8 1/2

ALLTIME BEST

劇場公開日:

8 1/2

解説

映画史にその名を残すイタリアの巨匠フェデリコ・フェリーニの代表作として知られる自伝的作品。一流映画監督のグイドは、新作の構想に行き詰まってしまいクランクインを2週間も先延ばしにしていた。療養のため温泉地を訪れるグイドだったが、女性たちとの関係や仕事上の知人たちとの現実に悩まされ続けるうちに、様々な夢や幻が彼の前に現われるようになり……。日本初公開は1965年。その後、1983年にフランス映画社配給で公開。2008年にはオリジナルネガを完全修復してよみがえらせたニュープリント版(ザジフィルムズ配給)が公開されている。2020年には、フェリーニ生誕100年を記念した「生誕100年フェデリコ・フェリーニ映画祭」(20年7月31日~8月20日=東京・YEBISU GARDEN CINEMAほか)で4Kデジタルリマスター版が上映。

1963年製作/140分/G/イタリア・フランス合作
原題または英題:Otto e Mezzo
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2020年8月2日

その他の公開日:1965年9月26日(日本初公開)、1983年11月19日、2008年7月12日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1

(C)MEDIASET S.p.A.

映画レビュー

4.0己の欲望に背かずに

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

フェデリコ・フェリーニ監督のイタリア映画。
「創作に行き詰まった映画監督の苦悩…巨匠フェデリコ・フェリーニが現実と幻想を交えて描く自伝的名作」(「洋画専門チャンネル ザ・シネマ」からの引用)。

最初のシーンからすごい。リアリズムに徹した映画ばかり最近みていたが、こんなにも現実と幻想を交錯させ、現実を超越する映像表現が映画でできることを改めて気づかされる。
グイドも物語中で言っているが、映画は何でもありなのだ。もちろん肯定的な意味で。

グイドを取り巻く女たち。女たちは、彼の過去や欲望や母性の希求の表象である。それを物語の現実と幻想に同じ強度で登場させ、境界を融解させる。それは監督自身の現実が映画の幻想に反映され、またその幻想が現実にも作用していることを示しているようである。

ハーレムを幻想することは、現代のポリティカル・コレクトに反するように思える。しかしそれでも己の欲望に背かず描く姿勢は名作と呼ばれる所以であろう。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
まぬままおま

4.0共感はできるが理解はできない

2024年11月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

幸せ

そもそも人の頭の中ほど難解なものはないと思う
といっても私は元来苦労はしてもあまり悩んでもここまで深く考えずにここまできてしまった
何か一つのことを突き詰めるまで考えたり出来ない
でもこの作品に共感はできます
まだ自分のことを嫌いだった頃かなりの楽しくて深酒をして1人の家へ帰宅した時のこと
大きな姿見の前にへたり込みふと鏡を覗き込んだとこがある
「お前、誰だ?」
自分の顔が鏡に映ってはいるのだがなぜかその時真剣にそう思ってしまったのだ
あの時の感覚は今でも恐ろしくなる
その時から呑んでも鏡を見ることを避けるようになったもしも繰り返していたら正気ではいられない
そこにはなんの意味もないのにだ
フェリーニの頭の中を映し出されても理解などできるはずもない
カオスが永遠に続き全てを解決することなど出来るはずもない
いっそのことまるっと全てを笑い飛ばせたなら
どうせなるようにしかならないのだから
私は悩む前に受け入れる選択を選んだ
考えるのはその後自分がどう動いたらいいのか、そこに力を注ごうと思う

きっとそれがこの作品の最後のシーンに繋がるのかもしれない
だとしたら少しは自信が持てると思う

コメントする (0件)
共感した! 0件)
カルヴェロ

3.5フェリーニしか作れない映画

2024年9月29日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ジョニーデブ

4.0初見から30年…ようやく理解ができました…。

2024年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

新文芸坐さんにて特集上映「追悼アヌーク・エーメ 巨匠たちに愛された瞳」にてフェデリコ・フェリーニ監督『8 1/2』(1963)を鑑賞。

初見は今から30年以上昔の大学時代。
「イタリア・ネオレアリズモ映画、ヌーベルバーグを勉強してみよう!」と息巻いてみたが当日はさっぱり理解できず…長年もやもや…苦手な作品扱いをしておりました。

今回、主人公のグイド・アンセルミよりもずいぶん歳を食った年齢で再チャレンジ。

なるほど、なるほど。
これは黒澤明監督『夢』(1990)のような監督自身の頭のなかの意識や夢の話。
ラストの登場人物が総出で輪になって踊るシーンも夢だとわかるとすっきり理解できましたね。
「人生はお祭りだ。一緒に過ごそう。」最後のセリフはこの歳になって腹落ちですね。

アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレも魅力的でしたが、やはり名優マルチェロ・マストロヤンニの洒脱で艶がある佇まいは素敵ですね。
晩年の『今のままでいて』(1978)、『マカロニ』(1985)、『黒い瞳』(1987)、『みんな元気』(1990)が特にお気に入りですが、未パッケージ、未配信なのがとても残念です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
矢萩久登