フランケンシュタイン(1994)

劇場公開日:

フランケンシュタイン(1994)

解説

1816年に発表された恐怖小説の古典を、豪華なスタッフとキャストで、原題のとおりメアリー・シェリー女史の原作のスケール感と雰囲気を忠実に再現、映画化したホラー・ロマン大作。製作は「ドラキュラ(1992)」に続いてモンスター映画の再生に挑んだフランシス・フォード・コッポラと、同作のジェームズ・V・ハート、ジョン・ヴェイチで、エグゼクティヴ・プロデューサーは、コッポラの「ゴッドファーザーPARTIII」のフレッド・フックス。監督・共同製作・主演の三役をこなしたのは、「から騒ぎ」の英国演劇界の鬼才ケネス・ブラナー。脚本は「エルム街の悪夢3 惨劇の館」「ブロブ 宇宙からの不明物体」のフランク・ダラボンと、新鋭女性脚本家ステフ・レイディの共同。撮影は「バットマン(1989)」「未来世紀ブラジル」のロジャー・プラット、音楽はブラナーと共にルネッサンス・シアター・カンパニーの舞台公演を手掛け、彼の「ヘンリー五世(1989)」にも参加したパトリック・ドイル。美術はブラナーの全作品を手掛けたティム・ハーヴェイ、特殊メイクは「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「リトル・ブッダ」のダニエル・パーカーが担当。クリーチャー(怪物)には「ブロンクス物語 愛に包まれた街」のロバート・デ・ニーロが扮し、「ハワーズ・エンド」のヘレナ・ボナム・カーター、「アマデウス」のトム・ハルスほかが共演。

1994年製作/アメリカ
原題または英題:Mary Shelley's Frankenstein
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1995年2月11日

ストーリー

時は1794年。北極点を目指す帆船の船長ウォルトン(アイダン・クイン)は、嵐の中で橇に乗った男を助けた。男は自分の数奇な運命を語り始める……。彼、ヴィクター・フランケンシュタイン(ケネス・ブラナー)は、裕福な父(イアン・ホルム)や美しい母(チェリー・ランギ)に囲まれ何不自由ない生活を送っていたが、母は弟の出産の際に死に、彼は生命のはかなさを呪う。ヴィクターは科学の道に進み、永遠の生命の発見を心に誓う。彼は義理の妹エリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)に愛を告白し、大学から戻り次第、結婚する約束を交わして家を出た。大学で医学を志すヘンリー(トム・ハルス)と友情を育んだヴィクターだが、生命創造の研究に没頭する彼は危険思想としてクレンペ教授から糾弾された。彼は同じく学会で異端視されてきたウォルドマン教授(ジョン・クリース)に弟子入りする。折しも街にはコレラが蔓延しており、教授も医者として診察に当たっていたが、治療に来た一本足の男(ロバート・デ・ニーロ)と口論となり、教授は刺殺される。ヘンリーやエリザベスの心配をよそに、彼は教授の残したノートを手掛かりに実験を進める。絞首刑に処せられた片足の男の死体を手に入れ、ほかの死体から切断した足と繋ぎ合わせ、稲妻を利用した電気ショックを与えると、死体は動き始めた。ヴィクターは実験が成功するや事の重大さに気づくが、結果的に彼を見捨てる。一方、彼の元から逃げ出したクリーチャー(創造物)はその醜い姿ゆえ村人たちから追われ、人間から受け入れられないことを悟り、号泣する。言葉を覚えた彼は、コートにあったヴィクターのノートを読み、自分の出生の秘密を知る。その頃、ヴィクターはエリザベスとの結婚の準備に忙殺されていたが、幼い弟ウィリアムが死体となって発見され、ヴィクターの幼なじみジャスティン(トレヴィン・マクダウェル)が犯人扱いされ、絞首刑に処せられた。その時、あのクリーチャーがヴィクターの前に現れ、アルプス山中の自分の隠れ家まで来るよう伝えた。彼の知らぬ間に知性と言葉を身に着けた怪物は、自分の創造主たるヴィクターに「なぜ見捨てたのか」と問う。復讐のためウィリアムを殺したクリーチャーは、彼に伴侶を作るよう要求した。だが「すべてを捨てて2人でやり直しましょう」と言うエリザベスの言葉に勇気づけられた彼はクリーチャーを滅ぼそうとするが、怪物は逆にエリザベスを殺す。悲嘆にくれる彼に怪物は「約束だ」と迫り、もはや理性を喪失したヴィクターは、エリザベスの首とジャスティンの胴体を繋ぎ合わせた生命を生み出した。クリーチャーは伴侶の誕生を喜ぶが、彼女は自身の醜い傷痕を恥じて、ランプの炎に身を投じ、屋敷は炎に包まれた。数年後、ヴィクターはクリーチャーを追って、彼が逃れた北極海の氷原にたどり着いたのだった……。語り終えたヴィクターが静かに息を引き取ると、いつしかウォルトンの前にクリーチャーが現れていた。怪物は彼の『父』の死に涙を流した。その時、氷がひび割れ、クリーチャーはヴィクターの遺骸を乗せた流氷に飛び乗ってそれに火をつけ、霧の彼方へと消えていった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第67回 アカデミー賞(1995年)

ノミネート

メイクアップ賞  
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映画レビュー

4.0ケネス・プラナークオリティ

2020年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 おどろおどろしい様な雰囲気ではなくファンタジー映画のような作りになっている。演技派の俳優を豪華に揃えているため観る者を飽きさせない。特にエリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)が良かった。研究を続けることとエリザベスとの愛を天秤にかけるやりとりは見物です。

 かなり時代考証にも力を入れて、細かな描写にもこだわりが感じられました。デ・ニーロ演じるモンスターが人間らしい感情を徐々に身につけていく様子、ヴィクターの裏切り行為によって凶悪化する様子等、彼の演技も素敵だ。そのため、ホラー映画ではなくファンタジー&人間ドラマとして出来上がったようだ。ホラーのような怖さはもちろん無く、最後には涙を誘われます。

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kossy

3.0スタッフ・キャストをこれだけ揃えたのに

2020年6月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場公開時鑑賞。こちらにも出演していたイアン・ホルム氏が亡くなりましたね。合掌。
さて本題ですが、うーんデ・ニーロは別にいいとしてボナム・カーターまで…。ゴシック調の重厚な雰囲気とメイクなどの特殊効果がどうもチグハグに感じられて、監督としてのケネス・ブラナーのイメージは悪いまま今に至ります。

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なお

3.0現代に置き換えると、亡くなった人をAIで蘇らせようとする試みが是が...

2020年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

現代に置き換えると、亡くなった人をAIで蘇らせようとする試みが是が非かという問答に近いものがあるのかなー。
倫理的なメッセージが込められた作品だと思うけど、個人的には、亡き人の思い出を胸に前に進まないといけないんだなと思わされた。

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原っぱ

2.5現代に蘇るゴシック・ホラーの古典。船長、あんたは漢の中の漢や!

2019年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

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たなかなかなか