ペーパー・チェイス
劇場公開日:1974年3月9日
解説
ハーバート大学を舞台に、エリート・コースを邁進する学生が身を持って体験する試験地獄と愛を描く。製作はロバート・C・トンプソンと21歳の新人ロドニック・ポール、監督・脚本は「受胎の契約 ベビー・メーカー」のジェームズ・ブリッジス、原作はジョン・ジェイ・オズボーン・ジュニアが自らの体験を綴った同名小説。撮影はゴードン・ウィリス、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、編集はウォルター・トンプソンが各々担当。出演は「ジョニーは戦場へ行った」のティモシー・ボトムズ、リンゼイ・ワグナー、ジョン・ハウスマン、グラハム・ベケル、エドワード・ハーマン、ボブ・リディアード、グレイリチャード・ネルソン、ジェームズ・ノートン、レジーナ・バフ、デビッド・クレーン、レニー・ベーカーなど。
1973年製作/アメリカ
原題または英題:The Paper Chase
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1974年3月9日
ストーリー
ハート(ティモシー・ボトムズ)は、ハーバード大学法学部の秀才だった。出世コースに乗るための最大難関である冷厳な主任教授キングスフィールド(ジョン・ハウスマン)のおめがねにかなうよう、勉強にはげんでいた。級友のフォード(グラハム・ベケル)やケビン(ジェームズ・ノートン)と共に研究グループを作ったりもした。そんなある夜、ハートが大学から帰る途中、校庭でスーザン(リンゼイ・ワグナー)という見知らぬ娘から声をかけられた。誰かにつけられている、という。ハートは彼女を家まで送り届けた。以来、2人は急速に親しくなっていった。スーザンは彼をドライブに連れ出したりして、法学部のことを根掘り葉掘り聞きだそうとする。キングスフィールド教授はある夜、教え子たちを自宅に招き、懇親会を開いた。ハートも招かれ、計らずもそこでスーザンに会った。スーザンは教授の娘だったのだ。ハートが、今まで偽名を使って自分をだましていたことを責めると、スーザンは、ある法科の学生と結婚したが今は別れ、男はヨーロッパにいると告白した。そんなことがあってからも2人は交際を重ね、いつしか肉体関係をもつようになった。だが、2人は背後に絶えず威圧するような彼女の父を意識しないわけにはいかなかった。ハートとスーザンが彼女の家で密会したとき、キングスフィールド教授が帰宅した。ハートは裏口から逃げ出す、そんなこともあった。やがて、研究グループの結束がゆるみ始め、ハートとフォードは冒険をやってのけた。法学部の図書館に忍び込み、キングスフィールド教授がハーバードの学生であった頃のノートを読んだのだ。そこには、2人が期待した深い学識のあとは見出せなかった。それは自分たちのノートと同じように、よい成績をとろうとしてあくせくとったノートにすぎなかった。ハートとスーザンのロマンスは、キングスフィールド教授に水をさされながらもなんとか存在した。やがて学期末、ケビンは妻アシュレー(レジーナ・バフ)とのいさかいがひどくなり法学部から脱落した。ハートとフォードはホテルに篭城し、1週間寝食を忘れて試験勉強に熱中した。最終試験も無事終わり、ハートはキングスフィールド教授のところに挨拶に行った。だが教授はハートの名さえ覚えていなかった。彼は教室のデスクに備えてある学生の写真入りの座席表で学生の名を呼ぶだけだった。ハートは試験地獄のために、人間的な何かを忘れたことに今さらながら気づいた。成績が発表されるまでの間、ハートとスーザンはケープ・コッドへ遊びにいった。そして成績通知の日、ハートは海に出かけた。彼はスーザンが持ってきた通知書を受け取ると、中味を読まずにそれで紙ヒコーキを作り、海に向けてそれを飛ばした。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・ブリッジス
- 脚本
- ジェームズ・ブリッジス
- 原作
- ジョン・ジェイ・オスボーン・Jr.
- 製作
- ロバート・C・トンプソン
- ロドニック・ポール
- 撮影
- ゴードン・ウィリス
- 音楽
- ジョン・ウィリアムズ
- 編集
- ウォルター・トンプソン
- 字幕
- 清水俊二
受賞歴
第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)
受賞
最優秀助演男優賞 | ジョン・ハウスマン |
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