ラ・ジュテ

劇場公開日:

解説

近未来、廃墟のパリを舞台に少年期の記憶に取り憑かれた男の時間と記憶をめぐる、静止した膨大なモノクロ写真の連続(通常どおり撮影したフィルムをストップモーション処理している)で構成された、“フォトロマン”と称される短編。95年、のテリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」は本作を原案にしている。特殊上映の形で何度か上映はされてきたが、正式な劇場公開は今回が初めて。監督・脚本・撮影はヌーヴェル・ヴァーグ期、アラン・レネ、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダら左岸派(ゴダール、トリュフォーらの活動拠点の“カイエ・デュ・シネマ”編集部がセーヌ右岸にあったため、比較してこう呼ばれた)の代表格の映画作家、クリス・マルケル(「ベトナムから遠く離れて」「サン・ソレイユ」ほか)。製作はアナトール・ドーマン。音楽は「脱出者を追え」(54、ジョゼフ・ロージー監督)「プラン9 フロム・アウター・スペース」(59、エド・ウッド監督※ノンクレジット)のトレヴァー・ダンカン。編集は「帰らざる夜明け」「銀行」のジャン・ラヴェル。美術はジャン=ピエール・シュドル。写真はジャン・シアポー。朗読はジャン・ネグロニ。出演はエレーヌ・シャトラン、ダヴォス・ハニッヒほか。

1958年製作/29分/フランス
原題:La Jetee
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:1999年7月3日

ストーリー

第3次世界大戦後。廃墟と化したパリ。戦争を生き延びた勝者側の科学者たちは、“過去”と“未来”に救済を求めるため、捕虜を使って時間旅行を試みる。彼らはそこで少年時代の記憶に取り憑かれた男(ダヴォス・ハニッヒ)を選び出す。彼は少年時代、オルリー空港の送迎台で、凍った太陽とある女(エレーヌ・シャトラン)の記憶を心に焼き付けていた。注射で過去に送り込まれた男はあの送迎台の女と再会した。続いて未来に送り込まれた男は世界を救うエネルギーを持ち帰った。だが、男はそこでおのれの運命を知った。少年時代のあの日、送迎台でみた光景こそが、自分の運命の終着点だったのだ……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5傑作

2024年2月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

幸せ

WOWOWの公式YouTubeチャンネルで期間限定全編公開しており鑑賞
28分で深く遠く強い確かな愛を表現しきる才能が凄まじい
時代背景やフランス映画の知識が浅く、楽しみきれない自分が憎い
ヌーベルバーグを中心にもっと観ていこうと決心した

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ezio

3.5静止画の連続なので映画なのか…?とか懐疑的にみてたけど、話も短いな...

2024年2月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

静止画の連続なので映画なのか…?とか懐疑的にみてたけど、話も短いながら面白いし
ロマンチックな作品だった。博物館好きにとっては、剥製の博物館のシーンは美しすぎた。

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madu

4.0監督・脚本はクリス・マルケル。 デジタル修復・大塚明夫による日本語...

2024年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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りゃんひさ

3.5写真が魅せる、シンプルで多彩な表現。

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん
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