ビッグ・ガンのレビュー・感想・評価
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全員隙だらけ!
51年ぶりに映画館鑑賞。中学生時代に鑑賞した時は、もっと面白く感じたのですが、復讐のテンポは遅いし、カーアクションも空き地ばかりで今一歩。アラン・ドロンさんの作品としては、今一歩と再認識しました。
鬼気迫るドロンの殺し屋像
アラン・ドロンがイタリア出張して撮ったノワール作品で、なかなか面白かったです。足を洗おうとした殺し屋が、誤って爆殺された妻子の復讐をすると言うよくあるお話しですが、ドロン演じる殺し屋がまさにハマり役で彼のキャラでもっている映画でした。妻子が殺されても表情に出さずに、スーツとコートをきちんと着こなして、淡々と復讐をこなしていく姿は、端正なマスクなだけに凄みがあり、ドロンならではの殺し屋像です。一方で、自分を助けてくれたやくざの情婦をかばったり、故郷の両親を気遣うなど人間らしい一面もあるのがいいところです。香港ノワールの雄、ジョン・ウー作品の殺し屋のキャラクター造形に通じるものがありますね。役者では、文字通り看板役者のドロンがダントツで、彼のノワール作品の『サムライ』も観たくなりました。
役所広司がしゃべらなすぎてもどかしかった
・冒頭から公衆トイレを生業としている役所広司の日常を最後まで描いていて、小~中くらいの離婚して別れた娘が突然現れたり、同僚が突然辞めたり、懇意にしてる小料理屋の奥さんに男が現れて、と今まで観てきた映画の感覚からしたら弱く感じてしまった事件はあった気がするけど個人的に大きな事件は何も起きないまま映画は終わった。でも、主人公の役所広司からしてみたらとんでもなく大きな出来事が続いたのだと観終わってから少しして思った。どれも何かが起こりそうで起こらないっていう。
・役所広司がしゃべらなすぎてもどかしかった。
・どうして今の暮らしをしているんだろうという疑問は解消されないまま終わった。
・映画だし役所広司の抱えている問題って何だろうとか思いつついまいちわからず、それを乗り越えられたのかなとかと考えたけど、そういう事もないのが日常だよなとか思ったりした。
・東京には沢山変わってて綺麗な公衆トイレが沢山あるんだなと思った。それを掃除する人たちが家から直行して直帰している日常がよくわかる描き方で良かった。
・毎日が同じルーティンで、家の真ん前にある細い自動販売機から缶コーヒーを買って、昼は多分同じサンドイッチで、帰宅したら多分同じ居酒屋で同じメニューを食べている印象で、そんな中、朝いちで乗る軽ワゴン車でかけるBGMのカセットテープは気分で変えていたのが印象的だった。どれも知らないけど、とてもいい曲だった。
・ラストで役所広司が泣きながら笑っていた。正直、どういう感情何だろうとわからないままだった。小料理屋の元夫の命が短いから可哀そうとかだろうか。
・最後の最後、木漏れ日の話が出た。同じものはない、みたいな説明だったと思う。役所広司のような同じような繰り返しも、細かく見たら変化がある、それを拾っていくことが、パーフェクトデイズ?とか考えたりした。
・にしても役所広司はうなぎや素晴らしき世界とか暮らしが似てる映画何本出てるんだろう
面白かった
以前にBSで見ていたのを午後のロードショーでまた見た。ずいぶん前に見たのですっかり忘れていて新鮮な気持ちで楽しかった。アラン・ドロンのイケメンぶりが凄まじかった。殺人がえぐくてよかった。親分連中の間で意見が分かれていたのに結局全員殺されてしまった。
女性に対する暴力がひどくてちょっと引いた。見るからにろくでもない女なのだが、かわいそうだった。
哀愁
組織から足を洗おうと決意する殺し屋。
手違いで組織に妻子を殺され、報復のため組織の幹部を一人ずつ追いかけ仕留めて行きます。
原題が指すのは、その大物幹部達のことでしょうか。Alain Delon演じる殺し屋の処遇について方針が分かれます。
英題は、"No Way Out"。
倫理観より常に自分の利益を優先する人もいれば、命懸けで友人を守る人もいる…。信じたら負けなのか。組織の人間模様を時にスタイリッシュに、時に哀愁たっぷりに描いていました。
カーチェイスのロケシーンは時間や場所を選んでいるのでしょうが、ヨーロッパの各地がとても空いて見えました。どんよりと淋しい街並みが、作品に似合っていました。
銃やナイフではあっけなく即死するものの、無抵抗の女性に暴力を振るうシーンが多々ありました。
アランドロンいいね! 哀愁と言うのが似合いすぎる。殺し屋である主人...
アランドロンいいね!
哀愁と言うのが似合いすぎる。殺し屋である主人公が足を洗おうとする所から物語は始まり、妻子を殺される事で話が動き始める。組織の幹部との孤独な闘い。渋いですアランドロン。殺しのテンポが早く、飽きずにドンドン行く。もったいぶった面を見せずに好感が持てました。終わり方も定型ぽいところはありますが、ハッピーエンドでなく非情な終末を迎えるのは一貫してローテンションな物語にマッチしてました。面白かった。
アラン・ドロンらしい映画
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 65
音楽: 65
とてもアラン・ドロンらしい典型的な映画である。ハリウッドの派手なすっきりするアクションというよりは、刹那的な映画という意味でフランスというかイタリアらしい映画である。
カー・アクションはとても多い。古い映画だしアメリカと異なり小型の車が多く、ちょっとぶつかっただけで簡単にペチャンコになってしまう。映画の進化というよりも車の安全性の進化に気がつかされる。スタントマンも大変だったろう。
ギャングどもは容赦なく暴力を振るう。相手が女でも目的遂行のためには遠慮しない。銃で撃ってあっさりと命を奪うハリウッド物よりも生々しい。もちろん演技だからかなり手加減しているのは画面からはっきりわかるのだが、演出上そのようなきつい場面が多いのも刹那的。そんな彼の映画が好きな人は楽しめると思います。
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