ベン・ハー(1959)のレビュー・感想・評価
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寓話の世界を楽しもう!こんな事あったら、世界は良くなるって言いたいのだろうな!
『ユダヤの者は汚れたままだ。この土地を洗い清めるしかない』
『争いは永遠に続きます 敵を愛せ 貴方は何も分かち合えませんか 悪の化身になって敵を倒すおつもりですか』そう諭す女性の考えは
キリスト教の考えそのものでしょう。つまり、ユダヤ教もローマも駄目だ。これからはキリスト教だ。と言って、大団円を迎える。という事だ。しかし、大団円を迎えたはずの世界は平和にならないし、イスラエルだけでなく、世界中が、悪の化身になっている。
ここで言うローマはイタリアムッソリーニ。『ハイル!ムッソリーニ!』アラブもキリスト教を信じれば、良かったのにと言っている様だ。
実は、原作があるのは知っていたが、モデルになっている歴史的人物がいると思っていた。しかし、全くのフィクションと知って、少し驚いた。
つまり、全くの寓話!ハリウッドも凄い!寓話にこんなに金かけるんだからね。
ガキの頃見て、ユダヤ人のマイノリティが、『キリスト教にこうやって改宗したんだ』と思っていた。しかし、それが寓話だったとは。ショックです。
素晴らしい!!
コロナ渦の中、公開延期が続出…というわけで、過去のワーナー傑作を劇場で!
なんと千円で観られる企画デス。
60年前の作品、確かに古臭さはありますが、起承転結、安心感あります。CGの無い時代に船の戦闘や馬のシーンなど、どうやって撮影したのだろう?エキストラは一体何人?
終盤はイエス・キリストが登場して…
こんなに宗教色が強いとは知りませんでした。
素晴らしい映画なので一度観て観て下さいm(_ _)m
スペクタクルの全てが詰まっている!
第32回米アカデミー賞作品賞受賞作。
Blu-ray(製作50周年デジタル・リマスター版)で鑑賞(吹替)。
親友に濡れ衣を着せられ、奴隷に落とされてしまったベン・ハーの復讐劇を、壮大なスケールで描いた超大作。
ハイライトの戦車競争の迫力たるや、何者にも負けない凄まじさを誇っていて、本物だからこそ醸し出せるスリルに手に汗握まくりの名場面だなと思いました。俳優もスタントマンも命懸けで挑んだのだろうし、その気迫と情熱がそのまま役柄の想いと重なって、画面から迫って来るように感じました。
それに、コロシアムのセットのスケールがえげつないなぁ、と…。今ならCGを使えばちょちょいのちょいなのでしょうけれど、実際につくり、観客のエキストラも用意して撮影されていました。これが大スクリーンに映し出されていた当時、映画館で観られた人がめちゃくちゃ羨ましいなと思いました。
そして、映画にこれだけ多額の資金を掛けられるハリウッドよ…。素晴らしいし、これまた羨ましい…。スペクタクルの真髄を見せられたようで感無量! 昔から培われて来た手法が連綿と引き継がれ、新たな才能と結び付いて進化しながら今日まで来ているのかと考えると、涙がこみ上げて来ました…
「モンテ・クリスト伯」しかり、どん底から這い上がって、自分を貶めた者への復讐を果たすという物語は、誰の心にも熱く語り掛け、主人公への並々ならぬ共感を呼ぶものだと思います。ガレー船の災禍を生き残り、戦車競争を征して復讐を果たしたベン・ハーでしたが、それだけで終わらないのが、本作のもうひとつの面白いところでございます…
原題の副題「イエス・キリストの物語」が示す通り、キリストとの邂逅を経て救いと赦しを悟る様が、宗教色が強いと難色を示す声が多いながらも、個人的にはとてもしっくり来るようで、心が洗われました。復讐に蝕まれていた心が浄化され、眼前に示された奇跡と共に、壮大なスケールを誇る物語を締め括るに相応しい叙事詩的な感動を覚えました。
This is the day. Vi va! キリスト教
映画好きの端くれとして名作と言われてる昔の映画もたまには観るようにしているのですが・・・本作も観るのがしんどかったです。昔の映画だから仕方ないのですが古臭い演技や演出って不自然過ぎて観てて辛いです。更に無駄に長い!余裕でもう1時間は削れるでしょうに。
そして、宗教色が鼻に付きます。最後のキリストさんが死んで病気が治った描写は思わず笑ってしまいました。マジないわ~。ガレー船の戦闘シーンが明らかにおもちゃだったのも「古いから仕方ないよね」と思えたのですが、何故だか奇跡がおきて病気が治るとかキリスト教推しの展開に失笑しか起きませんでした。キリスト教徒でもない人間の視点から観ると「これだけダラダラやってそんなオチかい!」っとツッコミの1つも入れたくなります。
見所のはずの戦車戦もCGもなくカメラも大きかった時代に頑張って撮ったんだろうなぁっとは思いましたが、そんなに言うほど迫力ないです。一応4Kテレビであり、5.1チャンネルスピーカーで家庭で映画を観るには良い方の環境だとは思いますが、それでもあまり迫力は感じられませんでした。そして、意外とアッサリ終わります。
やっぱり映画って公開された時代に生きていたからこそ楽しめるもんだよなぁって事を改めて感じた作品でした。もし若い方でこの作品にチャレンジしようと思ってる方がいたら「映画好きを名乗るための苦行」と覚悟して観る事をオススメします。
主役はキリスト
長編なので、なかなか腰を据えて鑑賞する機会がありませんでしたが、ようやく。
まず驚いたのが、映像がとても色鮮やかなこと。美術セットや小道具は、いかにもチープな所がありましたが、色使いがセンス良くて上手いと思いました。そして白馬達の美しいこと!人懐っこくて良く調教されていました。
Judah Ben-Hurが主役の物語部分は、素晴らしかったです。映像の配色だけでなく、内容が現在でも全く色褪せていません。あまりにトントン拍子な出世でしたが、映画史に残る傑作と呼ばれることに納得しました。
よく分からなかったのは奴隷の描き方。時代は違いますが、例えば"Agora"では、奴隷と自由人との差が明確でした。こちらでは、囚人の扱いは最悪として、奴隷と使用人・家政婦の差があるのか、所有者の判断によっては養子にもなり得てしまうのか、奴隷と自由人の生活に、そこまで高い垣根はないように見えました。
映画はChristの誕生から始まり、磔と復活寸前?で終わっています。正直私はBen-Hur冒険人生の部分だけが好きです。でもこの作品全体の主役は、副題通りChristなんですね。Ben-Hurの波瀾万丈な物語でChristとの接点はわずかですが、スクリーンに登場していなくても、イエス様は全部見てましたよ、ということなんでしょうね。
Ben-Hurが復讐の鬼と化すのを防ぐのは、レースの勝利により成功した敵討ちでも、女性の愛でもなく、Christの慈悲でした。汝の敵を愛せ、愛は憎しみに勝つと言うChrist。一方、ローマ人としての義父となるArriusは、戦艦内で "Hate keeps a man alive. It gives him strength."と、憎悪こそエネルギー源だと語っています。終盤、Ben-HurはArriusの指輪を手放して、Christを崇めるようになっていきます。こんな辛い目にあった人もChristにより正しい道へ諭されるというのがテーマなんだと思いました。ハンセン病が治癒する奇跡のハッピーエンドも、全てChristのお陰という訳です。
Christ役の人はクレジットされず、顔も声もないので、信者達のイメージを壊すことがなく、キリスト教圏には受け入れられやすかったのでしょう。詳細に描いたMel Gibsonの "The Passion of the Christ" の方はめちゃくちゃ物議を醸しましたね。
ラストが…
どうなるんだろう!?で最後まで集中力がきれることなく見ることができるのは、さすが名作…という感じでした
音楽もよかった。
それに当時今のようなCGもなく、壮大なセットや撮影ができたことがすごい
特に奴隷船のシーンは奇跡と偶然が重なり主人公は奴隷から抜け出せるのに、
まだ残りの奴隷達は暗い船底で漕ぎ続ける…というシーンが印象的だった。
主人公の数奇な運命は大変面白かったのですが、最後は、え!?一体なんだったんだろう…?と呆気にとられる
何とも言えない後味の映画。
キリストあっての映画だということはわかるんだけど、
別にキリストいなくても十分おもしろかったのに。
逆にリアリティーがなくなったなあ~と感じてしまった。
でもキリストのシーンは神秘的でとてもよかったんですけどね。
アカデミー賞11部門獲得の映画史に残る傑作だそうです
総合50点 ( ストーリー:30点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
言わずと知れたアカデミー賞史上最多11部門に輝く映画史に残る大傑作なんだそうです。これだけキリスト教の素晴らしさについて描いているのに、アメリカだけでなく不思議なことに日本でも高く評価されているようだ。
だが私は好きではない。若いころに見てつまらなかったと思ったが、それからずいぶんと時がたって見直してみてもやはり好きにれなかった。
何かと宗教が絡んできて物語の底流にはキリスト教の教えがつきまとう。19世紀のアメリカ文学が原作だが敬虔深い人によって書かれたのだろう。苦難に直面するベンハーが生き延びるのも神の意志のようだし、疫病の家族は元気そうに生きているし特に見た目がむごいこともなく、結末のお目出度さにいたってはまるで聖書でも読んでいるかのようで呆れ返った。キリスト教徒の少ない日本でもこれが高い評価を得ているというのが意外である。
無罪なのに罪を問われるという物語の構成は中盤までは「岩窟王」と似たようなものだが、3年間もガレー船の地下で過ごした辛酸などもあまりにあっさりと描かれていて、苦労の様子や心に燃え滾る復讐心や執念も伝わってこない。奇跡が起きて問題が解決するのならば人間は苦労などする必要がないし、敬虔深さからは程遠い私はこんな安直な物語は嫌いである。超自然な力で人々が救われるのではなくて、人間としての生き様を最後まで見せてほしいものだ。
古い映画だからすべて実写なのはいいのだが、セットは作り物感があるものもある。馬車競技やたくさんの人々が登場する場面などに観るべき点もあるが、映像だけならば他にもすごいものはある。映像に引き付けられるというほどでもなかった。
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