「スペクタクルの全てが詰まった傑作」ベン・ハー(1959) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
スペクタクルの全てが詰まった傑作
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第32回米アカデミー賞作品賞受賞作。
Blu-rayで鑑賞(吹替)。
全てにおいて、比類無きスケールを誇る超大作だ。CGの無い時代、全てセットと特撮で表現された映像は、実物だからこそ醸し出せる迫力に満ち、圧倒的なスリルを齎してくれる。
ハイライトの戦車競争はまさに名場面で、俳優もスタントマンも、命がけで挑んだシーンであろうし、気迫がそのまま役柄の抱く想いと重なって画面から迫って来るように感じた。
「モンテ・クリスト伯」しかり、どん底から這い上がって自分を貶めた者へ復讐を果たす物語は、誰の心にも熱く語り掛け、主人公への並々ならぬ共感を呼ぶものだと思う。
復讐を果たしたベン・ハーだったが、単にそれだけで終わらないのが本作のもうひとつの面白いところであろう。
原題の副題「イエス・キリストの物語」が示す通り、キリストとの邂逅を経て救いと赦しを得る様に(宗教色が強いと難色を示す声が多いながらも)心が洗われた。復讐に蝕まれていた心が浄化され、眼前に示された奇跡と共に、壮大なスケールの物語を締め括るに相応しい叙事詩的感動を覚えた。
[以降の鑑賞記録]
2025/03/01:Blu-ray(吹替)
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