非情の男

劇場公開日:

解説

国弘威雄・高橋治の脚本を「死者との結婚」の高橋治が監督した青春編。撮影は新人の加藤正幸。

1961年製作/81分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1961年2月13日

ストーリー

ドヤ街に育った土屋五郎は、病身の父と姉を捨てて、山井組のチンピラになっていた。三井組とは、ニコヨンからピンハネしたり、ユスリを働いたりしている愚連隊である。五郎にはストリッパーのみつみという女がいたが、そろそろみつみに飽きていた五郎は、肉体だけを売物にしている若いのり子に関心を寄せていった。ある日五郎は、ボスの山井と、律心光崇党の総裁の演説を聞き、党の青年行動隊長深津から入党をすすめられ、愚連隊よりもうかると聞いて、彼らの真似をすることにした。こうして山井組は、元中学の歴史の教師犬丸を顧問として、青年結社浩流会と看板をぬり変えた。やることに変りはなかったが、寄附金と称するユスリの収入はあがっていった。気をよくした五郎は、久しぶりにみつみのアパートに帰ると、姉の雪子が来ていて、胃癌の父の手術代を、五郎に相談する。だが、五郎は雪子を冷くつっぱねるのだった。雪子には都電の運転手の夏川という恋人がいたが貧乏のため結婚出来ないでいた。手術代などは思いもよらない。ちょうど国中は安保デモで騒然としていた。デモ破りに行けば大物になれると考えた五郎たちは、日当でニコヨンを集めて懸命になっていた。だが五郎はユスリの事件で警察にパクられた。そして出て来た時には、浩流会はなくのり子も山井の女になっていた。五郎は犬丸と必死に浩流会の再建をはかり、東京に入って来る平和大行進に殴り込みをかけようと、ニコヨンを集めにかかるが、立ち上ったニコヨン達に押し殺されてしまった。雪子は頑強に五郎の葬式を拒否した。五郎のしたことを考えれば、死体に鞭打ってもたりないのだ--と考えたからだった。

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