劇場公開日 1966年4月22日

「こってりなマカロニよりもグルテンフリーになっている」ビバ!マリア マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こってりなマカロニよりもグルテンフリーになっている

2023年7月8日
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マサシ
Gustavさんのコメント
2023年7月9日

マサシさん、共感ありがとうございます。
ルイ・マルは小生が最も身近に敬愛するフランスの監督です。「死刑台のエレベーター」「恋人たち」「地下鉄のザジ」「鬼火」「私生活」「ビバ!マリア」「好奇心」「ルシアンの青春」「プリティ・べビー」「アトランティック・シティ」「さよなら子供たち」と大好きな作品が並びます。中でも「ビバ!マリア」は、シリアスな内容が多いマル作品では珍しく楽しい娯楽映画ですね。脚本をブニュエルの「小間使の日記」(未見)のジャン=クロード・カリエールが担当しているのは、マル監督の要請だそうです。イタリアでオペラ「ばらの騎士」の演出を頼まれ、助手にフォルカー・シュレンドルフが付き(ドイツ語の為)、歌手たちとのリハーサルの合間に、カリエールと共に執筆したと云います。マル監督が手本としたのが、ロバート・アルドリッチの「ヴェラクルス」で、セルジオ・レオーネの最後のマカロニウエスタン「夕陽のギャングたち」(未見)に似ているようですが、どちらもアメリカ西部劇から生まれ、偶然にも一致したのは面白いですね。母国フランスから離れて、アメリカ資本による映画制作に挑戦したマル監督のメキシコロケの労作にして、シニカルでユーモアに満ちた革命映画に決着したコメディの傑作でした。

Gustav