民衆の敵(1931)

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解説

キュベック・グラスモン及びジョン・ブライト合作のストーリーをハーヴェイ・シュウが脚色し、パ社から移ったウィリアム・A・ウェルマンが監督し「天下無敵」のデヴラクス・ジェニングスが撮影したもので、主なる主演者は「地獄の一丁目」「千万長者」のジェームズ・キャグニー、「地獄の天使(1930)」のジーン・ハーロウ、エドワード・ウッズ、ジョーン・ブロンデル、ベリル・マーサー、ドナルド・クック、R・Eオコンナー、レスリー・フェントンの面々。

1931年製作/83分/アメリカ
原題:The Public Enemy
配給:W・B・F・N社

ストーリー

シカゴの町に育ったトムとマットは少年時代から不良性を多分に持っていた。プティー・ノーズという悪党にそそのかされ万引きなど働いていたがトムの母親はわが子のこうした悪癖に少しも気づかなかった。そのうち、2人は年とともに純然たる悪党となりノーズの指図で毛皮泥棒を企てるようになった。だがこれは警官の知るところとなり、失敗に終わった。この時、無情にも彼らを置き去りにして姿を消してしまったノーズの行為は2人をいたく憤らせた。間もなくトムとマットは運輸会社のトラック運転手となり貨物抜き取りの事件からパッディーという大親分に匿われることとなった。世界大戦が勃発し、トムの弟で善良なマイクは出征し戦線において勲功をたてたが、トムは禁酒令の影響により酒が高くなったのをきっかけとし、マットと大々的に政府の倉庫に保管された酒を盗み出す仕事にとりかかった。悪党仲間は酒の密造に力を注ぎ始めた。トムとマットは親分バッディーと共々ネイルス・ネイザンというギャング狩猟の手下となりやはり酒の密造、密売に手を染め出した。自然これは従前からの密売社バッグスの領域を冒す結果となり双方はにらみ合いの間柄となった。この仕事のため多額の収入を得たのでトムは情婦を取り替え、マットは女房を迎えたりした。結婚式はキャバレーで行われた。この時おもいがけなくノーズにめぐり合ったので2人はノーズを追跡して殺害し恨みを晴らした。その後彼らの首領であるネイルスも奔馬のために不慮の死を遂げた。敵の首領の死を知るやバッグス方はこの時とばかり攻勢に出てきた。ある日、トムは暇乞いがてら母を尋ねてみると弟のマイクは廃兵となって帰宅していた。真面目な弟は兄のやくざ渡世を攻めて2人は争った。その頃バックスは機関銃を用いて暴れまわりマットをまず血祭りにあげた。トムは復讐のため単身敵陣へ乗り込んだが傷を負い、病院へかけこんだ。弟のマイクが見舞いに来て2人の中は直った。だが数時間後、トムの冷たくなった屍体は自宅に運ばれた。それは明らかにバッグス方がトムを病院から拐して殺害したものと知れた。兄のこの惨死体を見たマイクの心はたちまちバックスに対する憎悪に燃えた。やにわに手榴弾を手にした彼は決死の覚悟で敵の巣窟に向かった。

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映画レビュー

4.5古典にはまるわけ。

miharyiさん
2021年4月12日
PCから投稿

”汚れた顔の天使”のジェームズ・キャグニーに惹かれてこちらの作品を鑑賞。
特別男前でもないのに、演技が上手く、ラストまで引き込まれますね、この俳優には。

ラストも衝撃的で、現代の作品などは、こういった古典からたくさんのヒントを
貰っているのでしょうね。

CGや音楽で、無理矢理盛り上げなくても、ここまで釘付けな作品が出来上がるとは、
すっかり古典にはまってます。

本作レビューになってなくてすみませんが、作品としてももちろんお薦めな一作です。

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miharyi

5.0恐るべき早口で、それこそマシンガンのように台詞を繰り出すキャグニーの滑舌と仕草、表情は、当時の誰も観たことのないリアリティだったと思います

あき240さん
2020年12月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

邦題は、原題のパブリック・エナミーをそのまま訳しただけのもの

同名のヒップホップグループがいるので、そちらを思い出す向きもあるでしょうが、本作とは関係はありません

「犯罪王リコ」は同年1月公開
「民衆の敵」本作は1931年11月公開
「暗黒街の顔役」は1932年3月公開
どれもワーナーブラザーズの作品

この三作がギャング映画の始祖と言えるでしょう
本作では「犯罪王リコ」のエドワード・G・ロビンソンにも負けないジェームズ・キャグニーの強烈なキャラクターが炸裂しています

サイレント映画の残滓はどこにもありません
現代の映画はこの作品群から始まったと言っても過言ではないと思います
映画のイノベーションだったのです

ヘイズ・コードという米国映画の自主規制は正式には1934年からのことですが、1930年には規制条項が業界紙に掲載されています
つまり検閲を受けることを、作り手側はすでに意識し始めている時期だったと言うことです
だから直接的な剥き出しの暴力をそのまま観せることがないのは「犯罪王リコ」と同じです

しかし本作ではさらに進んで、わざと見せないということで逆に怖さの効果を増すというテクニックに進化させています

直接的な剥き出しの暴力は画面には見えなくとも、展開されているのです
その結果を観て観客はそれぞれがその過程を想像してしまうのです

北野武監督作品のギャング映画が、本作の直系の子孫であることが、本作を観ればすぐに感じ取れると思います

恐るべき早口で、それこそマシンガンのように台詞を繰り出すキャグニーの滑舌と仕草、表情は、当時の誰も観たことのないリアリティだったと思います

土砂降りの雨の中のクライマックスは、「ブレードランナー」の絵作りを思い出しました

絶対に観なければならない映画のひとつです

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あき240

5.0想像させるための省略

ゼリグさん
2018年6月29日
iPhoneアプリから投稿
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共感した! (共感した人 2 件)
ゼリグ
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