砲艦サンパブロのレビュー・感想・評価
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スティーブン・マックイーンとキャンデス・バーゲンの代表作
ニコラス・レイの「北京の55日」に続く混乱の中国を舞台にしたハリウッド映画。満州事変の数年前の時代背景で、西洋列強の植民地争いが激しいとき。 この企画は、スペクタクル映画に活路を見出す興行目的が最優先だったと想像します。でも監督がロバート・ワイズの御蔭で社会派映画の佳作になった。 マックイーンとバーゲンが素晴らしい。「荒野の七人」や「大脱走」のアクション映画のマックイーンも颯爽とかっこいいが、男らしさに独特の寂寥感の漂う「シンシナティ・キッド」や「パピヨン」のマックイーンもいい。その中でこの作品のマックイーンが一番役柄にマッチしているのではないか。デビューしたてのバーゲンは、この時二十歳の若さながら、確かな演技力を身に付けています。鼻から顎にかけてのラインが美しい、横顔美女の第一人者。後に監督業も兼ねたリチャード・アッテンボローと日系アメリカ人俳優マコ岩松も存在感ある好演を遺して、大味になりがちな当時のハリウッド映画大作では魅力的な作品だ。歴史の真実より、人間ドラマの価値がある、好きな作品。
正しいことを行うことが幸せな結果にはならない、その虚無感が深い余韻を残します
マックイーンが主演ですが、娯楽映画ではありません 戦争映画でもありません カタルシスも得られません 見終わった後に広がるのは暗澹たる重い気分です しかし3時間強もの大作にもかかわらず、短く感じられるほどなのです 間違いなく名作です マックイーンの演技力はブリッドを上回るものです 正しいことを行うことが幸せな結果にはならない、その虚無感が深い余韻を残します 主人公も、フレンチーも、艦長も、乗組員も、中国人も、宣教師も それぞれがみんな正しいと信じることをやるのです それがこのエンディングを迎えるのです 本作製作の時代のベトナム戦争も、湾岸戦争も、対テロ戦争も、イラク戦争も、恐らくこれからもあるであろう戦争もそうなのでしょう 永遠の生命を持つ映画であると思います
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