判決前夜 ビフォア・アンド・アフター
劇場公開日:1996年9月14日
解説
殺人事件の容疑者になった少年を軸に揺れ動く家族の姿を描くサスペンス。ロゼリン・ブラウンのベストセラー小説『判決前夜』(邦訳・新潮文庫)を「羊たちの沈黙」「陪審員」のテッド・タリーが脚本化。監督には「運命の逆転」「死の接吻」のバーベット・シュローダーがあたった。製作は「死の接吻」のスーザン・ホフマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはロジャー・バーンバウムとジョー・ロス、撮影はシュローダーとは「運命の逆転」以来コンビを組むルチアーノ・トヴォリ、音楽は「セブン」のハワード・ショア、美術はスチュアート・ワーツェル、編集はリー・パーシーがそれぞれ担当。出演は「マディソン郡の橋」のメリル・ストリープと「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のリーアム・ニーソン、「リトル・オデッサ」のエドワード・ファーロングほか。
1995年製作/107分/アメリカ
原題または英題:Before and After
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1996年9月14日
ストーリー
ニューハンプシャー州の静かな町、ハイランド。小児科医のキャロライン・ライアン(メリル・ストリープ)は、自分の勤務する病院に運びこまれた少女の死体をみて驚く。彼女は17歳の息子ジェイコブ(エドワード・ファーロング)のクラスメートのマーサだったのだ。彫刻家である夫ベン(リーアム・ニーソン)とジェイコブの妹ジュディス(ジュリア・ウェルドン)が待つ家に帰宅したが、車があるのにジェイコブの姿がみえない。そこへ地元の警察署長が来訪し、なんとジェイコブがマーサ殺しの容疑者だというショッキングな事実を伝える。実はその日の朝、ジェイコブと口論して気がとがめているベンは動揺し、署長を追い返してから、車のトランクを開けると、中には血のついたジャッキが……動転した彼はジャッキを洗い、トランクの血痕を消し去る。ベンからこれを聞いたキャロラインは証拠湮滅がかえってジェイコブの不利になることを恐れる。ジェイコブが姿を現さないまま、警察の捜査が開始。事件から5週間。ジェイコブは発見され逮捕。保釈が認められ、ジェイコブは家に戻るが彼は家族にも口を閉ざしたまま。ライアン家は町の人々から冷たい仕打ちを受け、キャロラインも休職させられた。そんな中、夕食の席上ジェイコブはようやく口を開き、真相を語る……。彼はマーサと深い関係にあったが、彼女はジェイコブ以外の少年の子供を妊娠。事件当日の雪の日、二人は車で言い争った。車が雪で埋まり、ジェイコブはジャッキで処置しようとしたがうまくいかず、マーサはジェイコブを罵り、怒った彼が彼女を叩いた。これでマーサはヒステリーを起こし、鉄の棒でジェイコブに殴りかかり、彼がよけたはずみにジャッキの上に倒れこんで、命を落としたのだ。裁判にあたり、友人の弁護士ウェルドン(ジョン・ハード)の紹介で、ジェイコブの弁護を引き受けたのは敏腕弁護士のデメリス(アルフレッド・モリーナ)。ところがベンは息子を無罪にしたいあまり、キャロラインに相談せず、一計を案じてジェイコブが事件前にマーサと別れたとデメリスに告げる。“真実”を伝えることだけが唯一息子を救う道だと信じるキャロラインは怒り、ここで家族に亀裂が入る。ジェイコブはキャロラインに、自分は真実を告げると語り、ひとり警察へ。留置所へ駆けつけたベンとキャロラインに、ジェイコブは真相をすべて話したと告げる。キャロラインは証言に署名したが、ベンは息子を罪人にする書類にはサインできないと涙して拒否。かくして裁判がはじまり、デメリスも尽力するが、公正な判事が下した判決は、「殺人罪は問わないが、証拠湮滅の罪は有罪とする」という厳しいものだった。ジェイコブとベンは数年の刑期をつとめ、ライアン家は町を去った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- バーベット・シュローダー
- 脚本
- テッド・タリー
- 原作
- ロゼリン・ブラウン
- 製作総指揮
- ロジャー・バーンバウム
- ジョー・ロス
- 製作
- バーベット・シュローダー
- スーザン・ホフマン
- 撮影
- ルチアーノ・トボリ
- 美術
- スチュアート・ワーツェル
- 音楽
- ハワード・ショア
- 編集
- リー・パーシー
- 字幕
- 松浦美奈