「何十年ぶりかのブニュエル作品」昼顔(1967) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
何十年ぶりかのブニュエル作品
男性の私としては、カトリーヌ・ドヌーヴ
の裸がチラチラしてなかなか冷静に観れない
作品だった😅
ルイス・ブニュエル作品は若い頃に
「哀しみのトリスターナ」
「ブルジョアジーの秘かな愉しみ」
「自由の幻想」「欲望のあいまいな対象」
を観たが、正直なところ「自由の幻想」の
テーブルの椅子が便器になっているシーン
が強く印象に残っているだけで、
他の記憶がほとんど無い中での
歳を重ねてからの「昼顔」初鑑賞となった。
ストーリーは、子供の頃のトラウマから
性的不感症になり、
娼館での経験からの自信回復で夫婦生活が
元に戻るかと思いきや、という展開だ。
夫婦の性生活の不満足状態が家庭外での刺激
を通じて改善に転ずる、
というのは良くあるパターンだが、
ラストには今度は夫の不能という、
苦労の末に問題解決したはずの妻の
その努力の要因によって招いた皮肉な結末
が用意されていた。
この映画の中でも夢か幻想なのかのシーン
が数多く出てくるが、ブニュエル作品は
多分に象徴的・抽象的描写が頻繁で、
リアリティや社会テーマ性を重視する
映画鑑賞姿勢の私には印象に残りにくい
監督なのかも知れない。
そんな中では「昼顔」は多分に
現実と幻想の区別が付きやすい作品で、
ラストシーンも、せっかく妻は問題解決した
のに、今度は夫が不能になったとの
皮肉の裏返しの夢または幻想としか
思えませんでしたが、
皆さんの解釈はいかがなのでしょうか?
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