マカロニ

劇場公開日:

解説

初老の年代にさしかかったアメリカ人とナポリ人の二人の男の再会を通して自分の過去をふり返り老後を考える彼らの姿を描く。製作はルイジ&オーレリオ・デ・ラウレンティスとフランコ・コミッテリ、監督は「ル・バル(1983)」のエットーレ・スコラ、原案・脚本はスコラとルッジェーロ・マッカリ、フリオ・スカルペッリ、撮影はクラウディオ・ラゴーナ、音楽はアルマンド・トロバヨーリが担当。出演はジャック・レモン、マルチェロ・マストロヤンニほか。

1985年製作/106分/イタリア
原題または英題:Maccheroni
配給:シネセゾン
劇場公開日:1988年9月10日

ストーリー

アメリカの航空機メーカーの副社長ロバート(ジャック・レモン)は、イタリアに対して抱いている偏見から、嫌でしかたないナポリの滞在に加えて妻との離婚訴訟などの諸問題を抱え、すっかり疲労で落ち込んでいる。そんなある日、今から40年前に若きアメリカの兵士としてこの地にやってきた彼がアメリカに帰る前に恋していたマリアという娘の兄アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)がロバートを訪ねてやって来るが、彼は侮蔑的な態度でアントニオを追い返してしまう。思い直して彼の街を訪ねてゆくロバートは、アントニオのまわりの人々が皆自分のことを知っていて、英雄として迎え入れるのに唖然とする。40年ぶりに再会するマリアは孫達に囲まれて幸せそうだった。そして彼女は、ロバートに彼が世界中のあらゆる所からマリアに向けて送ったという、素晴らしくも向こうみずな彼の冒険談を書き綴った手紙で一杯の箱を見せた。実はそれらは、初めは妹を慰める為、アメリカ人がナポリに戻らぬ理由を説明するつもりでアントニオが書き続けた手紙だったのだ。ところが彼の意に反して手紙の読み手は広がってゆき、いつの間にか彼らがそうありたいと思う素晴らしい性格の持ち主のロバート像ができあがってしまっていたのである。真相を知ったロバートは驚き、虚像から逃れようとするが、次第にアントニオという人物の温かみ、夢、信じる心、友情といたったものがロバートにも解り出し、やがて自分も夢のように生きてみたい、と考えるようになっていた。ロバートがアメリカに帰る時がやってきた頃、突然アントニオの息子とナポリの犯罪組織の間にトラブルが起きる。今こそ本当の英雄的行為とまではゆかなくとも、何とかアントニオを窮地から救い出すことに成功する。二人の間に深く温かい友情の思いが流れるのもつかの間、アントニオが病いに倒れた。看護も空しくロバート達に見守られ今まさに息絶えんとする時、アントニオの手に握られた一本の糸によって結ばれた戸外の鐘が高らかに鳴り始めるのだった……。

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映画レビュー

5.01時に鐘が鳴る、鳴る、鳴る

2022年6月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

すごく良かった。マストロヤンニの真面目なおかしさ、ハンサムゆえに余計笑える。神経質でいかにものアメリカ人・ビジネスマンのボブ(ジャック・レモン、最高)、不信感丸出し、嫌々、だんだん、ジワジワ、ピョンピョン、ルンルン、そしてしみじみとナポリに馴染みアントニオと彼の周囲を愛しく思っていく変化が素晴らしい。芸達者二人の会話と演技に魅入られました。

アントニオの周りの人間全員が知っているアメリカ人のボブ!お腹が痛くなるほど笑えた。あの大量の手紙!40年間ついこの間まで書き続けマリアに送られた手紙はどんな事実より真実で、家族への愛とボブへの思いと友情に溢れている。その「書く」行為は40年前の若かった頃を忘れないため、これからさらに生きるためだったのだと思う。

いい映画だった。見て良かった。

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talisman