枕の上の葉

劇場公開日:

解説

ストリート・チルドレンと彼らが慕う露店商の女性の姿を描いた社会派ドラマ。監督はインドネシアの俊英ガリン・ヌグロホで、日本では映画祭で特別上映されている『一切れのパンの愛』(91)『天使への手紙』(93)『そして月も踊る』(95)に続く監督第4作。製作・主演はインドネシアを代表する名女優クリスティン・ハキム(「チャッ・ニャ・ディン」「眠る男」)。脚本はアルマントノとヌグロホ。撮影はヌルヒダヤット。音楽はジャドゥク・フェリアント。編集はセムトット・サヒッド。共演の少年たちは実際にストリート・チルドレンから選ばれた。

1998年製作/83分/インドネシア
原題または英題:Daun di atas bantal
配給:岩波ホール
劇場公開日:1999年7月10日

ストーリー

1997年。インドネシアの都市ジョグジャカルタ。露店商の女性アシー(クリスティン・ハキム)はバティクを売って得たなけなしの金もやくざな夫に奪われるというむなしい日々を送っていた。そんな彼女が面倒をみているのが、ヘル、スグン、カンチルの3人のストリート・チルドレン。3人は年長のヘルを頭に、残飯あさりや靴みがき、そしてかっぱらいで生計をたて、時々シンナーや朝鮮朝顔でラリったりという生活を送っていた。アシーはそんな彼らのためにお金の入った枕を時々置いておき、3人は母のように慕う彼女の枕を奪い合うのだった。しかし、故郷にいる弟に会うのが夢だったカンチルは枕をもっていた子供からそれを奪い返し、汽車の屋根に上ったがトンネルで頭をぶつけて死んだ。血まみれの枕にショックを受けたヘルは手についたその血を洗い流そうとはしなかった。そんな彼も祭りの日、金を稼ぐためにマフィアの犠牲になり、死体になってゴミ捨て場で発見された。インドネシアでは身分証を持たないヘルのようなストリートチルドレンを騙して殺し、保険金を得るマフィアによる陰惨な詐欺事件が横行していた。悲しみに沈むアシーだったが、ほどなく、露店の首飾り売りの手伝いをしていたスグンは憧れのアシーからもらった茶色のジャンパーを自慢にしていたが、それと同じ色を着た男を探していたマフィアの手であやまって刺し殺された。スグンを埋葬しようとしたアシーは、彼が身分証を持っていないためどこの墓地でも受け入れてもらえないことを嘆き、TVレポーターに訴える。「動物だって埋葬されるのに!」と。3人が死んだ後、彼らが住んだ地区は再開発のため閉鎖された。

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映画レビュー

4.5トラウマ

2016年5月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

10年以上前に観たけれど、未だに忘れられない映画。

もう二度と観たくないけれど、間違いなく観て良かった映画。

裕福層と貧困層の格差が大きいインドの現実、この映画を観なければ、知らないままだった。

「日本でも格差が広がっている。」とTVやネットニュースで流れているけど、大丈夫なのかな…ストリートチルドレンと迄は行かなくとも、様々な事情から家庭を失ってしまうケースは、世界共通。

こんなに残虐な事件が、今も世界のどこかで起きているのかと思うと、怖いし悲しい。

心臓が弱い方には、お勧めしません。(苦しいシーンの連続です。)

思い出すだけで気分の沈む映画は、後にも先にもこの映画だけ。

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おりこう

4.0本物のストリートチルドレン

2012年12月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

かなり昔に観た映画だけど、忘れられない。

最後が衝撃的で実際にこんな社会があるんだ…とショックを受けた記憶が…

主演の子供の笑顔が忘れられない。

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ぴよぴよ