「こってりなマカロニよりもグルテンフリーになっている」ビバ!マリア マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
こってりなマカロニよりもグルテンフリーになっている
『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』ルノアール
『白衣の婦人』オペレッタ(?)恥ずかしながら知りませんでした。
『民衆を率いる自由の女神』ドラクロワ
等々
古典をリスペクトしている。
教会の司教らしき人物がのたまう
『これは革命でない。農民の望みは混乱と暴動と中傷だけだ』
ミュージカル仕立ての活劇フレンチウェスタンなのだが、全てに質が高く、この年になって鑑賞して、こってりなマカロニよりもグルテンフリーになっていると私は感じた。
BB.CCは世間様からの評価が低く感じる。ハリウッドへ進出していないからなのだろうが、ハリウッド一辺倒だった事を反省をすべきだと感じる。MMやOHに引けを取らない。
この映画は『まつ毛を外す所から』ストーリーが展開して行く。『女優は厚化粧』と言ったセリフも出てくる。変わってブリジット・バルドーがまつ毛を付けて演じるのだが、立派な女優である。
それはさておき、彼女は正面からの美女だと思う。向かって左斜め45度の美人が一般的なのだろうが、彼女は正面から見るべきだと私は思う。均整のとれた『シンメトリーばかりが美では無い』と私は思う。
だから、彼女に重たいまつ毛を付けて演じさせた脱欧入米の演出家はセンスが無いと思う。もっとも、私はメイクの事は全く興味が無いし、知識も無い。
近年の東洋系の美女がもてはやされるのは一重瞼で重いまつ毛が似合わないと思い始めているんじゃないか?そう考えて申した。
マサシさん、共感ありがとうございます。
ルイ・マルは小生が最も身近に敬愛するフランスの監督です。「死刑台のエレベーター」「恋人たち」「地下鉄のザジ」「鬼火」「私生活」「ビバ!マリア」「好奇心」「ルシアンの青春」「プリティ・べビー」「アトランティック・シティ」「さよなら子供たち」と大好きな作品が並びます。中でも「ビバ!マリア」は、シリアスな内容が多いマル作品では珍しく楽しい娯楽映画ですね。脚本をブニュエルの「小間使の日記」(未見)のジャン=クロード・カリエールが担当しているのは、マル監督の要請だそうです。イタリアでオペラ「ばらの騎士」の演出を頼まれ、助手にフォルカー・シュレンドルフが付き(ドイツ語の為)、歌手たちとのリハーサルの合間に、カリエールと共に執筆したと云います。マル監督が手本としたのが、ロバート・アルドリッチの「ヴェラクルス」で、セルジオ・レオーネの最後のマカロニウエスタン「夕陽のギャングたち」(未見)に似ているようですが、どちらもアメリカ西部劇から生まれ、偶然にも一致したのは面白いですね。母国フランスから離れて、アメリカ資本による映画制作に挑戦したマル監督のメキシコロケの労作にして、シニカルでユーモアに満ちた革命映画に決着したコメディの傑作でした。