「オードリー、オードリー、オードリー⭐️」マイ・フェア・レディ Birdさんの映画レビュー(感想・評価)
オードリー、オードリー、オードリー⭐️
この作品、かなり長い間オードリーの吹き替えのことで割りを食ってましたね。
やーっと殿堂入りの感があります。
なんといってもオードリーの神々しいばかりの美しさ。
ため息が出ます。 原作者のバーナード・ショーがラストに
最後まで難色を示した、と聞いても若い頃はあれでいいじゃん、と
特に気になっていませんでしだが、最近見直してみて、
あ〜、とやっと自分の違和感を納得しました。
この映画、イライザのサクセスストーリーのようにできていますが、
実際にはあちこちに、ものすごい皮肉が描かれています。
階級社会に対してが1番わかりやすいのですが、他にも
ヒギンズ教授本人の無自覚な性差別。
差別はバカバカしいと言っておきながら、自身の女性に対する態度の
無頓着。 歳を取ればとるほど、彼の態度にイライラします。
「踊り明かそう」のシーンも、本当はヒギンズ教授に対する恋心を
歌っているのに、なんかその前のシーンからの続きで
上手く出来てうれしかった、みたいなだけになってしまい。
なんか、昔からこの映画、恋愛ムードがカケラもないなぁと感じていました。
脚本のせいでしょうか? いえ、ほぼショーの原作そのままに描かれているので、
ショー自身にも、あまりそういう意図はなかったのかも。
そして、ヒギンズ教授がもつ例の完璧なまでの音声学。
あれも実は最後にあんなものがあったって心が通い合わなければ
ただのクズでしかないという、そこまで描かれているわけで、
without you のシーンで、イライザとヒギンズの立場がガラッと変わる
瞬間、びっくりしました。
ここまでくれば、やっぱりラストはショーの原作、いえ、
現代で、もしリメイクがあるとすれば、イライザは誰とも一緒にならず、
自立の道を選ぶでしょう。 なんか全然違うミュージカルになっちゃいますけど。
そんなのありえないほど、もう「マイフェアレディ」といったら
オードリーのあの大きなリボンのドレスが目に浮かぶほど、
この作品はオードリーの「マイフェアレディ」でしたね。