ブラックアウト(1997)
劇場公開日:1998年4月28日
解説
ドラッグとアルコールに溺れたスター俳優が見る妄想と現実との混淆の中に、贖罪のテーマを描き出す心理サスペンス。監督は「フューネラル」の鬼才アベル・フェラーラで、脚本もマリア・ハンソン、クリスト・ゾワと共同で執筆。製作は「ウインター・ゲスト」のエドワード・R・プレスマン、クレイトン・タウンゼント。製作総指揮は「ライアー」のマーク・デイモンとアレッサンドロ・キャモン。撮影のケン・ケルシュ、音楽のジョー・デリア、編集のアンソニー・レッドマンはフェラーラ作品の常連。美術は「デッドマン・ウォーキング」のリチャード・フーヴァー。衣裳はメリンダ・エッシャーマン。主演は「カットスロート・アイランド」のマシュー・モディーン。共演は「FISHING WITH JOHN」のデニス・ホッパー、スーパーモデルのクラウディア・シファー、「彼女たちの関係」のベアトリス・ダルほか。
1997年製作/99分/アメリカ・フランス合作
原題または英題:The Blackout
配給:アスミック
劇場公開日:1998年4月28日
ストーリー
映画スターのマティ(マシュー・モディーン)は、様々なプレッシャーにさらされドラッグとアルコールに溺れる生活の中で、恋人のアニー(ベアトリス・ダル)と過ごすひとときだけが安らぎだった。彼はアニーの妊娠を聞き、生活を改めて結婚する決意を固めていた。ふたりは、「光のフリーク」を自称する映像作家ミッキー(デニス・ホッパー)がアニー主演でヴィデオ・ムーヴィーを撮っているナイトクラブを訪れた。半裸の男女が光と音の洪水の中でうごめくクラブで、ふたりは抱き合い、愛し合う。だが翌朝、アニーはマティとの子供を堕胎したことを告白する。激怒するマティにアニーが突きつけたテープには、泥酔したマティがかけた電話が録音されていた。「そんな子供は誰の子かわからない。とっとと堕ろしちまえ」。アニーが去ると、マティはさらにドラッグにのめり込んだ。ミッキーが用意したダンサーたちとドラッグパーティにふけり、次第に虚構と現実の区別を失ってゆく。そんなある日、偶然アニーという名のウェイトレスと知り合った彼は、彼女をナイトクラブへと連れてゆく。ミッキーは彼女を「第二のアニー」(サラ・ラセズ)と呼び、早速ビデオを廻し始めた。レンズの前での退廃的な戯れの中、マティは意識を失い、「ブラックアウト」していった。それから一年半後、酒とドラッグを断ち更生したマティは、スーザン(クラウディア・シファー)という女性と暮らしていた。だが精神科医のカウンセリングを受けていまだ自分の心がアニーにあると自覚し、やがてアニーを殺す夢にうなされるようになった。精神科医はアニーとの訣別を望んでいることの現れだと言うが、マティはその悪夢が現実なのではないか思い始めていた。謎を解き明かそうとマイアミへ戻ったマティにミッキーは、今は他の男と結婚しメキシコで暮らしているアニーの生活に波風を立てるなと忠告する。不安のあまりアルコールに再び手を伸ばして泥酔するマティを見かねて、ミッキーはアニーを呼び寄せる。だが彼の不安は癒されることなく錯乱の度は深まるばかりで、ミッキーはついにマティに、彼が「ブラックアウト」した夜のヴィデオを見せる。そこにはゆきずりの「第二のアニー」を殺すマティの姿があった。ミッキーが人知れずすべての始末をしていたのだ。その事実を知ったマティは、ひとり夜の海の中へと歩んでゆく。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アベル・フェラーラ
- 脚本
- マーラ・ハンソン
- クリスト・ゾイス
- アベル・フェラーラ
- エグゼクティブプロデューサー
- マーク・ダモン
- アレッサンドロ・ケイモン
- 製作
- エドワード・R・プレスマン
- クレイトン・タウンゼンド
- 撮影
- ケン・ケルシュ
- 美術
- リチャード・フーバー
- 音楽
- ジョー・デリア
- 音楽製作総指揮
- ジャニス・ギンズバーグ
- 編集
- アンソニー・レッドマン
- 衣装デザイン
- メリンダ・エシェルマン
- 字幕
- 菊地浩司