蛇の穴
劇場公開日:1950年3月7日
解説
「私は殺される」「栄光の都」のアナトール・リトヴァクが製作・監督した野心作で、メアリー・ジェーン・ウォードの自伝小説の映画化である。脚本は「愛のあけぼの」のフランク・パートスとミレン・ブランドが共同執筆した。撮影は「淑女と拳骨」のレオ・トーヴァーで、音楽はアルフレッド・ニューマンが作曲した。なお製作にはリトヴァークにロバート・バスラーが共同している。主演は「遥かなる我が子」「暗い鏡」のオリヴィア・デ・ハヴィランドで新人マーク・スティーヴンス、「青の恐怖」「ヘンリー五世」のレオ・ゲン、「紳士協定」でアカデミー助演賞を得たセレステ・ホルムが共演するほか、グレン・ランガン、ヘレン・クレイグ、ビューラ・ボンディ、リーフ・エリクソン、リー・パトリック等が助演している。
 1948年製作/108分/アメリカ
原題または英題:The Snake Pit
配給:セントラル
劇場公開日:1950年3月7日 
あらすじ
ロバート・カニンガムはジュニア・ヒルス精神病院に、ドクトル・キックを訪ねて、入院している妻ヴァジニアと面会させてもらった。美しかった彼女の顔は石の様に無表情で、ロバートを忘れているばかりか、凡ての記憶を失い、自分がカニンガム夫人であることも知らない。ヴァジニアを病室へ帰すとロバートはキックに、結婚前後の詳しい話をした。彼がはじめてヴァジニアに会ったのは、彼の勤め先のシカゴの出版会社であった。彼女は原稿を売りに来たのであった。それから交際するうちに、ロバートは彼女を愛する様になったが、急に彼女は姿を消してしまった。それから6カ月後、ロバートは、ニューヨークで偶然ヴァジニアに再会した。そして親交を新たにした彼は結婚を申し込み、なぜか余り乗り気でない彼女と結婚して数日後、ロバートは新妻が発狂しているのに驚いたのであった。キックはそれだけの話では原因が分らないと云い、電撃療法を施すのに彼の同意を求めた。数回の施療でヴァジニアはようやくキックを信頼するようになったが、自分が結婚していることはなお思い出せず、何かしら過去に恐怖を抱いているらしかった。忍耐強いキックの努力で、幼児のショックが精神錯乱の遠因であることが分った。かくて表面的に小康を得たのを見るとロバートは、退院試験を彼女に受けさせるよう頼んだので、キックは時期尚早とは知りつつ受験させた。果してテストを受けるとヴァジニアは烈しい恐怖に捕われ、再び発狂してしまった。キックは再び治療を初めからやりなおさねばならなかった。彼の誠意と努力により殆ど正常に戻ったヴァジニアは、キックに対する信頼から、1歩進んで愛情を捧げるに至った。キックを慕っている看護婦デーヴィスは嫉妬のあまり、キックの外出中、少しく精神異状を呈したヴァジニアを33号室に放り込んだ。それは俗に蛇の穴と呼ばれる凶暴患者の雑居病室である。周囲の狂態を眺めて、反射的にヴァジニアは自己を取り戻すことができた。過去も、ロバート・カニンガムと結婚していることも、キックの診療で回復したことも、薄紙をはがすように明瞭となった。退院テストにも難なくパスした。ロバートに迎えられて退院する日、ヴァジニアはキックに礼をのべた。なおったことがよく分りますのよ、私はもう先生を愛していないんですもの。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アナトール・リトバク
- 脚本
- フランク・パートス
- ミレン・ブランド
- 原作
- メアリー・ジェーン・ウォード
- 製作
- アナトール・リトバク
- ロバート・バスラー
- 撮影
- レオ・トーバー
- 音楽
- アルフレッド・ニューマン
-    Virginia_Cunninghamオリビア・デ・ハビランド 
-    Robert_Cunninghamマーク・スティーブンス 
-    Dr._Kikレオ・ゲン 
-    Graceセレステ・ホルム 
-    Dr._Teryグレン・ランガン 
-    Miss_Davisヘレン・クレイグ 
-    Gordonリーフ・エリクソン 
-    Mrs._Greerボーラ・ボンディ 
-    Asylum_Inmateリー・パトリック 
-    Dr._CurtisHoward Freeman 
-    Mrs._Stuartナタリー・シェイファー 
-    Ruthルース・ドネリー 
-    Margaretキャサリン・ロック 
-    Dr._Giffordフランク・コンロイ 
-    Miss_Hartミナ・ゴンベル 
-    Virginia_(Age_6)ローラ・リー・ミッシェル 
-    Mr.StuartDamian O'Flynn 
受賞歴
第10回 ベネチア国際映画祭(1949年)
受賞
| ボルピ杯(最優秀女優賞) | オリビア・デ・ハビランド | 
|---|---|
| 国際賞 | アナトール・リトバク | 
第21回 アカデミー賞(1949年)
受賞
| 音響録音賞 | 
|---|
ノミネート
| 作品賞 | |
|---|---|
| 監督賞 | アナトール・リトバク | 
| 女優賞 | オリビア・デ・ハビランド | 
| 脚色賞 | フランク・パートス ミレン・ブランド | 
| 作曲賞(ドラマ/コメディ) | アルフレッド・ニューマン | 

 
   
  
 
 ラ・ラ・ランド
 ラ・ラ・ランド 君の名前で僕を呼んで
 君の名前で僕を呼んで 糸
 糸 愛がなんだ
 愛がなんだ ウィキッド ふたりの魔女
 ウィキッド ふたりの魔女 ラストレター
 ラストレター 恋は雨上がりのように
 恋は雨上がりのように ぼくは明日、昨日のきみとデートする
 ぼくは明日、昨日のきみとデートする フォルトゥナの瞳
 フォルトゥナの瞳 キャロル
 キャロル 
 





