ヨーロッパの解放

劇場公開日:

解説

第二次世界大戦の全貌を、厖大な物量を投じて描いた作品。全体は五部からなっており、今回は第一部〈クルスク大戦軍戦〉、第二部〈ドニエプル渡河大作戦〉をいっきょ上映。監督はユーリー・オーゼロフ、次席監督はユーリー・クン、脚本は、ジニーコフ元帥の回願録とロコソフスキー元帥の手記をもとに、ユーリー・ボンダリョフ、オスカル・クルガーノフ、ユーリー・オーゼロフが共同執筆。撮影はイーゴリ・スラブネビッチ、美術はアレクサンドル・ミヤーフコフ、音楽はユーリー・レヴィティンがそれぞれ担当。出演は、ソ連劇団の新人ニコライ・オリャーリン、フセヴォロド・サナエフ、「サルタン王物語」のラリーサ・ゴルーブキナ、ユーリー・カモールヌイ、「カラマーゾフの兄弟」のミハイル・ウリヤーノフ、ウラッドレン・ダビードフ、ブフティ・ザカリアーゼ、フリッツ・ディーツ、スタニスラフ・ヤシュキェヴィッチ、Y・ドゥーロフ、「残虐の掟」のイヴォ・ガラーニ、バルバラ・ブリルスカ、ダニエル・オルブリフスキ、Y・ブレンコフなど。カラー、七〇ミリ。

1970年製作/185分/ソ連
原題または英題:ОСВОЬОЖЛЕНИЕ
配給:松竹映配
劇場公開日:1970年7月11日

ストーリー

第一部クルスク大戦軍戦 一九四一年六月、ソ連への侵攻を開始したナチス・ドイツは、四三年二月、スターリングラードの大敗を挽回すべく、クルクス地域で一大反攻作戦を開始しようとしていた。新鋭戦車タイガーの威力テストに臨んだヒットラー(F・ディーツ)は、ソ連軍撃破を豪語した。一方、スターリン(B・ザカリアーゼ)は、ソ連首脳のワシレフスキー元帥(Y・ブレンコフ)、ジューコフ元帥(M・ウリヤーノフ)と、モスクワとの直通電話で話し合い、南部戦線の要衝クルスクでの、絶対勝利を厳命した。激戦をひかえた戦線は、異様に静まりかえっていた。ツベターエフ大尉(N・オリャーリン)、若いワシリエフ中尉(Y・カモールヌイ)等は、予想されるドイツ軍の総攻撃を待っていた。一方、ソ連の前線司令部でも、ロコソフスキー上級元帥(V・ダビードフ)、ジューコフ元帥等が、ひしひしとおそってくる精神的重圧と戦っていた。それから間もなく、広大なウクライナ原野は、凄惨な近代戦の修羅場と化した。巨大なドイツ軍戦車は、たちまちソ連の防御線を撃破し、津波のようにおしよせた。その頃、戦線看護所では、恐怖をおしころし、ゾーヤ(L・ゴループキナ)が、必死に負傷兵の収容に当っていた。重傷のツベターエフは、彼女の健気な働きで、命を救われた。七月十二日、ついにソ連はプロホロフカ村で、ドイツ軍戦車と史上空前の遭遇戦を展開。そして、ユーゴのパルチザンの側面援助をうけたソ連軍は、怒涛のように反撃に転じ圧勝をおさめた。第二部・ドニエプル渡河大作戦 クルスクで凄絶な戦いが展開されている時、米英連合軍はイタリアに上陸。これに呼応しイタリア国内で反フアシストのパルチザンが蜂起し、ムッソリーニ(I・ガラーニ)の失脚をはやめ、九月八日にイタリアは無条件降伏した。ヨーロッパ各地の反ナチ抵抗運動も激化し、特にポーランドのそれは、きわめて凄惨であった。ヘンリック(D・オリブルイフスキー)とヘレン(B・ブリルスカ)も抵抗運動に身を捧げていた。一方、ドイツ軍を猛追していたソ連軍は、難攻不落のドニエプル河畔の防衛線に達っしていた。ソ連軍は烈しい砲火をかいくぐり、ドニエプル河を渡ろうとしていたが、死傷者はどんどんふえていった。連隊長のルーキン大佐(V・サナエフ)も致命傷を負った。ツベターエフは大佐を壕に残し、特攻隊を指揮し、決死の攻撃をしかけた。そして、一人生き残った彼は、炎と煙の中で、自軍の機械化部隊が、ドニエプル河を渡るのを見た。ちょうどその頃、クレムリンでは、スターリンがキエフ奪回を命令していた。深夜の大攻撃に、ドイツ軍はもう陣容を立て直すいとまもなかった。灰色のドニエプル河に夜明けが訪れた。キエフは解放され、奇跡的に生き残ったツベターエフとゾーヤは、戦いの終りにふたたびめぐり逢った。キエフの戦いの終了とともに、イランの首都テヘランでは、ルーズベルト(S・ヤスケビッチ)、チャーチル(Y・ドゥーロフ)、スターリンによる首脳会議が開かれ、各国首脳は知略の限りをつくしていた。それには、明日の世界の命運がかけられていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0無駄に壮大過ぎる戦場シーンの映画だが、ある意味、旧東欧諸国がソ連の支配下に入る瞬間を描いた作品とも…

2024年8月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

旧ソ連の超大作映画としては、
「戦争と平和」や「ヨーロッパの解放」
を思い浮かべるが、
映画館やTV放映で何度も鑑賞した
「戦争と…」とは異なり、
この作品を観る機会はこれまでなかった。
しかし、偶然このDVDを入手出来て、
ようやく観ることに。

ドイツ軍は極悪非道、ソ連軍は人道的という
作風は、いかにも国策感満載の作品だが、
無駄に壮大過ぎる戦場シーンが、
ある意味、そのリアル性をもたらし、
戦争の現実感を伝えていた印象はあった。

また、物語性という点では、
一応、主役らしい男女二人の兵士が
全編を通しで出てくるが、
何のドラマ性も感じない一方、
終戦に向けての連合軍とソ連、
そっくりさんによるそれぞれの
首脳同士の駆け引きの場面は興味深かった。

ところで、
我々は枢軸国側に対する連合国側という
言葉を知っているが、
この映画の中でソ連が英米側を連合軍と
呼んでいたのは、
いずれもドイツが相手ではあるものの、
当初はそれぞれが別の戦争を行っている
ような一面もあったのだろうか。

また、史実とは異なる、
例えば、
・クルクスの戦車戦は、あたかも
ソ連が勝利したかのような描き方だが、
実際にはソ連はドイツの3倍以上の戦車を失う
局地戦としての大敗で、
単に連合軍のイタリア上陸に
ドイツが兵力をこの戦場から
削かなかったからに過ぎなかったこと。
・ポーランド侵攻の際は、
あたかもポーランド兵士と共に
解放に努めたかの描写だが、
実際には、ポーランド国内の抵抗軍と
ドイツ軍を戦わせ、双方が疲弊した
タイミングに侵攻したことは、
一部にボーランド内の共産主義勢力の
協力があったのだとしても、
大局では史実とは
全く相反する内容で、
この映画は、旧東欧諸国がソ連支配下に入る
瞬間を描いた作品とも言えるのかも知れない
と思った。

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KENZO一級建築士事務所

5.0DVD持ってます♥

2024年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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アンドロイド爺さん♥️