左きゝの拳銃

劇場公開日:

解説

21人を殺して21才にして死んだ西部開拓史上名高い無法者ビリー・ザ・キッドの生涯を、リアルに描こうとした西部劇。ゴア・ヴィダルの原作をレスリー・スティーヴンスが脚色、新進アーサー・ペンが監督した。撮影監督は「十戒」のペヴァレル・マーレー。音楽はアレクサンダー・カレッジ。キッドに扮するのは「傷だらけの栄光」「追憶(1957)」のポール・ニューマン。その他「虐殺の砦」のリタ・ミラン「プロディガル(1955)」のジョン・デナー「嵐を呼ぶ銃弾」のジェームズ・ベスト、ハード・ハットフィールド、ジェームズ・コングドン等が出演する。

1958年製作/102分/アメリカ
原題または英題:The Left Handed Gun
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1958年6月6日

ストーリー

1880年代のニューメキシコ平原で、熱気と疲労にやられたウィリアム・ボニイ(ポール・ニューマン)は牛商人のタントール老人一行に救われた。彼こそは既に12歳にして殺人を犯した札つき男ビリイ・ザ・キッドだったが、度胸をみこんだ老人は彼を雇った。折からリンカーンの町では保安官ブラディ、副保安官ムーン、家畜商ヒル・モートンが結託して、老人の牛群が町に入るのを阻み、単身商談に来た彼を3人は峠道で射殺した。逃げる3人を目撃したビリイは復讐を誓い、町に入って白昼の路上で保安官ブラディと対決、罵倒してこれを射ち殺した。一味の副保安官ムーンは法の名によって彼を制裁しようとし、町の人々ともに彼の隠れ家を囲んで火をかけた。銃撃戦ののち、全身に火傷をうけたビリイはマデロの旧知、サバルと美しい妻セルサ(リタ・ミラン)のもとに身をよせた。煩悶する彼は、心をセルサの美しさによってまぎらせた。仲間の牧童チャーリーとトムに合流した彼は再びリンカーンの町に乗りこみ怯える副保安官ムーンを倒し復讐した。保安官殺しによってお尋ね者となった3人を恐れた最後の1人ヒルは、腕のたつギャレットに保護を求めた。ところがギャレットの婚礼の日、ビリイは恐怖に発砲したヒルを射殺した。祝いの日を血で汚されたギャレットはさすがに怒って自ら保安官に就任、自警団を組織して対抗し、トムとチャーリーを射殺し、ビリイを捕まえて、絞首刑を宣告した。獄につながれたビリイは重い鎖を切って辛くも逃亡したが、ギャレットの一隊はこれを追った。彼等はビリイの旧友モールトリーの手引きで彼がサバルとセルサの家にいるのを知った。セルサ夫婦の冷たい態度に家を出てきたビリイは、ギャレットに声をかけられて振り向いた瞬間、夜空に響く1弾をうけて絶命した。沙婆に未練をなくした彼の腰には、もう拳銃さえつけられてはいなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0恩人を殺されたビリー・ザキッドの復讐物語

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 オープニングの音楽がユニーク。結構暗い内容なのに明るいフォーク調。左ききの若者の悲劇といった内容だ。モートンの手下じゃなければ雇うと・・・かなりオープンな雰囲気だ。

 英国訛りの平和的なタンストールは牛の値段交渉のためリンカーンに向かう途中、ライバルの悪党に殺される。早速復讐である。しかもすぐに復讐の復讐によってタンストールの知り合いの家を焼かれてしまう。なぜだか軍から恩赦が出て無罪放免となったビリーと仲間たち。しかしタンストールを殺した奴がまだ2人。やっちまった・・・

 かつての仲間でもあり、仲裁役だったパット・ギャレットの結婚式に彼らは最後の仇を撃ち殺し、パットは怒って保安官になることを決意する。そして逮捕、脱走・・・とお馴染みのビリー・ザ・キッド物語。

 復讐だけを描くような、むしろ善玉であるようなキャラかと思ったら、結局は善人も殺していく様子も描いていた。若者の暴走といった感じだが、ポール・ニューマンではその心理を上手く演技できてないようにも思える。『ヤングガン』よりは若干まし。

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kossy

3.0脚色しすぎない等身大のビリー・ザ・キッド

2013年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:60点
ストーリー: 65
キャスト: 65
演出: 60
ビジュアル: 55
音楽: 60

 ビリー・ザ・キッドといえば開拓時代の歴史に残る有名な無法者。だが彼を西部の英雄として脚色しすぎて描くのではなく、等身大の若者として描いているのが評価できる。日常の彼はありきたりな若者の一人。だが自分の価値観に従って開拓時代の西部を生き、復讐のために人を殺め、そのためにお尋ね者として追われる日々。仲間を失い心休まる時もなく心身ともに疲れ果てていく姿が痛ましい。主演が若き日のポール・ニューマンということで、彼の若々しい姿とやつれていく過程がビリーと重なっていて良い。

 個人的には歴史上の人物ビリーにたいして思い入れもあるわけではない。またポール・ニューマンは好きだけれども、彼の演じた作品中のビリーにたいしても特に大きな魅力を感じたわけでもないので、たいしてこの作品にのめり込んだわけでもなく、点数としてはこの程度です。悪く言えばビリーは開拓時代に存在したありきたりの暴走した若者の一人に過ぎなくて、私にとってその名声ほどは主人公としての魅力に欠ける。

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Cape God