勇気ある追跡

劇場公開日:

解説

チャールズ・ポーティスの小説を「5枚のカード」のマーゲリット・ロバーツが脚色「サハリ!」のヘンリー・ハサウェイが監督した西部劇。撮影は「エルダー兄弟」のルシエン・バラード、音楽はエルマー・バーンスタイン、美術はウォルター・タイラーが担当した。出演はジョン・ウェイン、歌手のグレン・キャンベル、新星キム・ダービーほか。製作はハル・B・ウォリス。

1969年製作/アメリカ
原題:True Grit
配給:パラマウント

ストーリー

1880年代のアーカンソン州。マティ(キム・ダービー)は両家の子女にも似ず、気の強い、だが、かわいい少女だった。そんな彼女の父親が、雇人のトムに殺された。マティはためらわず復讐を決意。といっても、1人では、とても無理。そこで雇ったのが大酒飲みで片目のコグバーン(ジョン・ウェイン)と、若くてハンサムなテキサス・レンジャーのラ・ボーフ(グレン・キャンベル)だ。3人は出発した。だが、個性の強い3人ゆえ、平和な道中ではない。特に男2人は反揆し合い、ののしり合う。だが、互いに相手が気骨ある男だということは、分かった。インディアン地区で、マティがトムに捕まえられた。助け出したのはラ・ボーフ。そこへ現れたコグバーン。馬に乗り、手綱をくわえ、拳銃を乱射しながら一味の中へ。だがラ・ボーフがトムに撃たれ、瀕死の重傷。その情景を見たマティが、トムに1発、2発と狙う。しかしながら慣れない銃の扱い。反動で、ガラガラ蛇のいる穴に落ちてしまった。コグバーンはトムを殺し、マティを助け出す。瀕死のラ・ボーフの手を借りて。だが、その直後、ラ・ボーフは息絶えた。コグバーンは、毒蛇にかまれたマティをかつぎ、医師のもとへ大疾走。何頭もの馬を乗りつぶし荒野をひた走る。やがてマティは回復し、命の恩人のコグバーンをみる。だが彼は相変わらずの大酒飲みでヤクザな男だ。それでもいいではないか。だって彼は、死んでしまったラ・ボーフとともに、マティのために、真実の勇気をみせてくれたのだから。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第42回 アカデミー賞(1970年)

受賞

男優賞 ジョン・ウェイン

ノミネート

主題歌賞

第27回 ゴールデングローブ賞(1970年)

受賞

最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョン・ウェイン

ノミネート

最優秀主題歌賞
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映画レビュー

5.0飲んだくれ保安官のジョンウエインが10代の女の子に振り回されるのが...

2023年3月24日
PCから投稿

飲んだくれ保安官のジョンウエインが10代の女の子に振り回されるのが面白い。
ラストのライフルを回しながら馬上で突撃するウエインが見事。

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えいがまん

4.0トゥルー・グリット

2021年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

4.0すっごく面白い

2020年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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吉泉知彦

4.0西部劇は本作を持って一旦終わった

2019年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原題の意味は真の西部劇くらいの意味か
砂と気骨をかけている
邦題が意味するのはジョン・ウェインのことではなく、キム・ダービーが演ずる父の仇を追う少女のこと
彼女もまたやり抜く気骨をみせる

カメラが素晴らしい
西部劇といえば砂塵まう砂漠の荒野、モニュメント・バレーの岩山だが、本作では原題に反してそのような光景はあまりなく、美しい緑の自然に覆われた山河だ
それがとても美しく色彩鮮やかに撮られている

ジョン・ウェイン62歳、キム・ダービー22歳、グレン・キャンベル33歳
冒頭の美しい主題歌の歌声はもちろん有名人気歌手のグレン・キャンベル
楽曲も素晴らしい

ジョン・ウェインは黄色いリボンでは44歳で退役直前の老大尉を演じたが、本作では実年齢で老連邦保安官役を演じている

連邦保安官といっても町々の保安官の立ち入れない先住民居留地などで賞金首を捕まえるのが仕事で、実態は賞金稼ぎと大して変わらない

ジョン・ウェインは歳はとってもアクションも演技も存在感も何かも超一流というのを証明してみせている
クライマックスの4対1の対決のカッコいいこと!
馬の手綱を口にくわえ、右手にピストル、左手にショットガンで左右に発射しつつ敵に突入するシーンは圧巻
彼は本作で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞している
長年の功労賞の意味合いもあったかも知れないが本作を観終わったなら当然だと思うはず

自分としてはそれよりもマティ・ロス役のキム・ダービーに魅了された

少女の設定に見合う小柄で華奢
少女の清潔感はあっても性的な魅力はない
美貌の持ち主でもないが、決して不細工ではなく良く見ると愛らしい
少女らしい赤いジャンパードレスの似合うこと!
頭の回転の早い小生意気ではあるが可愛らしい少女役を素晴らしい説得力で演じている
彼女の配役が成功したからこそ、本作が映画として成立していると言って良い

一方グレン・キャンベルはあまり良いところなし
気骨を見せるシーンもあるのだが、ジョン・ウェインとキム・ダービーの引き立て役に終わってしまう
良いところは冒頭の主題歌だけなのは残念
彼の演ずるテキサスレンジャーのラビーフとマティの淡いロマンスを期待したのに、ラストシーンではなんとおじいちゃんのジョン・ウェインが全部持って言ってしまった

つまり若いものにはまだまだ負けんぞ
若い奴は口ばかりで実力も経験も足らない、それなら気骨くらい見せてみろとジョン・ウェインは言っているのだろう

雪の残る谷を馬で駆け下っていくジョン・ウェイン
その後姿にエンドマークが重なる

それは本当の西部劇はこれで終わりというエンドマークに見えた
何故なら老いたジョン・ウェインが帽子を振って別れを告げて皆の前から去って行ってしまったからだ

何故ラストシーンは冬なのか
西部劇があまり製作されない時代になったことを意味しているのではないか
だから監督はラストシーンが冬になるように撮ったのではないだろうか?

本作が西部劇のエンドマークだったのだ
西部劇は本作を持って一旦終わった
70年代に入って製作された西部劇はジョン・ウェインを中心とする伝統の系譜とは違った形のものになっていくのだ
もしかしたらジョン・ウェインへのアカデミー賞は、彼と共に終わろうてしている西部劇そのものにも贈られたものだったのかも知れない

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