
彼もまたホワイトに情が移り、罪悪感を隠しきれなかったのだろうか。
それとも別の罪悪感から自分も裁かれることを願ったからなのだろうか。
彼は逃走中に自分を撃った一般人女性を射殺してしまっている。
物語的には最悪なラストではあるものの、いつまでも記憶に残る最高のラストシーンだったとも言える。
ずっと瀕死のオレンジ(^_^;)
タランティーノの大ファンです。
もちろんレザボアも何度も観ていますが、又また劇場でかかるのならば行きますとも〜٩( ᐛ )و
エマちゃん振り切ってGO!
公開当時のカンヌでは「心臓の弱い方はご遠慮下さい」ステッカーが貼られまくっていたそうですw
そしてやっぱり途中退場者続出!
だから言ったじゃんw
しかし同時に最大の話題を掻っさらった本作!
私も初見時は。。
「何だコレ〜〜!!」ってテンション上がっちゃって変な笑いが止まらなかった!
映画ファンならご存知。
あまりにも有名な冒頭のあのくだらないバカ話しから始まる本作。
今でこそ、本編の内容と直接は関係のないムダ話しは、タラ作品のアイコンのようになっているが、伝説はここから始まったんだなぁ〜と思うと余計にニヤリとする。
ライク・ア・ヴァージンのバカバカしい解釈や、チップを払う払わない云々。プププ。
そんな会話劇を見せておいて、そこに集まったメンバーはこれから強盗に行くと分からせる。
Little Green Bagが流れてきて痺れる!
黒いスーツの6人
(+ジョーとエディ)が歩いているだけのシーンなのに超絶クール٩( ᐛ )و
鼻血ブー٩( ᐛ )و
(TVアニメ「チェーンソーマン」のオープニングにも引用されていたね♡
こっちもクール!)
そして!!
メインだと思われたその強盗シーンは全くない!!
血まみれのオレンジ〜!!ど〜したぁ〜!!
こんな思い切った構成は、ハリウッド映画にはなかったし、とても斬新だったよ。
時間の流れを、見せたい順番に並べ替えたりしながら、ほぼ倉庫内だけで展開されるストーリーなのに、緊張続きでぐんぐん引き込まれる。
低予算なのは明らかだが、テンポ良く進むリズム感が気持ちいい。
公開当時、映画好きの先輩が、この作品がいかにぶっ飛んだ構成で、見事な脚本で、新しく、オリジナリティ溢れる作品だったかを熱弁しておりました。
「多くの映画を観てきた人ならわかる、このケレン味がたまらないのだよ、ゆき君」と。。ゲンドウばりに静かだが熱く語られた事を思い出しましたw
ケレン味?何それ?美味しいの?
( ・∇・)
又、タランティーノ作品には欠かせない、えげつないバイオレンス描写。
トラウマ確実!
「Stuck In The Middle With You」
に合わせての拷問ダンス&耳切りシーン!!
(続・荒野の用心棒のオマージュ)
「暴力は僕の美意識」と語るタラちゃん。
賛否あると思うが、ブロンドのキャラ付けとしては必要な描写で、ここまで記憶に残るシーンになるのだから完敗です。
そしてファンの間で大いに盛り上がったシーン。
「エディは誰に撃たれたのか?!」
2秒程のシーンなので初見だと全く気にならなかった人もいただろう。
しかし、私とゲンドウは話し合ったよね。今みたいにすぐに確認出来るツールもなかったし、、
ホワイト2発説?んーーー。。
その後発売されたDVDで何回も確認したけど、結果謎のまま。。
そして後あと分かる驚愕の事実。。
何と!!ミスか〜〜い!!!と、ツッコむのだがw
本作の圧倒的なパワーと存在感にはむしろそれもプラスに働いた(^。^)
いやいや、久しぶりに観ても興奮する映画だね!映画っていいね!
◯「らし〜」を3つ。。
⚫︎ライク・ア・ヴァージンの解釈について、マドンナ自身からダメ出しをくらったタラちゃん。でもサイン付きのアルバムをもらったらし〜w
⚫︎今回の公開を記念して発売された
マーヴィン・ナッシュ「右耳クッキー」
即完だったらし〜w
いらないけど見たかったなw
⚫︎ホワイト(ハーヴェイ・カイテル♡)の黒スーツはアニエス・ベーらし〜w
最後に。。
なぜオレンジは死ぬ間際に自分の正体をホワイトに明かしたのか。。
の問いに、タラちゃん。
「日本語の"JINGI”(仁義)だ」と語っていましたよ♪
くぅぅ〜!痺れるね〜٩( ᐛ )و
感想メモ
タイトルコールがかっこいい!
かっこいいシーンがいっぱいで満足、話もコンパクトにまとまっていて良い
like a virgin は巨根の歌、力説しているブラウンがタランティーノご本人、以降ほぼ出番無し、ブルーも最初だけの出番
強盗の話だが、強盗シーンは無し、逃走シーンからのスタート、メインは倉庫での会話劇、それぞれのキャラが会話だけでほぼわかる、すごい
よく吠える犬だ、噛みつくか?
ダンスしながら拷問するシーンが好き、ジョジョ5部のやつだ!ブロンドのイカれ具合とボスへの忠誠心が好き
最後のシーンが謎、エディを撃ったのは誰なの?ホワイトが2発撃ったのか?
オレンジの目が綺麗、最後自分が潜入捜査官である事を自分を信じてくれたホワイトに正直に打ち明け、銃口を向けられ、…最後の結末は分からずじまいだが、どっちも死んだんじゃないかなぁと思う
最高だよ懐かしい
アマプラに来てたからみたけど、上映してたの?
1990年代後半、高校生のときこういう映画みるのがかっこいいと思ってて、観てた懐かしい映画。サントラももってたなぁ。
でもいい音楽にあわせて暴力シーンがあるってことしか覚えてなかった。
オレンジが潜入捜査官なのね
知ってたのに口割らなかった警官すごくない?
警官とオレンジだけになったとき、ジョーを待ってたのか不明。
ジョーてボスだよね?ジョーきたら状況てきにおかしいってならない?
仲間の警官はなんでこないの?
それで最後に3人打ち合いになったとき、ホワイトを撃った青い上着の男を撃ったのはだれ?ピンクってこと?
結局ピンクがダイヤも隠してたし全部持ってちゃったてことか??
オレンジ最後なんで、ホワイトに「俺は刑事だ」て言っちゃうんだよて思ったけど、命をかけて自分を信じてくれて答えなきゃと思ったんだろうな。
で、たぶんホワイトはオレンジ撃つ前に殺されたよね(入ってきた警察に撃たれた)ホワイトいいやつでなんか可哀想。
音楽がいい。
ネタバレしたあとでも何回も観たい。
鬼才
1991年クエンティン・タランティーノ
監督の初期作品。若干28歳の鬼作で力作。
本人もブラウン役で登場。若々しい。
強盗を指示する親子とそこにかき集められた
強盗集団。宝石を強奪に。
お互いの名前、出身地、職業は言わない約束。
強盗犯6名には色の名前を付けられる。
くだらない雑談と小話からテーマソング
Like a Virgin が流れてくるのもセンスがある。
彼らしい、音楽、無駄話、バイオレンスの
バランスは凄い。自由に操る時系列と個性の
キャラクターを満載にして楽しませてくれる。
脚本も良いよね。
ブロンドが警察官を殺戮しようとするシーンも
残虐だが軽快な踊りと音楽をあてがうとは。
恐ろしさの中の対比を感じる。
寄せ集め軍団なので、何が起きるか分からないし
根っから悪だが、其々の人情と人間性を演出。
次第に疑心暗鬼になっていく心情も分かる。
オレンジの小話をするシーンは
緊張感が伝わり、観てる側も同じ感じに陥る。
テンポの良い会話劇と演出、監督独特の
才能を改めて実感した作品でした。
真面目なタランティーノ
第1作目らしい感じがよかった。タランティーノ自身の演技もよかった。
強盗団のメンバーが集まる最初の場面の会話がいい。悪そうだけど、憎めない。上下関係もなく、冗談を言っているが、時々、緊張感が高まる時があり、引きつけられる。
拷問されている警官のそばで死んだようになっていた男が、突然、拷問している仲間を銃で撃ち殺すシーンは、何度見てもすばらしい。
撃ち殺された男は、撃たれる前に踊りを踊りながら、警官の耳をカミソリで切り取っていたが、肝心の切り取る場面はカメラが目をそむけた。耳が切り取られるのを見ずにすんだので、ほっとした直後に、カメラが切り取られた耳を映し出す。耳のない側頭部も映すが、一瞬だけ。その側頭部は血があまり流れていないので、ちゃんと見たい気もするし、見てほしそうに作っている。
警官を拷問した仲間が殺された後、ホモらしいボンクラに見える仲間がやってきて、拷問した男を撃った男を問い詰める。そのあげく、拷問した仲間を撃った男を殺そうとすると、その男をかばう正義感の強そうな男が立ちはだかる。みんな、それぞれ別の理由で、誰かをかばい、別の誰かの行動のじゃまをする。最後はうまく立ち回って、こっそり隠れていた奴が引き金引いたのかな?
はらはらどきどきする映画でも、ヒッチコックの場合、物事の偶然の成り行きが重視されるが、この映画は、物事の成り行きよりも人間関係に重きが置かれていて、そこが面白い。
ラストシーンの謎
ホワイト、ジョー、エディの三つ巴。三つ巴と言っても銃口はホワイトはジョーに、ジョーはオレンジに、エディはホワイトに、とエディに銃口は向けられていません。
ですがホワイト、ジョー、エディはほぼ同時に倒れています。
「レザボアドッグス エディを撃った」で検索するとなるほどな理由を知ることが出来ました。
また最後オレンジはなぜ自身の正体を明かしたかにも納得な解釈を知ることが出来ました。
筋が通ってる(ネタバレ有り)
タランティーノの映画については、これとパルプフィクションだけ見てます。
共通してる点としては、やってること自体は人を傷つけてるんだから間違ってるというか悪いことなんだけど、なぜか登場人物本人なりに筋の通った行動だと観ている観客側にも思わせる力がある、というところだと思います。そもそも出てくる人がだいたいみんな悪いやつなのであてにできるのが自分の感情だけっていうのもあるかもですが。
Mr.ホワイト、およびパルプフィクションのブッチが終盤にとった行動は、自分の保身を優先する見方からするとバカなんじゃない?と言わせてしまうような行動なんですが、純粋にこいつが好きだから助けたい、とか、あまりにひどくて見てられないから助けたい、とかそういったある意味自然な人間の感情に任せた行動である(と思われる)がゆえに、すっごくかっこよく見えちゃうんだろうなと思います。三つ巴で銃を突き付けあうときのホワイトの表情はものすごくよかったです。
あと、ピンクはどうなったんだろう。
残酷だけど良いところもあった。
男たちが言い争いをしていると、カメラが引いて右端にギャングブロンドの後ろ姿が現る。しばらく眺めていたのかな。このカメラワーク良かった。
宝石店を襲う画面が出てこない。だから、想像力を掻き立てられる。
警官の片耳を切り、オイルに火を着けようとした瞬間、瀕死の刑事がブロンドを銃撃してスカッとした。
スタイリッシュ
スタイリッシュでかっこいいって。舞台はほぼ倉庫なのに、会話と演技だけで作るこの、タランティーノスタイルのかっこよさ。やはり普通ではないタランティーノ。かっこいい。凄い久々に見たが、古さを全く感じない、かっこいい映画。
格好いい犬たち
リバイバル上映ということで、折角の機会だと思い観に行きました!
前知識はあらすじだけです。
雑談からオープニングに入るの格好いい…
黒スーツにグラサン、タバコ、男どもが全員格好いい…
ホワイトなどの過去の経緯に入るところの「Mr.White」ももう格好いい…
そして実際の襲撃シーンは見せずにいきなり襲撃後に場面転換するの面白…!格好いい…!!!
誰が警察の犬なのか、疑心暗鬼の犯人探し、面白い…!
仁義を重んじる(ホワイト→オレンジ、ジョー親子↔︎ヴィック)彼らが良いですね、犯罪集団なんですけども。
オレンジの葛藤が辛い…犯罪集団を一網打尽にするためとは言え、犠牲が多い…
捕まった警官が耳を削がれてもスパイを白状しなかったのとても素晴らしかった…
オレンジが警察の犬だとは思わなかったなぁ、ネタバラシが早い!と驚きました。
最後三つ巴のところ、ジョーの息子撃ったの誰だ…?と謎。
オレンジ←ジョー←ホワイト←エディと撃ってますよね?
あとピンクは外で警官と撃ち合いしてますよね。
見えないところで魅せるのすごいなと思いました。想像力が掻き立てられますね。
最後ホワイトが倒れるように画面から消えるけど、銃声がいくつか聞こえた後にホワイトが倒れてるから、オレンジ←ホワイト←駆けつけた警察官と撃ったのかなぁと思いました。
ホワイトが倒れる前の銃声はホワイトがピンクを撃った音かなぁと思ったんです。
短いけど面白くて大満足です。
ところでブルーの意味は…?
素晴らしかった
公開時劇場で見て、大興奮した記憶が鮮明だ。当時、映画監督を目指していた堀さんと感想を述べあったのだけど、今はどうしているだろう。当時の楽しかったことや苦しかったことが思い出されて、戻ってみたいようなみたくないような、できもしない空想で心がざわついて泣きそうだ。
それから何度も見ていて、役者に明るくなかったのだけど、今回は役者さんをきちんと把握して見るように努めた。5人でやるって言ったのに6人いる。
ブロンド、やばいやつなのに裏切りはしない、信用されている。ブシェミはピンクを嫌がる、誰かが犬だ、今回の仕事はヤバい感じがしたと勘の良さを示す。ホワイトは俺のせいでオレンジが撃たれたと真義の厚さを見せる。オレンジは裏切っていたのに、かばって撃たれたホワイトに真実を告げる。死にかけているのに言われてもな。麻薬犬と警官がいるトイレの嘘話が面白い。各々とてもキャラが立っている。役者さんたちが演じてみたい見せ場が詰まった素晴らしい脚本なのだろう。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 極めて暴力的なのに極めておかしいという離れ業を成し遂げた作品。私は本質的にコメディだと思う。長編第一作にして此の語り口の巧さに感心した。
①マドンナの「Like A Virgin 」の“珍”解釈から始まる冒頭からどこか惚けております。
チップをやるやらん、というつまらん口論を始めたりして(スティーブ・ブシュメが全編を通じて良い味を出しております)、コイツら何者?と思っていたら、場面が変わって、一部を除いて黒スーツで身を固めて歩いていく男達を一人一人紹介していく最初のクレジットはカッコいい。
で、「~はReservoir Dogsである」と来るんですけれども、“Reservoir Dogs(貯水池の犬)”って何?何かのスラング?
と思っていたら場面が変わって血だらけのティム・ロスと運転しながら励ますハーヴェイ・カイテルの場面に切り替わり、彼らの会話から、どうも彼らは宝石強盗をやったのだけれども、どうやら失敗して逃げているということがわかります。
全編こういう感じで、その語り口の巧さに先ず感心します。
②「極めて暴力的」と書きましたけれども、この作品の公開からの30年の間に、特殊撮影技術の進歩もあり流血シーンや銃撃シーン、残酷シーンはもっとリアルでもっとグロくなっているので、公開当時はそのバイオレンスぶりが喧伝されて流血ものが苦手だった私は観に行きませんでしたけれども、今の目で観ればある意味驚く程ではありません。
有名な「マイケル・マドセンが耳を切るシーンーも流石に覚悟して構えてましたけれども、結局「耳を切るところは見せず切った耳を見せる」というだけにとどめておりました(当時の技術では出来なかっただけかもしれませんけれども)。
数年前のリドリー・スコットが監督した『ゲティ家の遺産』では、特殊撮影技術の進歩からか実際に耳を切るところまで見せましたけれども、映画自体がつまらなかったので此の「耳を切る」シーンだけが印象に残っております。やはり大事なのは、どういう風に映画を撮る(作る)ということでしょうね。
③時系列も入り組んでいますし、視点や立ち位置もMr.White⇒Mr.Blonde⇒Mr.Orangeと移ってゆくのに、物語全体がスッキリと理解できる語り口の巧さ。
ただ、肝心の宝石強盗の計画が正確にはどんなものなのかがよく分からなかったのが難点ぐらいでしょうか。
しかしながら、宝石強盗自体のシーンはなくとも、どの様な有り様だったのかは、これまた会話・話術だけでくっきりと浮かび上がってくるのも巧いですね。
④マイケル・マドセンは残念ながら主役として一人で映画を引っ張って行くにはオーラが足りない男優さんだと思います(証拠に主演映画で此れというものがありません。最近はB級/C級映画ばかり出ていますし)。
しかし、本作ではかなり印象的です。タランティーノ監督に感謝しないといけませんね。
彼の退場のさせ方もなかなか上手い。
⑤彼らの中では一番場数を踏んでいて百戦錬磨の筈のMr.Whiteが最後まで警察の“犬”を見抜けず、古い仲間であるジョーやエディを撃ち殺してまで守ってしまった、という皮肉。
容赦なく警官を撃ち殺す非情さを持ちながら、どこか人が良くて「疑う心」よりも「好きな奴を信じる気持ち」を選んだ挙げ句破滅してしまう、という難しい役。
悪い奴も良い人も同じ様に巧みに演じ分けられる演技力の持ち主であるハーヴェイ・カイテルだからこそ演じられたのでしょう。
⑥タランティーノ監督ならではの映画ネタ、TVドラマネタ、70'サブカルネタがあちこちで噴出します。
映画ネタ、TV,ネタには附いていけましたけれども、サブカルネタはやはり現地アメリカ合衆国の国民(或いは他国民でそれオタクの人)でないと附いていかれないと思います。
でも、それがこの映画の面白さ・楽しさを軽減するものではありません。
⑦これまで或る意味で避けてきましたけれども、今年は正直タランティーノ映画にはまりそう。
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