レイジング・ブルのレビュー・感想・評価
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【1940年代の実在のボクサー”ブロンクスの野牛”ジェイク・ラモッタの絶頂期から、醜く太り零落していく姿を、ロバート・デ・ニーロが”デ・ニーロアプローチ”を炸裂させて演じた作品である。】
ー この作品は、何年かけて製作したのだろう・・と思わせるほどの、ロバート・デ・ニーロの1940年代にミドル級ボクサー(時にチャンピオン)を演じた時の、引き締まった体型と、僅か20数年後の腹が突き出た、醜く太った姿のギャップに驚かされる・・。
且つ、今作前の「タクシー・ドライバー」のロバート・デ・ニーロの整った顔立ちとは違い、鼻の形が鷲鼻になっており、あれはメーキャップだよな、まさか整形していないよな・・、と思った作品でもある。-
■印象的な事
・ジェイク・ラモッタ(ロバート・デ・ニーロ)が、ミドル級ボクサーとして活躍していた時代の、最大のライバル、シュガーとの3戦を含めたボクシング戦の描き方。
ー 迫力は十分であり、今作後のボクシング映画に影響を与えたと思われるアングルは見事である。
多数の試合を2時間強の尺の中で描いている所も、巧い。-
・ラモッタの病的な2番目の妻になった最初に会った際には15歳だった少女ビッキーへの執着心と猜疑心。
それは、弟の彼のマネージャーを務めていたジョーイ(ジョー・ペシ)にも及ぶ。
ー 可なり、常軌を逸した人物であったらしいが、ロバート・デ・ニーロが見事にその狂気性を帯びた人物を演じている。ー
・宿敵のシュガーに敗れた後、彼は”ジェイク・ラモッタの店”というバーを開くが、その時点での彼の風貌が見事な太鼓腹であり、顔はパンパンで、”同一人物か?”と思ってしまうほどの変わりようである。
<”デ・ニーロ・アプローチ”と言う言葉を象徴する作品。
彼は、いったい今作製作中に何キロ体重を増減させたのだろう・・。
今作に影響を受け、デ・ニーロ・アプローチを取り入れた俳優が多数出て来た、先駆的作品でもある。>
<いつか、忘れたがDVDにて鑑賞。>
<2022年2月24日 別媒体にて再鑑賞>
ロバートデニーロ熱演
1941年、ロバートデニーロ扮するミドル級ジェイクラモッタは、勝ったと思った試合に初めて負けた。観客は八百長だと叫び荒れた。ジェイクはイラついていた。プールで会ったキャシーモリアーティ扮する15歳のビッキーに癒されていた。1947年、ジェイクと闘う相手はなかなかいなかった。ビッキーは20歳になったが、ジェイクは余り相手をしないので男あさりを始めた。試合もうまく組めないでいた。独りよがりで、回りからも批判されていた。タイトル戦が出来る様にはなったが、負ける八百長を強いられた。ジェイクは悔しくて泣いた。1949年、ジェイクはミドル級タイトルマッチで勝って泣いた。ジェイクは、ビッキーについて異常に焼きもちを焼いた。その後の試合で、ジェイクはダウンはしなかったがタイトルを失った。1956年、ジェイクは引退し、クラブを買って満足したと言った。ロバートデニーロは熱演でアカデミー賞を獲得しているが、これほど精神的にローハイのある性格だったとは世界チャンピオンも楽じゃないね。
栄光と転落
スコセッシ監督作品の中では、グッドフェローズやウルフオブウォールストリート、最近ではアイリッシュマン等と同じ、ある男の栄光と転落を描いた作品。
そして、デニーロ、ペシ、スコセッシの黄金トリオが誕生した作品でもある。
でも他の作品と比べて案外淡白、のし上がっていく過程に痛快さなんてものはない。寧ろ主人公への不快感が増す。なんといっても猜疑心が強すぎる、暴力的。破滅が待っているのが言うまでもなく分かる。
退屈だなと感じたし、もっとボクサー時代に盛り上がる熱い展開があればなぁと思ったけど、それだと他の作品と変わんないってことなんかな?
栄光を手にした人間が引退後、頼れる人もいない状態に哀れみを感じた。八百長した時もそうだが、取り返しのつかないことをして落ちぶれて、初めて自分がどうすべきだったのか気づくのが人間なんだよなとラストで思った。
現役時代あんなに引き締まっていたのに、引退後の肥満体型を表現するために27Kg増量して挑んだロバートデニーロの狂気的な役作りに脱帽する。特殊メイクやCGでええやんとか思うけど、作品の面白さには役者の演技力はもちろん取り組む熱意、思いも大事なんだなと改めて思わされる。今後も役作りで体重の大幅な増減をする人は出続けるんだろうな。
最強トリオ
すごかった
練習場面はちょっとしかないので、あまり努力しなくても強いような印象だ。奥さんの浮気を病的に疑うのはパンチドランカーの症状なのかと思ったら、引退してコメディアンになってセリフの練習していたくらいなので、単にそういう性格なのだろうか。人生のピークを終えても、だらだらと人生は続くことのつらさをひしひしと感じる。
こんなボクサーがいたんですね、ジェイク・ラモッタ。強いんですが、妻...
デ・ニーロはキチガイの天才(褒め言葉のつもり)
嫉妬心の塊
ジェイク・ラモッタってボクサーの半生は興味深く映画にする人物像として魅力が溢れている。
可愛く言えばヤキモチ焼きだがそれでは済まない凄まじい程の嫉妬心に弟をボコボコにする場面は呆気に取られてしまい若干、引いてしまう。
コノ映画を撮るのはあまり乗り気ではなかったらしいスコセッシが「グッドフェローズ」と「カジノ」の前身のような作品に仕上げたのが興味深い。
まぁJ・ペシが出演しているってのもあるが登場人物の描き方に物語のテンポと演出に片鱗が伺える。
輝かしい人生を歩んだボクサーとは言えないが落ちぶれて行く無様な姿にチャンピオンベルトを分解して売ろうとする滑稽な行動に愛着が。
とにかくデ・ニーロの存在感が凄まじい。
シャドー
ガッツ石松が大好きな映画
デ・ニーロ・アプローチ
主人公のロバート・デ・ニーロが役作りに拘って27㎏太ったそうですね。
27㎏太るとかありえません、本当凄いです。
名作という評価も多いようですが、ボクシングのシーンはどこかリアリズムに欠け、また、猜疑心の塊で横柄な主人公の態度には共感出来ません。
僕にはこれを名作とする理由が分かりませんでした。
狂い咲きデ・ニーロ
ちょっと機材のトラブルがあり、細切れで観るはめになってしまったので、評価が微妙なんですよね…
最初、途中まで観てた時は、「あれれ?、なんか絵が決まってなくない?」なんて思ってたんですね。それで機材トラブルがちょうど、デ・ニーロ兄弟のいざこざ辺りで、しばらくして復旧、そこからまた観始めたんですが、そしたら「あれれ? なかなか良いじゃない?」なんて感じたんですね。うーん、これって映画自体によるものなのか、それとも私側の要因なのか迷うんですよね…
でも、素直に評価するなら、この後半は見ものです。デ・ニーロの狂い咲きが極まっていくほどに、画面も力が出てきてます。
うん、スコセッシの評価が私の中で、すこし上がりましたです。
今思えば凄かった。
1人のボクサーの人生に隠された壮大なテーマ
その外見的変化はさることながら、内面的変化も完璧に演技に反映し「デ・ニーロ・アプローチ」の真価を見せつけられる。
巨匠スコセッシは、他のスポーツ映画など足元にも及ばないほどの強烈な個性を持った傑作を作り出した。
ラモッタの栄光と挫折、幸せに最後を迎えるかなど分からない"人生"をリアルなタッチで描きだす。
また、これは優れた伝記作品であると同時に人間の不寛容と原罪の意識から生まれる"生"のドラマでもある。
思うようにいかない人生と生きることで増えて行く罪の意識との葛藤。
スコセッシは、強烈な個性を持った映画的映像でどんな人間にも存在する二面性を表現した。
ちょうど、"鏡"映った自分のような二面性を…。
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