ランボーのレビュー・感想・評価
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電話に出ろヨ、大佐ッ!!
小学生の頃にTVで見た記憶、娯楽アクション大作ってイメージのまま、今回が初鑑賞のようなもので。
イカれた連中だらけ、カンガルーを撃ちマクる「荒野の千鳥足」のテッド・コッチェフが監督な訳で、大人になってから観る"ランボー"はどこか特別な気持ちで気合が入る!?
72年の映画に「ソルジャー・ボーイ」ってベトナム帰還兵が町で理不尽&不愉快極まりなく暴れる作品があるが、彼奴らはジョン・ジェームズ・ランボーを見習うべき為体。
ラスト、涙ながらに訴え掛けるランボーに寄り添うトラウトマン大佐の表情が強張っているようにも、大佐の心情が読めない、一番怖いのは大佐の人間性!?
最初から最後まで可哀想なランボーの表情が寂し過ぎて、あの時にランボーの電話にさえ出ていればこんな目に遭わなかったかも、一人だけ悠々自適な大佐の責任大!!!
戦争アクション活劇とは一線を画すな
原点
ラストの慟哭はオスカー級
俺の戦争は終わっちゃいない!
Blu-rayで観賞。
最新作観賞に備えて、復習。
シルヴェスター・スタローンは、スタジオシステム崩壊後のハリウッドにおいて、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグと並ぶ功労者だと思う。
『ジョーズ』『スター・ウォーズ』と前後してヒットした『ロッキー』は、アメリカン・ニューシネマの台頭によって低迷期にあったハリウッドにサクセスストーリーのエンターテイメントを取り戻したのだから。
だがこの『ランボー』は、1982年の作品でありながらアメリカン・ニューシネマに近いところがある。
主人公は決して正義の人ではなく、反体制の暴走が抑えられず破壊行動を増長させていく。
精神的後遺症を抱えたベトナム帰還兵を戦争被害者として捉えれば、ベトナム戦争批判のテーマ性という面でもニューシネマに通じるものがある。
原作小説のようにランボーが殺される最後だったなら、よりニューシネマ的な破滅の美学となっただろう。
とはいえ、町の保安官はランボーを帰還兵と知って排除しようとしたわけではなかったし、
訪ねた戦友の母親が少し迷惑そうなそぶりを見せはするが、町の住人がランボーを迫害するような場面もない。
ベトナム帰還兵が差別を受ける状況は、ランボーが投降する直前にトラウトマン大佐に悲惨な体験を語る長い台詞によって、初めて訴えかけられるだけ。
既に「ディア・ハンター」「地獄の黙示録」で戦場が人を狂気にさせることは描かれていたが、帰国した兵士の境遇にスポットを当てたことは特筆すべきで、しかもスタローンが色っぽいだけに、一部のベトナム帰還兵たちからは歓迎された。
社会への問題提起としては、後の「7月4日に生まれて」に全部お任せして、純粋に人間兵器と化して大暴れする元グリーンベレーのランボーというキャラクターとそのアクションを楽しめればヨシの映画だ。
見所はなんと言っても、ランボーの戦いぶり。
森の自然環境を利用して、たった一人で警官や州兵たちを撹乱する。罠を仕掛けて敵を倒すのは、後続のシリーズでも定番となった。
そして、スタローンの肉体美。
頬がこけた表情は精悍で野性味に溢れている。
同年に公開された『ロッキー3』で、ヘビー級タイトルマッチに「まるでミドル級だ」と言われるほど身体を絞ってリングに上がる役作りの成果だろう。
この映画のアクションでは、絶壁から林へダイブするシーンがあまりにも有名だが、ランボーがバイクを奪って逃走するパトカーとのチェイスが凄い。
タンクトップ姿で道なき道を疾走するスタローンはプロテクターを身に付けていない。
『大脱走』のマックイーンも真っ青ではないか❗
保安官を演じたブライアン・デネヒーの悪役ぶりが、また良い。
原作小説にあった彼(保安官ではなく警察署長だった)の背景は、映画では全く描かれておらず、ただ閉鎖的な田舎町の平穏を維持してきた自信家の保安官だ。
見るからに「俺に逆らうな」と言わんばかりの圧力を放つが、決して不正な人間ではなさそうな雰囲気もある。
保安官が州兵の将校に命令できるのには驚いた。
主人公を死なせなかったのは、後のシリーズ化を目論んでいたからかどうかは知らないが、スタローンはベトナム戦争の悲劇を本気で訴えたかったようだ。
ベトナム帰還兵のPTSD
戦争が生んだ哀しき男の物語
プレデターですやん。
以降の作品とは別物です。
田舎町で警察に絡まれたベトナム帰還兵の逃亡劇。
後にシリーズ化されるランボーシリーズの第1作です。しかし、バトルサイボーグと化したランボーを描いた2作目以降と違い、この作品は帰還兵の悲哀を語る物語でした。
クライマックス。昔の上官に怒りをぶつけるランボー。そのランボーを茫然と見つめる上官の憐憫に満ちた表情がたまりません。
自ら鍛え送り込んだ部下が、ある者は異国で死に、ある者は病に蝕まれ、ある者は心をズタズタに壊されて・・・この表情は、かつての部下に対する憐れみの表情でしょうか?それとも、自ら犯した罪への後悔の表情でしょうか?謝罪の表情でしょうか?
アクションも良いですね。グリーンベレー出身が設定されたランボーのアクションは流石の迫力で、でもサイボーグでも、超人でもないギリギリのラインを守っているのが好感です。
2作目以降と比較すると地味な作品ですが、一番評価したい作品です。
コンバットストレス
差別的で強権を振りかざす地元の警官たちがランボーを見咎めて、言いがかりをつけるシーンは酷い。
法律をねじ曲げる組織、警察と軍隊。
かたや従わなかっただけで逮捕監禁、暴行を加えた警官たち。
能力や任務はともかく、非人道的な戦争に参加させ、その過酷さにPTSDとならせた戦争。
警官は物事を舐めすぎたどうしようもない奴等ばかりでなるようになった…とは思う。
時代背景から見ると敗戦して帰還した兵士たちは勝てなかった罪を背負わされ、社会的にも無駄な戦争と叩かれ扱いも酷かった。国が起こした負け戦に参加したらこうなると言う見本。
参加した兵隊単体に迫害を加える社会もおかしいと思うが、ランボーやり過ぎよ。
後、州兵がパートの集まりとは知らなかった。
初視聴。40年間名前が残る作品であるということ。正直舐めていた。
タイトルは知っていたけど実際に見るのは初めて。
アクション寄りの戦争映画かな?くらいの軽~い気持ちで見始めました。
正直、想像以上の面白さでした。
開始10分でもう面白い。物語にどんどん引き込まれる。
ただ、この時点ではまだこの作品を侮っていた。
恥ずかしながらこの作品がただのアクション映画ではないと気づいたのは最後の最後の独白シーン。
物語の途中で私の感じていたことは、例えば坑道を通って逃げおおせたシーンでは、
「夜まで身を隠して逃げればいいんじゃないか?それをしないのはお話の都合?(画的に地味だから?)」
町での大暴れは「主人公の目的は何だ?なぜ町を破壊する?行動原理が分からん」
、、、といった感じ。
なぜ逃げない?
なぜ戦う?
これら全てピントが外れた疑問でした。
ラストに全ての答えがありました。
ランボー、名作でした。
時代を超えた面白さがあると思うので、是非若い世代にも見てもらいたい。
1があまりにも良すぎて路線変更をしたらしい2以降を見るのがちょっと怖い。
大好きなシリーズ。ノーカット字幕放送を心待ちにしていたが…BSテレ...
不朽の秀作
原題はFirst Blood(ボクシングで最初の出血らしい)、間もなくアメリカでランボー5/ラスト・ブラッド(原題:Rambo: Last Blood)が公開されるらしいので観なおしてみた。
ベトナム戦争に関わりたくない、過激すぎるなどの理由で映画会社、俳優からも忌避された映画だったがスタローン自身が脚本を練り直し完成させた社会派アクションドラマの秀作である。
ベトナム帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)、世間の不当な蔑みなどは当時の大きな社会問題になった。間違った戦争だったとしても命令に従った兵士を責めるのはおかしいと感じたスタローンは声なき声の代弁者となったのだろう、満身創痍、骨折4か所の傷を負いながらも映画を完成させた。かっての上官からは戦争が作り出した最高の戦闘マシーンとして語られるがランボーは暴力的ではあるが自衛でありむやみに人を殺すことは避けている、特に同じアメリカ人同士で血を流す愚かさにランボーは苦悩する、全く声を聴かない独善的な保安官、気に入らない男という理由だけで終には軍隊まで動員する執拗さ、やむなく終止符を打つため立ち上がっただけである、公開当時、街の破壊を責める批評家もいたようだが陽動作戦と見て取れる。
ロッキーに続くスタローンの代表作、語るセリフは少ないが鬼気迫る迫真の演技は余人をもって代えがたい。続編は残念ながらメッセージ性を薄めアクション・エンタテインメントに様変わり、それはそれで魅力的だが原点の本作の果たした重さは計り知れない。
《初見時の感想》アクション映画に似せて実は反戦映画。
※2024.10.27. 2回目の、そして映画館では初の鑑賞。
①一昨日(10/25)観た『八犬伝』も別の意味で懐かしかったけれども、此方も監督テッド・コッチェフ、音楽ジェリー・ゴールドスミス、撮影アンドリュー・ラズロ、と如何にも1980年代の雰囲気で懐かしかった。
②テッド・コッチェフは決して巨匠とか名匠とか呼ばれないけれども、『おかしな泥棒 ディック&ジェーン』や『料理長殿、ご用心』、『ノースダラス40』とかどんな題材でもそれなりの佳作に仕立ててしまう70年代や80年代の堅実な演出の職人監督。
③私も歳を取って更に涙脆くなったのかラストシーンには泣かされてしまった。
スタローンは決して上手な役者ではないけれども、本作のラストシーンは彼のベスト演技の一つではないかと思う。
④戦争では人を殺すのは“犯罪”ではなく“任務(Mission)”。
『シビル・ウォー』であった台詞“誰か自分を殺そうとしているから此方も相手を殺すだけだ”という「戦争の正義」という大義の基に戦争に特化して高度な「生身の肉体を纏う戦争マシーン」として造り上げたのがランボーだと言える。
しかし、あまりに戦争に特化された為、平和な世界では受け入れられない。
しかも戦った戦争がアメリカ合衆国が初めて敗戦を喫したベトナム戦争。
国のために戦ったのに
シルベスター・スタローンの代表作の一つで、復員してきたグリーンベレーが警察の嫌がらせに怒りを爆発させる。
当時のアメリカがよく表れており、国のために戦った兵士が、ベトナムに敗けたという結果から冷遇される理不尽さがよく表れている。
このあとはファンタジー路線に。
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