秘密と嘘のレビュー・感想・評価
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今日から家族
何が秘密で何が嘘か、敢えて言わなければ秘密で意識して違う事をいうと嘘、ならばどちらの方が傷付くか
姉弟を軸に家族の難しさが見えてくる。主人公の姉はいつもキーキー喋っていて、娘でなくても閉口してしまう。弟も寡黙でありながら周りを優しくフォローしていて見ているだけでもストレスで大変そう。
養女に出していた娘が現れた事で姉が少し変わったようだが、本来人間はそんなに変わらないもの現実的には結局お互いに失望して終わりになりそう。
育ての親が亡くなったことを契機に産みの親を探す娘。 その他、2組の...
育ての親が亡くなったことを契機に産みの親を探す娘。
その他、2組の家族の話がしばらく個別に進行する。
前半は少し退屈だった。
だが、母娘が再会してからおもしろくなった。
主要キャストが一堂に会するBBQのシーンは一気に緊張感が増し、最後は何とも暖かい気分になる。
良作だった。
妊娠と避妊と不妊と
ストーリー:写真館を営む男は、親族の絆が薄くなっている事を悲しむが、かと言ってくず女である姉にはあまり近づきたくない。姉は未婚のまま二人の子供を出産し、そのうちの一人は養子に出してしまい二度と会うことはないはずであった。
ディティールに凝った画作りには感服しました。
くずな女の振る舞いに、ただただ閉口するしかない、それでも家族は家族だし困ったもんだ、そういう感じを観客と共有する手際が鋭い。
超弩級のクズ女が咆哮を上げると、ヤンキー系ガテン系半グレ系の周りの者たちがとてつもなく善人に見えてくるのだから、ある意味すごい女です。
その辺の描写力は極めて高い映画です。
しかし全体像は、取り様によっては話のための話に過ぎない。つまり見る人にとって必要性が感じらず、ポカンとしてしまうきらいがあります。
不必要に長いのも問題に拍車をかけています。
果たしてこれを見る必要があっただろうか、見るのに疲れてだんだんそういう微妙な感情がわいてきます。
女の仕事は子供を産む事。そういう価値観が少し香る所も微妙といえば微妙。
今週の気付いた事:愛と中庸はどっちも大事。
絶妙な演技と、「人を許す」ということ。
パルムドール受賞とか、その価値については私にはあまりよくわからないけれど、ひとつのファミリーのゴタゴタ話と言ってしまえばたったそれだけの映画なのに、なぜか最期まで興味深く見ることができるのだから、なかなか凄い。
それは、シンシアはじめ、俳優さんたちの縁起が絶妙だったからかな、と思う。
わたし的には、娘のロクサンヌの恋人の演技が特に気に入った。
不器用で自信なさげで無口なのに、立ち居振舞いなど、ちょっとしたところで良さが伝わってきて絶妙。特に最後の方、バス停から叔父の家にもどるとき、彼が左右の安全を確認したところとか、すごく細かい演技だと思う。
結構細かいところまで配慮された映画なので、見ていて飽きない。
このファミリーの一連のゴタゴタは、身持ちが悪く思慮が浅いシンシアに元凶があると思える。でも、彼女には情感豊かな可愛さがあり、憎めない。
結局、人はそれぞれ、良さもダメな面も表裏一体だし、いちいち責めたり羨ましがっても仕方がない、ってことかな。それぞれ事情もあったりするし。
互いを受け止めながら何とかやっていくのがいいね、みたいな。
ホーテンスに、家族、特に妹ができて本当によかった。
寛容な気持ちの結果だ。
人を「許す」ことにより、彼女の人生は、より豊かになった。
「許す」って結構いいことだ。
素晴らしかった
登場人物が本当にその辺にいそうな、なんでもないその辺でカメラを回しているかのような自然さ。ストーリーの構成もすごく面白い。クライマックスの誕生パーティが地獄のように展開し、見ていて声が出そうになる。弟のやさしさが心にしみる。実母に育てられた娘は清掃員で、養子で育った娘は検眼師に出世しており、育成環境の大切さが浮き彫りになる。
普通にいい映画。
いやー感動。
昔のパルムドールを追っての鑑賞。
最近のカンヌものとは当然違うけど、元祖本流のいい映画です。
マイナス面って、何をもってマイナスとしてるわけ?と、主人公に随分とイライラさせられた果てに、超説得力をもって感動させられる。
娘が、彼氏がその方がいいと言って、戻るくだりは面白かった。
今から見ると、この家族ストーリーは、相当世界の映像作家に影響を与えたんだなと思わせられる。
唯一、写真館に訪れた元店主のその後が心配。w自分に嘘をつかなくてもいい道が与えられますように。
20年ぶりに観た
当時批評家が大絶賛してたから観たけどその頃の私は未熟もいいとこ。案の定ピンとこなかった。20年の時を経て2度目の鑑賞。…ググッときました…。どうにか「秘密と嘘」を観て心底いいなぁと、こんな映画をもっと観たい、と、思う人間に私はなったのだと確認する事が出来ました。昔観た時は主人公のおばさんのダメな感じが受け入れ難かったけど、今見たら、ダメというより…いや、ダメなのはわたしだ、私、頑張らなと、思った次第です。
ファミリーはファミリーである
中学生の頃母から性教育上でコンドームの存在を教えられた。正直あまりピンとこなかったが現代においては、コンドームもあまり売れてないのではないかと、ふと要らぬ心配が頭に浮かんだ。子供を作らない、作れない、その辺りの考えかたがだいぶ緩くなってきたように思う
人生っていいわね
人間には、しっかりと自分の意見が言える人間と、自分の意見が言えずに周りに流される人間と二通りの人間がいます。
主人公シンシアは、まさしく後者のタイプ。周りの人に流され、生活も行き当たりばったりで、だらしがありません。誇れるものもおそらくありません。家族とも上手くいってるとは言えません。
そんな、シンシアの前に現れたホーテンスという生き別れの「娘」。彼女はシンシアとは対照的な前者の人間です。
ホーテンスの存在を巡って、家族の中で吹き荒れる「秘密」と「嘘」。
「秘密」にしていたことが、誰かを傷つける。「嘘」をつくことが、自分を傷つける。「真実」を話すことは勇気がいることだけど、これ以上もそれ以下もない。
そして「秘密」を打ち明けた後に家族でぶちまけた「建て前」と「本音」。シンシアの「勇気」が「本音」を引き出し、ホーテンスの「思慮深さ」が、家族にも伝わるそんなシーン。
彼女達が繰り広げる会話が、まさかこんなに人を愛おしくさせるなんて。人をこんなに好きにさせるなんて。生きていることがこんなに嬉しくなるなんて。
シンシアのラストの一言を、人生行き詰まった全ての中年女性、負け組と思う全ての人に聞いて欲しい。
マイク・リー、なんてことのない日常の出来事でここまで素晴らしい作品を撮るとは。
お人好しな人、過去にとらわれず努力する人、劣等感を抱える人、人を励ます人。出演者は私の身近にいる人達。そして、本当は皆優しい。明日から、人をそんな風に見てみよう。
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