「シンプルだけど濃密な名作」ひまわり(1970) ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルだけど濃密な名作
今まで観る機会がありませんでしたが、映画館で観ることが出来ました。
第二次大戦中のイタリア、ジョバンナと結婚して短い結婚生活ののち、ソ連へ送られたアントニオ。戦後、生死の分からない夫を探しにソ連までやって来た妻が知った現実は、過酷なものでした。
本作は美しいラブストーリーですが、文化の違いや時代の変化についても興味深かったです。
北部のミラノ近郊出身のアントニオとナポリ出身のジョバンナ。イタリア北部はオリーブが作れず、酪農は盛んだったので、アンティはバターを使います。
ちなみにミラノの名物料理はビーフカツレツ(トンカツの原型)やチーズリゾットで、ミラノ風ドリアではありません。
一方南部はオリーブやトマトの生産が盛んなのでパスタ料理が発達しました。ジョバンナはオリーブオイルを使います。
イタリアのシーンでは女性のパンプスの靴音がやたらうるさかったですが、ソ連の田舎の町(ロケ地はウクライナのハリソン)は戦後も道が舗装されてなくてぬかるんでます。でも若い妻はおしゃれな白い靴を履いていて、水たまりにはまって汚してしまいました。駅の向こう側には火力発電所があります。
そういえば、未だにウクライナは道路が舗装されていない所が多く、ロシア軍は泥道に苦戦したとニュースで言ってたっけ・・・
数年後、ソ連も集合住宅が出来て引っ越しラッシュ。日本のニュータウンみたいです。
仕立屋をやっていたジョバンナはマネキン工場で働いています。庶民が安い既製服を沢山買うようになったからでしょうか。そして・・・
ジョバンナは美しい瞳の奥に感情を押し殺します。
明るいひまわり畑の下には悲しい歴史が眠っています。
歴史の過ちは繰り返してはいけません。
こんにちは
ご無沙汰してます。
とてもイタリアに詳しいんですね。
レビューも緻密で勉強になりました。
靴音の違い・・・とか、時間の経過・・・
とても良く分かりました。
私はかなり以前(ウクライナ侵攻のずうっと以前)に名作の一つとして鑑賞しておりました。
今回観なおして、ジョバンナは情熱的なのに理性的で、状況判断が素晴らしい知的な女性だと思いました。
こんばんは♪
コメントいただきましてありがとうございました😊
やはりイタリア🇮🇹に行かれているのですね。国が一緒になったのは知りませんでした。
歴史のある国ですから、洋風の古い建物や景色はいいでしょうね。
ありがとうございました😊
こんにちは♪
映画館で観られたのですね。
今も各地で上映されているようですね。(一番近そうなところで2時間以上かかるので躊躇していたら終了しました。)
イタリアのことお詳しいですね。
北と南でバターとオリーブの違い。
最後のI行ですね❤️
ゆり。さん船橋の事を知らないのに知ったような事を言ってごめんなさい。大変だったんですね。
今週末に本当に船橋の映画が公開します。市立船橋高校の映画。東船橋です。知ってる人は楽しみでしょうね。タイトルは「二十歳のソウル」
ゆり。さんコメントありがとうございます。船橋市の花もひまわりです。関係なくもない・・・・
また乗降客数はJR東日本で25位、西船橋は24位。
ところで良い映画でした。誰かの胸にさされ‼️
確証も無いのに単身でソ連に行くとか、外務省の役人が案内してくれるのか、とか現実離れした所はありますが、それは気になりませんでした。
ストーリーや状況の説明が過不足無くて、やっぱり名作なんだなあと思います。
ロシアの侵攻が無かったら観ることがなかったかも、と考えると、複雑な気持ちです。