レインボウ(1989)

劇場公開日:

解説

ビクトリア時代を舞台に、自由な魂を求めて成長してゆく奔放な女性の姿を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはウィリアム・J・クィグレーとダン・アイルランド。D・H・ローレンスの同名小説を基に、製作・監督・脚本は「サロメ」のケン・ラッセル、共同脚本はヴィヴィアン・ラッセル、撮影はビリー・ウィリアムス・音楽はカール・デイヴィスが担当。出演はサミデイヴィスほか。

1989年製作/イギリス
原題または英題:The Rainbow
配給:ベストロン映画
劇場公開日:1989年9月2日

ストーリー

ビクトリア時代、イギリスの山中で育ったアーシュラ(サミ・デイヴィス)は、平凡で規範的な将来を送ってほしいと願う父ウィル(クリストファー・ゲイブル)や母アンナ(グレンダ・ジャクソン)の思惑とは裏腹に、自由奔放な少女だった。彼女に性の開放を説く女教師ウィニフレッド(アマンダ・ドノホー)に性の手ほどきをされ、すっかり魅了されるアーシュラであったが、彼女が叔父の炭鉱成金ヘンリー(デイヴィッド・ヘミングス)と結婚し、次第に平凡な女になってゆくのに失望を感じていた。そんな彼女の前に現われたのはボーア戦争に参加していた軍人のアントン(ポール・マクガン)。彼に処女を奪われたアーシュラは、いつしかアントンに恋し始めていた。同じ頃、両親の意に反して教師になった彼女は、次第にさまざまな矛盾に悩まされ始め、社会の恐ろしさを感じるようになる。やがて厳格な態度で生徒に臨むアーシュラは、しばしば周囲を驚かすようなこともあった。月日は流れ、2年の教員生活を終えたアーシュラは、戦争から戻ってきたアントンと情熱的な愛の生活を過ごし始める。しかし自分自身の人生を生きたいと思っているアーシュラにとって、甘い日々は長くは続かない。やがて精神的不安定になる彼女に追いうちをかけるように、アントンから他の女性と結婚したという電報が届き、ショックのあまり倒れてしまう。しかしそんな彼女を見守る父のやさしさに触れた時、アーシュラは家を出る決心をする。それは自由奔放な女としての人生を選んだ輝きの旅立ちであった。

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映画レビュー

3.0ケン・ラッセルの珍しい正統派女性映画

2020年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ケン・ラッセル監督が、「チャタレイ夫人の恋人」に先駆けてD・H・ロレンスを映画化した作品。女教師を目指す少女が、男女関係の経験を積みながら自立した女性に成長する真面目な物語を、正面から堂々と描いた力作。イギリス映画の異端児と称したいラッセル監督としては、「狂えるメサイヤ」と並ぶ正統派映画。母役をグレンダ・ジャクソンが演じるも、彫刻家の父親との関係に物語のウエイトが高い。主人公の叔父と結婚する進歩的な女教師を対比させた女性映画だが、テーマが絞り切れていない。

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Gustav