リトル・ショップ・オブ・ホラーズのレビュー・感想・評価
全13件を表示
宇宙からの吸血植物を描く、異色のミュージカル
【イントロダクション】
B級映画の帝王、ロジャー・コーマンによる1960年の同名映画が、1982年にアラン・メンケンとハワード・アッシュマンによりオフ・ブロードウェイ・ミュージカル化され、本作はそのミュージカルの映画化&映画のリメイク版。映画からミュージカル、ミュージカルから映画にという変わった経緯を持つ。
貧民街の花屋で働く冴えない青年が、宇宙からやって来た吸血植物の鉢を手にし、成功していく過程を描く。
出演にコメディアン出身のリック・モラニス。舞台女優、歌手のエレン・グリーン。
監督は、『セサミストリート』や『スター・ウォーズ』シリーズのヨーダの声での声優経験も持つフランク・オズ。
脚本に、『美女と野獣』(1991)、『アラジン』(1992)等の作詞家で、舞台版も手掛けたハワード・アッシュマン。
【ストーリー】
1960年代。貧民街《スキッド・ロウ》の小さな花屋。店主のムシュニク(ヴィンセント・ガーディニア)は、繁盛しない店に嫌気が差していた。孤児で引き取った従業員のシーモア(リック・モラニス)は要領が悪く、もう1人の従業員オードリー(エレン・グリーン)は恋人からのDVに悩んでいる。
ムシュニクは、とうとう店を畳むかと口にする。慌てたシーモアとオードリーは、皆既日食の日にシーモアが花市で手に入れた不思議な植物を見せる。シーモアは、密かに想いを寄せるオードリーの名を取って、植物に“オードリーⅡ”と名付けた。
オードリーⅡを店先のウィンドウに置くと、たちまち客が押し寄せ、店が繁盛するようになる。ムシュニクは喜びはしゃぐが、オードリーⅡは閉店後に枯れかかってしまう。シーモアは、あらゆる手を尽くしてオードリーⅡを甦らせようとするが、どれも上手くいかない。しかし、シーモアが不注意から指を負傷し出血すると、オードリーⅡはそれを欲しがった。
シーモアが恐る恐る血を与えてみると、オードリーⅡは活気を取り戻した。オードリーⅡは、読みも珍しい生き血を啜る吸血植物だったのだ。
やがて、店は繁盛し、オードリーⅡを育てた事でシーモアは有名人になっていく。しかし、想いを寄せるオードリーは、恋人のオリン(スティーヴ・マーティン)からのDVに悩んでおり、オードリーⅡは更なる血を欲するばかりである。
ある夜、遂に人語を話せるまでに成長したオードリーⅡは、シーモアにオリンを殺害するよう焚き付け、更なる血を得ようとする。
【感想】
地球侵略が目的の吸血植物との出会いから対決までを描くという異色のミュージカル。
アニマトロニクスを駆使して表現されるオードリーⅡが素晴らしい。手作り感満載ながら、動きの滑らかさは抜群。鉢植えに収まっていた時は可愛らしく、肥大化して店内の天井に届くほどの大きさに至ってからは太々しく、それぞれ違った魅力を放っていた。
人語を話し始めてからの我儘で禍々しい本性を表し始めたキャラクター性も面白い。声の出演によるリーヴァイ・スタッブスの演技と歌唱もノリが良く楽しい。
手作り感と言えば、時代を感じさせるセットの美術も愛着が湧く。街の向こうに見える電車は、実際に走らせているというから凄い。その更に奥に広がる空は、どう観てもボードに描かれた絵なのだが、その質感は全てをCGで表現出来てしまう現代にはない温かみすら感じさせる。
エレン・グリーンの歌唱力は、流石歌手といったところ。ただし、そういう演技指導なのだろうが、普段の会話のトーンがワザとらしいのはマイナス。
ロネット(ミシェル・ウィークス)、クリスタル(ティチナ・アーノルド)、シフォン(ティーシャ・キャンベル)の3人組コーラス隊によるメインテーマが印象的で耳に残る。また、作中度々登場してはストーリーを盛り上げてくれていた。
オーディオコメンタリーによると、ラストの展開はバッドエンドになる予定だったそうだが、テスト試写の反応が芳しくなく、急遽再撮影をしてハッピーエンドに作り直したそう。
だからこそ、オリンや(事故とはいえ)ムシュニクをオードリーⅡの犠牲にしたシーモアが、オードリーと幸せな生活を手に入れる事に違和感を抱く。しかし、庭の花壇の中に再び小さくなったオードリーⅡが紛れ込み、不適な笑みを浮かべているのが完全なるハッピーエンドとは言えない塩梅を演出している。
【総評】
ミュージカルにしては珍しいSFやホラーを扱っているので、ミュージカルとしても異彩を放っている。また、手作り感満載の美術やセットの魅力がクセになる。基になった映画やミュージカルと共に、カルト的な人気を獲得した事も頷ける。
小さい頃は可愛かったのに・・・
兎にも角にも吸血植物オードリーⅡの造形が素晴らしいです。特に唇(花弁?)の動きの繊細さは一見の価値があります!
小さい頃の指にチューチュー吸い付くシーンが可愛いので、おどろおどろしい姿に成長してしまうのが軽くショックですが、その代わりに軽妙な節回しが小気味良い、イカした唄声を披露してくれます。
物語的にはそんなに…な映画ですが、セットで組まれたスキッド・ロウ(貧民街)は汚いスラムなのにどこか幻想的な雰囲気ですし、オリジナル版からのキャラクターも上手くアレンジされています。特にスティーブ・マーティン演じる「ワル」のサディスト歯科医は、彼の名演もあっていいアレンジだと思いました。この調子でオリジナル版にいた主人公の母親も上手くアレンジして登場させてくれたら良かったのになぁと少し残念に思いました。
ラストシーンは終わったようで終わらない恐怖が描かれ、正しくホラーしていますが、主人公にはもっと自分の行いへのペナルティがあっても良かったのかなと思います。
余談ですがスーパーファミコンソフト「スーパーマリオRPG」(1996年)のCMはこの映画の影響がありそうですね。
オープニングから掴み掛かるミュージカル映画
何かと喧伝してるマ王のホラー好き😁
オマエはホラー映画ばかりだなぁ、と笑われそうだがホラー映画も立派な映画である✨
しかしホラー映画以外で何かと聞かれたらミュージカル映画が好きかなと♪
古くは「サウンド・オブ・ミュージック」「アニー」なんてのも観ているんだけど、今まで観てきたミュージカル映画の中で屈指の面白さを放つのが本作である😆
何度も観直しているけど昔の映画に有りがちな劣化を感じない😳(ジャンルは少し違うけど「フットルース」や「ストリート・オブ・ファイヤー」は今観ると恥ずかしくなっちゃう)
時代を選ばない巧妙なシナリオと音楽が笑いと涙を誘うのよね😭
ん?またホラー?しかも笑いと涙?
ミュージカル映画ってのは観てのお楽しみなのがイイんだよ😋
まぁ、この映画で震え上がって悲鳴を放つ人は感受性が敏感過ぎると思うが🤔
基本的にラブコメディで恐怖レベルは1〜2くらい😂
ミュージカルって子供向けって気配があるけど、実は大人が観るべきミュージカルの方が圧倒的に多い←ちなみにディズニーのアニメミュージカルはカウントしてない←ディズニーはディズニー映画という括りにしてる
本作は音楽が基本ロックだし各キャラが大人向けでイイ味を出している😘
そもそもストーリーがあまり難しくないのとミュージカルによくある物語を見失う事も無い😋
「シカゴ」「グレイテスト・ショーマン」あたりも充分楽しめるミュージカルだが、レベルとしては若干玄人向けに作られてるから、初心者が入門編として観るなら「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」をマ王は薦めている🥸
また「ミュージカルは苦手」という方は騙されたと思って一度観てみるといい⭐
ハマると立て続けに他のも観てみたくなるし色んなのに手を出したくなるのがミュージカル映画の不思議な魅力でもある🤣
映画館での鑑賞オススメ度★★★★☆
ミュージカル中毒への扉度★★★★★
ホラー映画度★☆☆☆☆
とても楽しめるミュージカル作品
高校の音楽の授業で「スタンダードなミュージカル映画」として見せられ...
高校の音楽の授業で「スタンダードなミュージカル映画」として見せられたのが出会い。
そん時から、なんか私の人生ズレた気がするんだけどな(^^;)。
以来こよなく愛している。しかし、「ドリームガールズ」薦めてくださったごく新しい映画仲間に、御礼としてこれをオススメして良いものかどうか(+_+)
アラン=メンケンの劇中歌はどれももったいないくらいワンダフルで素晴らしく、どーしょーもなく悪趣味なストーリー(←褒)をポップでドラマティックなコメディと錯覚させる凄まじい威力。
私もサントラ持ってます。今でもめっちゃ聴きます。映画で聴けるのと若干アレンジが違う・・・そこが残念。
それでも文化財指定嘆願レベルのアルバム。歌唱表現が過ぎる。
「さぁあ、どぅんッり、ッッッスぃ!モウ.....ぁぁぁ」
(字幕:suddenly seymour)
なんだよその求愛表現(笑転)
あいつが革ジャン脱ぐトコで最大瞬間笑速を記録。ストーリーとあんま関係ないシーンなのがまた笑える。
エレン=グリーンさんは舞台女優現役、2015年までオードリーをバリバリ熱演されてたようですが今はどうなんだろ。
ストーリーテリング役のコーラスグループが登場するのって、誰が始めた演出なんだろう。
その他、オードリー2が歌巧すぎて逆にキモチワルイし最高です以外に、特に書くことは無いんだけどさ(^^;)
この作品、ロジャー=コーマン版があるの!?。
そういうの教えてくださる、なんて良いサイトなんだ!!(歓喜)
全然知りませんでした。近いうちに観ます。
なんかビックリと興奮でテンション上がったので書いてみた。内容無くてすみません。
星の数あれこれ考えるのがなんか恥ずかしいので、ざっくり5個で(^^;)
パックン
リズミカルなピンポン。作品性と商業性。
内容は、ある所に予想外の形で発見されるハエトリ草の一種と思われた植物🪴と主人公が繰り広げるドタバタホラーコメディミュージカル。好きな言葉は『切り刻め!腹ペコだ!』食人植物🪴となったオードリーIIの言葉。一種の異常さを感じる場面とその後の食事サパーシーンは非常に上手くリアルに作られていて感心した。さすがイギリスの原子力局との技術だなぁ。マペットの扱いと出来に多大なる愛を感じました。好きなシーンは、真後ろで口を開けたオードリーIIを主人公の視点で見る恐怖焼き付く場面。紫色の大きな口と紫色の衣装をきた三人娘がシンクロして恐怖以外の何者でも無いです。そして最後の10分で、原作映画とガラリ結末を変えて商業作品としてハッピーエンドに持っていった終わりの部分。1960年版の映画リトルショップも観ましたが全然違う作りと技術の進歩メッセージ性と内容が全てアップデートされた素晴らしい作品だと思います。観ていてエンターテイメント性もしっかり感じました。この路線に舵を切る時代性や意味もわかるし現代に通じる所があります。マペットや特殊効果の絶妙な使い方やオードリーIIの唇の🫦動きは夢に出そうなぐらいリアルな出来でした。この製作陣の苦労を感じるだけでも素晴らしい歴史に残る出来に仕上がったと感じます。
恐怖のハエトリグサ
是非オススメ
スティーブ・マーティンとビル・マーレイのサドマゾ!
全13件を表示