ホワイト・バッジ
劇場公開日:1993年6月12日
解説
韓国人によるベトナム戦争映画。同盟国のアメリカのために一万人余の兵士を派兵した韓国の、その後の苦悩を描く。一九九二年東京国際映画祭のグランプリ・最優秀監督賞を受賞した。また、アン・ジュンヒョの同名小説は、米国ですでに発売されていて、ニューヨーク・タイムスなどでは高い評価を得ている。監督は「南部軍」のチョン・ジョン。製作はクク・ジョンナム。脚本は監督を含めたコン・スヨン、チョウ・ヨンチェル、シム・スンボなど。撮影はユ・ヨンギル。
1992年製作/韓国
原題または英題:White Badge
配給:シネカノン
劇場公開日:1993年6月12日
ストーリー
韓国朴大統領暗殺のニュースが報じられていたころ、ハン・キジュ(アン・ソンギ)は、ベトナム参戦の体験を元にした小説を書こうとしていた。しかし、戦争の記憶を掘り起こすことは、想像以上につらいことであり、何日も筆の進まない日が続くのであった。そんな時、かつての戦友、ピョン・ジンス(イ・ギョンヨン)から連絡を受ける。久しぶりに会った旧友は、精神的に破綻していた。そんな彼を見ながら、ハンは戦時中の日々を克明に思い出していく。外貨を稼ぐために出向いた兵士たちの姿や、普通の若者であった彼らが、実際の戦いで次第にベトコンと農民の区別もつかなくなり、精神的におかしくなっていくようすなど、それはまさに地獄絵であった。ピョンの精神的破綻も、そんな悲惨な戦争の背景と、それを命じた上官への憎しみから来ていた。ハンの記憶は、終戦とともに途絶える。外では民主化運動がデモに攻撃されていた。それを見たピョンは、自分がいま、ベトナムにいるのか、韓国にいるのか区別がつかなくなる。ハンは、友人の記憶の中にあるベトナム戦争を、彼を殺すことによって終わらせてやる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チョン・ジヨン
- 脚本
- コン・スヨン
- チョン・ジヨン
- チョウ・ヨンチェル
- シム・スンボ
- 製作
- クク・ジョンナム
- 撮影
- ユ・ヨンギル
- 美術
- Cho Young Sam
- 音楽
- Sin Byung Ha
- 録音
- Lee Young Kil
- 編集
- Park Duck Yeol
- 衣装デザイン
- Lee Hae Yoon
- 字幕
- 青木謙介