ラ・ファミリア

劇場公開日:

解説

ひとりの男性の74年間の人生を通して、移ろいゆく時代の中で変化してゆくある家族の人間模様を描くドラマ。製作はフランコ・コミッテリ、監督・脚本・編集は「マカロニ」のエットーレ・スコラ、共同脚本はルッジェーロ・マッカリとフリオ・スカルペッリ、撮影はリカルド・アロノヴィッチ、音楽はアルマンド・トロバヨーリが担当。出演はヴィットリオ・ガスマン、ファニー・アルダン、ステファニア・サンドレッリほか。

1987年製作/127分/イタリア・フランス合作
原題または英題:La Familia
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:1990年5月5日

ストーリー

1906年、大家族のひとりとしてカルロは生まれた。1926年、父が死んだ年、カルロは彼が家庭教師をしているベアトリスの姉、アドリアーナに恋心を抱く。弟のジュリオはいつしかファシストになっていた。1936年、カルロはベアトリスと結婚し、パオリーノとマッダレーナのふたりの子供をもうけていた。そんな平穏な日々も戦後一変する。アドリアーナはフランス人のジャン・リュックと婚約し、収容所から戻ったジュリオは家政婦のアデリーナと結婚した。家族が海へ出かけた夏、カルロとアドリアーナは久しぶりにふたりだけのひとときを過ごした。その年、マッダレーナが結婚するが、数年後他の男と駈け落ちした。こうして時は流れていった。カルロの80歳の誕生日、孫のカルテットが親戚たちを全員招待する。そしてカルロはこの長い年月を感慨深くふり返るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第60回 アカデミー賞(1988年)

ノミネート

外国語映画賞  

第40回 カンヌ国際映画祭(1987年)

出品

コンペティション部門
出品作品 エットレ・スコーラ
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映画レビュー

4.0ムッソリーニを生み出した土壌

2023年2月25日
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jarinkochie

4.0「家族」の範囲が広いイタリア

2022年6月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

知的

幸せ

罵り、喧嘩、皮肉、かみ合わない議論、父と娘の言い争い、ビンタ、磁器や陶器を割る!と賑やかで騒々しく、ピアノと歌と朗読と絵画に伴走されて、一人一人が個性豊かな家族が織りなす生の絨毯。その中に散りばめられていることばが星のようでもありナイフのようでもあり美しかった。

大きなお屋敷の中の長い廊下。その廊下の突き当たりの部屋を開けると家族が揃っている。年寄りはその半分も誰が誰だか知ったこっちゃない。若い人は年寄りを把握しているし、年寄りは小さきゃ孫かひ孫だろうと判断する。カルロが生まれたお祝いの家族集合写真で映画が始まり、カルロ80歳の家族集合写真で映画が終わる。

子どもに対しては親としての厳しい顔と言葉。夕食抜きのお仕置きとして子どもらを寝室に追いやってから、大人達だけのダイニングでみんな大笑い。この箇所が私はとっても好きだ。

生まれて成長して勉強して恋をして仕事を持ち結婚し子どもが生まれ、祖父や親や叔母達や配偶者が亡くなり、子どもが大人になって生命が紡がれていく。説教くさい台詞も感傷も蘊蓄も全くない。主人公カルロはじいさんになっても正直で皮肉屋で負けず嫌いで我が儘で優しく魅力的だ。一目惚れの初恋の相手アドリアーナも負けず劣らずきつくて強い。そんな二人の60年以上にわたる付き合いが何だかわかる気がした。

おまけ
映画「ニューシネマ・パラダイス」でアルフレード演じたフィリップ・ノワレ(アドリアーナがパリで知り合ったフランス人役)が出ていました!

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talisman