飛行士の妻

劇場公開日:

解説

ヌーヴェルバーグの指導的立場にあったエリック・ロメールが、80年代に向けて放った新しい連作シリーズ『喜劇と箴言集』の第1作。製作はロメールの“菱形映画社”でマルガレット・メネゴス。撮影はベルナール・リュティックがあたり、16ミリの撮影フィルムが公開用に35ミリにブローアップされている。同時録音による録音はジョルジュ・ブラ。編集は「モード家の一夜」以来組むセシル・デキュジス。音楽はジャン=ルイ・ヴァレロで、ラストシーンの挿入歌『パリは私を魅了した』を歌うのはアリエル・ドンバル。出演は当時パリ第三大学の学生だったフィリップ・マルロー、「緑の光線」のマリー・リヴィエールほか。

1980年製作/107分/フランス
原題または英題:La femme de l'aviateur
配給:シネセゾン
劇場公開日:1996年3月2日

ストーリー

法学部の学生フランソワ(フィリップ・マルロー)は東駅の郵便局で夜間のアルバイトをしている。彼は仕事帰りの早朝、年上の恋人アンヌ(マリー・リヴィエール)のアパートの前で彼女が元愛人であるパイロットのクリスチャン(マチュー・カリエール)と一緒なのを見てしまう。アンヌにしてみればずっと姿を消していた彼が朝の7時に突然現れて、妻とよりを戻すからと別れ話を切りだしたので面白くないのだが、フランソワには知る由もない。昼食時に職場の近くでアンヌを捕まえた彼は彼女と喧嘩になり、午後になってもイライラしてなにも手につかない。駅のカフェにいくと、そこにいたのがなんとクリスチャン。相手が女連れで出掛けるのを見て、フランソワは尾行を始める。途中のバスで彼はリュシー(アンヌ=マリー・ムーリ)と目が合う。クリスチャンはビュット=ショーモン公園でバスを下り、フランソワも慌てて後を追うが、リュシーも同じところで下車した。フランソワは道を聞くふりをしたのが縁でリュシーと知り合い、彼女は面白がって尾行に協力する。クリスチャンたちは公園を出て弁護士のアパルトマンを尋ね、フランソワとリュシーは表のカフェで待ち伏せする。途中で用事のあるリュシーは席を立つが、結果が知りたいからと彼に住所を教えていった。アンヌは気の落ちつかないまま家に帰って少し休息しようとするが、そこにフランソワが。アンヌはどうにもならない感情をフランソワにぶつけ、二人は長いあいだの口論の末に和解する。フランソワはアンヌに聞かれてリュシーのことは話したが、クリスチャンを見たことは話さなかった。いずれにせよ彼の妻だと思った女は妹で、弁護士を訪ねたのは離婚ではなく相続話のためだったようだ。夜の仕事にいく途中、彼はことの次第をリュシー宛の絵はがきに書く。行きがけに彼女の家に届けていこうとすると、なんとリュシーが彼の親友とキスしているではないか。彼は絵はがきを捨ててしまおうかと思うが、思いなおして切手を張り、ポストに投函する。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.51980年、フランスの恋愛映画というか、三角関係? 四角? いやも...

2023年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

1980年、フランスの恋愛映画というか、三角関係? 四角? いやもっと? で、いちいちやきもきする様子が、おかしくもアート的でした。
よそではほかの異性といちゃついて、こっちでは嫉妬? など、日本の感覚では想像を超えた場面もちらほらあり。
生身のパリジャン&パリジェンヌ、滑稽で愉快な映画でした。

東京芸術センター・シネマブルースタジオ(足立区千住)にて、エリック・ロメール監督の特集上映、2023/11~2024/03月に8作品。本作品が第1弾です。
劇場の回数券・8枚綴りを買うお客さんが何人もいるのが、聞こえてきました(当方も同様)。

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woodstock

4.0こんなのもありか…と。

2020年9月29日
Androidアプリから投稿

意外な展開と、細かい描写が観ていて飽きない。

そして、やはり主人公の二人の恋愛のあり方は興味深かった。

都会的なアンナと、優しげだけどあか抜けないフランソワは、見た目からして合わない。
「別れたら?」と言いたくなるような二人。
でも、アンナは、彼女のわがままや神経質なのを許してくれる便利な癒し役として、彼を離しそうで離さない。
フランソワの方は、お人好しでどんくさいので彼女の実情に疎い。しかも彼女の容姿にメロメロだから、離れられない。

というわけで、この二人の関係は何だかんだ言いながら当面続いていくんだろうな〜と思わせる。

オーソドックスな恋愛とは言いがたいけれど、こういうのもありか、というパターン。本人同士がいいのならとやかく言うことではない、それが都会スタイルなのだ…。
よく考えてみれば、カップルの関係には、こんな傾向は、ここまで極端でないだけで、実はよくありそう。

このスタイルは、一見、女の方がしたたかではある。≪女が決める≫に近いものがある。でもその女とて、思慮が浅い面もある。アンナは結局飛行士に騙されているし、公園での写真はふつうに考えて上手くいくはずがない。

そんな跳ね返りの女たちを見守る男もいるから、世の中は成り立っていける…。

まぁいいじゃないの、これはこれで。

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あま・おと

4.5楽しめました

2020年9月3日
iPhoneアプリから投稿

ロンメール作品特集とのこと。いつもの、池袋新文芸坐で2本立て。会員なので、1150円。

スランス映画🎬興味あって。
よく難しいと言われてるけど

とても、わかりやすく、結婚、女性の生き方
ジェンダーフリーを考えさせられる映画
民族的な話でもある。
流れてるBGMも、心地よく
女性にオススメ☆彡

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花