「肩の荷が降りた」フォレスト・ガンプ 一期一会 hi wataさんの映画レビュー(感想・評価)
肩の荷が降りた
中学生の頃に小説として読み、当時はなかなか理解できず「よくわからない小説」という認識だった。
中学生ぶりに見た「フォレスト・ガンプ」というタイトルに惹かれ映画を視聴したが、当時ではわからなかった描写や登場人物の心情などを感じ取ることができ、自分を登場人物と照らし合わせて見ることもできた。
中学生時代と現在の私が大人になった事を実感したとともに、現在では忘れてしまった中学生時代の大切な事を思い出し、フォレスト・ガンプの様に純粋な心をいつまでも持ったまま大人になる難しさを感じた。
周りの環境のお陰である事も否定はできないが、もし私がフォレスト・ガンプと同じ条件化で大人になると考えた時、フォレストの様に純粋な心を持ち、人を疑わずに生きていくことはできないと感じた。
私が個人的に心に残った言葉が二つある。
一つは前半でできた「投げる石が足りないこともある」という言葉で、これはその場面を見た人にしか伝わらないと思うが、その状況を端的に、かつ優しく表現している言葉で、特別深い言葉ではないと思うが個人的にかなり胸に刺さるものがあった。
二つ目はジェニーが今までフォレストが経験してきたことについて尋ねるシーンでフォレストが放った「君もいたよ」という言葉で、普通なら「君にも見せるよ」や「僕も見たかったよ」などといい相手を慰めるだろうが、「君もいたよ」という誰も傷つけず気を遣わせない様なとても優しい返事に鳥肌が立ちました。
フォレスト・ガンプの様な人物は周りからすれば世間知らずでたまたま運良く生きてこれた人だと写るかもしれません。しかし、そう決めつけて相手を知ろうとしない人は本当の「幸せ」を逃してしまっている残念な人だと気づきました。
これはフォレストの話を聞いていた人々に当てはまると思います。1人は予定に追われ聞く耳を持たず、1人は嘘だと疑い否定しました。この様な人々を映画を見ている第三者の目線からすれば「なんなんだこの人は!」となるかもしれませんが、私も日頃否定し、疑い、予定がある事を言い訳に大切なものを逃してしまっていたのかもしれないと気づきました。
綺麗事だけで行けていける様な甘い世界ではないことはわかっていますが、たまには綺麗事を言ったり、人を心の底から信じたり、自分の思うままに生きてみようと感じました。
この映画は大人に成長して無くしてしまった大切な事を思い出させてくれる素晴らしい映画です。
案外考えすぎず楽に生きたり働いてみるのもいいのかなと思いました