ビリティス

劇場公開日:

解説

ある夏の休暇を通し、少女から大人にかわっていく1人の女性の思春期を描く。製作はシルヴィオ・タベットとジャック・ナアン、監督はスチール・キャメラマンでこれが第1作のデイヴィッド・ハミルトン、脚本はカトリーヌ・ブレイヤ、原作はピエール・ルイスの詩集「ビリチスの歌」(角川書店他刊)、撮影はベルナール・ダイレンコー、音楽はフランシス・レイ、顧問・編集はアンリ・コルピが各々担当。出演はパティ・ダーバンヴィル、モナ・クリステンセン、ベルナール・ジロドー、ジル・コーレル、マチュー・カリエールなど。

1977年製作/95分/フランス
原題または英題:Bilitis
配給:東宝東和
劇場公開日:1977年10月15日

ストーリー

それをたったひと夏の想い出とかたずけてしまってよいのであろうか。あの生涯忘れられぬ季節--。寄宿学校では学期末の数日を、女生徒達がもどかしく過ごしていた。その中にビリティス(パティ・ダーバンヴィル)という少女もいる。揃いの制服に包まれた彼女達。やがてお別れの学芸会が開かれた。そしてそこに現われた写真家のルカ(ベルナール・ジロドー)。ビリティスにとって初めて意識する男性だった。そして、夏休み。彼女は、父の女友達の娘メリサ(モナ・クリステンセン)とその夫ピエール(ジル・コーレル)の住む南フランスはプロバンス地方で、その夏を過ごすことになった。サントロペ近くの高台にあるメリサの家は、そばに牧場のある12世紀の豪邸。そしてピエールは馬の調教師。だがビリティスは生理的に彼を好きになれない。それにくらべメリサの高貴なエレガントな美しさ。ビリティスはうっとりとした。だが、反面、メリサとピエールの夜は、サド的な夫という異常な関係。ある日、メリサとビリティスは海へ行く。そして、そこでルカに再会。彼はアルバイトに海辺で写真店を開いていた。やがて、ビリティスはルカに、ルカはビリティスにと、2人の感情は交流する。だが、ルカが最後の一線をこえようとすると、こばむビリティスは、メリサに泣きつくのだった。「男なんか、いや」。やがて、メリサとビリティスは陶酔の時をむかえた。でも、それはたった1度の愛のいとなみ。数日後、ピエールは他の女性と共に旅に出た。それを淋しげに見送るメリサ。ビリティスは彼女のためにパーティを開く。そして、メリサの相手にと、街で見つけた船員のニキアス(マチュー・カリエール)を招待した。だが皮肉にも彼は、ビリティスが故意に呼ばなかったルカを呼んでいた。熱い視線を交わすメリサとルカ。もう私の初恋の人は、私から去ってしまった--。ビリティスはルカとメリサの手と手を結ばせる。チークダンスを踊る2人。ビリティスの顔は涙でくしゃくしゃであった。そして、あくる早朝、1人自転車に乗り、あのまだ誰も休暇より帰っていない寄宿舎に帰るビリティス。長いようで短かいひと夏は終った。そして苦さだけがビリティスに残った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5やっぱり 写真家としての方が…

2019年8月30日
Androidアプリから投稿

「16才を超えた 少女の写真を撮ることに関心がない」と言ってた デビッド・ハミルトン この映画では そういう訳にもいかず、 20代のダーバンヴィルを 主役にしてる 写真家としては〈独特のソフトフォーカス〉 という分野を確立したが 映画監督しては、どうなのか? 彼の 少女趣味と妄想の世界 は堪能出来る (美しく 甘い… 品も悪くない… ) 昔、少女だったこともある身としては 鼻白むが… (少女の世界にも 子供なりの残酷さがあったりする) 憧れの女性への同情と恋慕も、あまり伝わらない (これは 演出の問題だろうか) 俳優の中では マチュー・カリエール(ニキアス役) の存在だけ、気になる 2016年 ハミルトン 83才 複数女性(モデルだった)から 暴行被害を訴えられて、自殺 自分が 少女の心を傷つけ、その後の彼女達の人生に影を落とすことになるとは、思い及ばなかったのでしょうか それらが、彼の写真家としての業績に 影を落としたことも、残念です

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jarinkochie