星の王子さまを探して サン=テクジュペリ 魂の軌跡
劇場公開日:1996年9月21日
解説
20世紀フランス文学を代表する作家の一人アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900~44)の生涯を、その作品のなかでも最もポピュラーな童話『星の王子さま』(邦訳・岩波書店)をモチーフに、ゆかりの人々のインタヴューと劇的再現で綴るドキュ・ドラマ。監督はBBCのディレクター出身で、これが初の劇場用長編となるアーナンド・タッカー。ポール・ウェブスターのサン=テグジュペリの伝記『星の王子さまを探して』(邦訳・角川文庫)を基に、フランク・コトレル・ボイスが脚本を執筆。出演は「ベルリン・天使の詩」「夜ごとの夢」の名優ブルーノ・ガンツ、「ダメージ」のミランダ・リチャードソンほか。
1996年製作/86分/イギリス
原題または英題:Saint-Ex
配給:エース ピクチャーズ=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年9月21日
ストーリー
1944年7月31日早朝、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(ブルーノ・ガンツ)は偵察飛行に出発し、そのまま消息を絶った。その直前に書かれた最後の手紙が、ニューヨークに住む妻コンスエロの元に届いた_。1900年生まれのアントワーヌは、少年時代、自邸の地所に不時着した飛行機を見て、心を引かれた。アントワーヌと仲良しの弟フランソワは空を飛ぶことに憧れたが、フランソワはまもなく病死する。少年アントワーヌは弟に描いてやった空を飛ぶ少年の挿絵を、そっとシーツ戸棚のなかに隠す。成長したアントワーヌは郵便飛行士となって世界中を飛び回っていた。没落したサン=テグジュペリ家のために母や姉は彼が裕福な名家の女性と結婚することを望んでおり、小説を発表してからは社交界でも人気があったが、しかし彼はその世界に馴染めない。31才のとき彼はアルゼンチンでコンスエロ・カリーリョ(ミランダ・リチャードソン)に出会い、恋に落ちる。二人は家族の反対を押し切って結婚した。だが飛行士として命を危険に晒し、いつも留守にしているアントワーヌにコンスエロは幻滅し、やがて単身パリに移住、愛人の噂も絶えないようになる。1935年、パリ_サイゴン間の無着陸懸賞飛行に挑戦したアントワーヌはサハラ砂漠に不時着、そこで弟フランソワの幻影を見る。38才のとき、事故で重傷を負った彼は一時飛行士の仕事を引退し、著述に専念しようとする。第2次大戦の勃発で、彼は偵察機のパイロットに志願する。だがフランスは敗北し、夫妻はアメリカに亡命。ニューヨークでアントワーヌは小さな星に住む少年の童話と挿絵を書きはじめた。その少年の絵には、かつてフランソワのために描いた空を飛ぶ少年の面影があった_。アントワーヌは自由フランス軍に参加して再びパイロットとして戦場に向かう。そして1944年7月31日、運命の飛行に飛び立った。生前のアントワーヌを知っていた人々や、生地サン・モーリス・ド・レマンの町長が、彼の思い出や、現在に残るその足跡について語る。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アーナンド・タッカー
- 脚本
- フランク・コットレル・ボイス
- 原作
- ポール・ウェブスター
- 製作
- ジェイク・ロイド
- 撮影
- デビッド・ジョンソン
- 字幕
- 石田素子